澤野弘之 LIVE[nZk]005 2018.05.13 パシフィコ横浜・国立大ホール/SawanoHiroyuki[nZk]

標準

恒例の澤野弘之氏のライブ―今回は5月半ばに行われた―へ行ってきた。

今回はパシフィコ横浜という大箱、加えて日曜開催ということもあり少しいつもと勝手が違ったのだが(それでパンフ買えないというポカやったが:泣)、いつも以上にボーカル陣も多く、大ベテランであるDoAsInfinityもゲストとして登場するなど、非常にスペシャル感の高いステージだった。

少し時間が空いてしまったが、備忘録的にレポートしておく。




当日はあいにくの小雨で曇天。個人的にミスったのが開始時刻を1時間まちがえていたこと。それでも早めにつくようにはしていたので開演にはちゃんと間に合ったのだが、物販に並ぶも開演時間が迫り、待機列あと一折れというとこで断念し場内へ(開演してから入るなんちゅう失礼なことできませんからな)。

そういう自分のような客もぼちぼちいたせいか開演は定刻より少し押してスタート。
※以下曲順は例によって公式サイトや音楽系webメディアの記事にあるので、それを参考にしつつとなります。

今回も冒頭はおなじみの『[nZk]o1』かな~と思いきや、いきなり激しいディストーションとヘヴィなビートでのスタート。クレーンが入ってることを考えるとビデオシュートもされているっぽいこともあってか、かなり気合の入ったOP。(おそらくこのクレーンの有無などでパシフィコ選択ということだったのかも)

トップバッターのボーカルはサバプロからのYoshさん。バックトラックの轟音に負けないだけの煽り、とっぱなから全力疾走でいきなりトップスピードへ!正直とてもいわゆる”劇伴作家”のライブとは思えない轟音のステージでのOPとなった。

続けざま2曲やったかと思うんだが、すごい熱量のパフォーマンスで2曲目がお気に入りの『The Brave』と最初気づかず(けどサビはなんちゃってで口ずさんでたw)とにかくこのYoshさんパートは明らかにある種ラウド・ヘヴィロック―ミクスチャーのノリそのもの。演者側の今回のライブへの熱量をうかがわせるオープニングだった。

続いてはmpi氏。mpiさんはここ数回のnZkのライブを見る限り尻上がりに地力を伸ばしてきている印象だが、さすがにあの熱量のあとではちょっとかわいそうだったかも(苦笑)。しかしそこは曲に助けられて(『The Reluctant Heroes』『friends』)会場は引き続き盛り上がる。ここでmpi氏退場―今回はアーティスト数多いこともあってか全員2曲づつくらい担当の模様。

つづいてはEliana嬢。この方はカバネリ前後からの参加の方と思うが声量は抜群、それにうまい(以前も確かe-muのライブなどで拝見)。曲は『BRAVE THE OCEAN』→キルラキルの『before my blood is dry』へ(『before~』はファンからすると本来この場に一番いてほしかった小林未郁さんの穴を結果的に埋める形に)。ただMCなどを聴くとこの方もカラッとした性格の方のようで好印象、高い歌唱力とあわせこの点は救い。リスナーとしては複雑だったんだが、損な役回りを好演されたと思う。ちなみに『before~』は小林さんバージョンと異なりラップの入るフルバージョン→そうステージはラップ担当のDavid氏との2枚看板で。

このラップ担当から続いてDavid氏単独で『Battle Scars』。途中歌詞飛んだようだがここはご愛敬w個人的にはこの曲が澤野曲中で一番ラップがカッコいい、生で聴けて非常に満足。またメドレーチックに2曲つないだり二枚ボーカルから各ボーカルソロへつなぐのは毎度お得意の構成だが、ちゃんと各ボーカルごとに2曲づつ割り当てるようになっていてよく考えてあると思う。
(これもある種膨大なレパートリーあるゆえの強みかw)

ここで久々のCyuaさん、メドレーっぽく2曲。nZkライブへの登場は久々だったが、ご自身もBETTA_FLASHというユニットでゲーム系音楽でしっかり活動されているようで一安心。ここもメドレー的に2曲やってスパッと退場。

さてここで鳴り響くディストーションのギターリフ(『Tide Over』)確かここでギター両サイドでややギターバトルチックに。そこからAimeeさん登場で続けざまの『DOA』!会場大沸騰ですわwこのDOAは澤野ライブでの定番曲になっているせいもあってか毎回盛り上がるのだが、特に今回はここまででヘヴィな曲おおめの構成だったせいか明らかにいつもよりより一層ヒートアップしてて完全にお祭り状態!?たのしー!?ひとしきり盛り上がった後はキルラキルから『Light Your Hearts Up』。Aimeeさんも「CuteSong!」といってたと思うがほんとそう。この曲でさわやかに〆てAimeeさん退場。

つづいては若手組の中ではいちばん安定感のあるGemieちゃん、Benjaminを従えて最新EPから『Roller Coaster』。この曲は最新EPの中では新規路線を感じさせるので一番好印象だった曲。ステージではおそらく今回が初披露。ただこの曲非常に「踊れる」曲にもかかわらず、セットの高くて狭い足場のせいでちょっと窮屈そうだった。当日のGemieちゃんのボーカル的なパフォーマンスは良好だっただけにちょっとかわいそうだったかな。Gemieちゃんにはこのクラブミュージック系の路線も意外とあっているように思うので今後も期待したいところ(というかなにげにこの娘そのオールマイティさで毎回全体を支えてる感があるので最近の澤野組の隠れたMVPだと思う)。つづいてe-mu収録の『Aesthethic』を。この曲はオリジナルボーカル別の方(関山藍果)のようだがこのGemieちゃんバージョンのほうが伸びがあって聴きごたえあった(発表時期からかなり立っている曲なのでこの比較は不公平ではあるが)。

さてここでついにAimerさん登場、初っ端からキラーチューンである『RE:I AM』!
この曲はすごく特別な曲であり続けることには違いないが、何人か別の方がライブで披露やコラボしたりし始めた一昨年ごろからようやくちょっとその大役から肩の荷を下ろさせてもらったような印象がある。それでもやはり澤野xAimer組の代表曲ということには変わらないので絶対外せない定番曲。今回はがっちりとビデオ収録もしていそうなこともあってか、続いてもメジャーにガンダムUCから『NEXT2U』とつづく。(ただしここはもちろん全編英詞のUnChildバージョン―Aimerさんバージョンはやっぱりフォーキーで可愛らしくてよい)

MCではパンフレットでの対談やステージでアイコンタクトがなかなか取れないこと、リハでそのこと意識してたら目が合って互いに笑い出してしまったこと等言ってたかのように思う。nZkのライブでは大量のボーカリストさん登場するのでなかなか成立しないんだが、この澤野xAimer組がホストの時のMCはほんとにある種独特の空気感というか雰囲気があって、自分はこの空気感がすごく好きなのね。なのでまたAimerさんボーカルをフィーチャーした「SawanoHiroyuki[nZk]Aimer」のライブはいずれがっつりやってほしいと思っている。

Aimerさん最後の曲は甲鉄城のカバネリからの『ninelie』。なにげにAimerさん単独だが珍しくシングルバージョンのほうのアレンジで、正調のこの曲をライブで聴けたのは初めてかも。やはりこのアレンジが一番美しくてしっくりくる。Aimerさんパートだけなにげにストレートに3曲割り当てなのは、いまや武道館歌手でもあるAimerさんへの澤野氏からの会釈だろう。

そしてここでnZkの野生児(笑)Tielleさんの登場w
このかた以前にも書いたがメンタルによる出来不出来が大きくパフォーマンスを左右するタイプ(それが武器でもある)。しかし今回は最新EP収録の『Cage』から入ったのが裏目と出たか、けっこう思ったように高音部が伸びなかったようでかなり苦しそう(それでも一応ちゃんと聞けるレベルには収まってた)。そしてMCでの「まあこんなもんですよ」と自虐モードにwそこへ澤野氏例の調子で「すいませ~ん、このこまだ人間になったばかりなもんでw」とフォロー(どんなフォローだ:苦笑)。続いてのAmazingTreeでは暖機運転も終わったのか問題なくしっかりと歌いきって聴いてるこっちも一安心。

このあたりで「そういえばまだあの人が出てきてないな?」と思ったところへMizukiさんドラムの真後ろのセリ台から登場。
『A/Z』、『Alize』とアルドノアからの2曲。Mizukiさんはご自身のUNIDOTSというユニットの活動始められてからは非常にパフォーマンス安定していて、安心してみてられる。今回はビデオシュートの関係でメジャーどころの曲が選曲っぽいが、最近確立したブレイクからのハイトーンを堪能できる『e of s』あたりも聴きたかったのは正直なところ。(なにげにここまで全部世間的にメジャー感ある代表曲的な選曲のようなので仕方ないのだが)

つづいてBenjaminによるフォーキーな『Next of Kin』(甲鉄城のカバネリ)、Yoshさんによる爽やかな印象の『mio MARE』と。『mio MARE』はYoshさん例によって煽りまくりで会場ハンドシェイク?ハンドウェーブ?状態。そういった感じで会場温めたあと、おもむろにセンター付近にセットアップされるマーシャルのキャビネット・・・これは・・・!?

ここで本日のスペシャル、Do As Infinityのお二人登場!
澤野プロデュースのニューアルバムの中から、一番フラッシーな『化身の獣』を。いや、ここでなんというかライブバンドとの差というか年季の差というのか、圧倒的パフォーマンスの差を見せつけられるわけですよ―Vo.伴都美子のなんと軽々とパワフルに歌いあげる事よ!?さすがベテラン!お都美さんすげえ!?

MCでもニューアルバムに関してかなり手ごたえを感じているとのことで、Gt.大渡氏いわく「DAIとしても今後のレガシーアイテムになると思う」のコメント。リップサービスとしてもファンとしてはうれしいよね。そしてこのDo As Infinityとのアルバムタイトルにもなったタイトル曲『ALIVE』で本編はいったん〆

しかしすぐさま沸き起こる「のっざっわ」コールw
(なんせ今回は野沢コースターも公式グッズとして出てましたからねw)
そして暗転のまま舞台にスポット的にかけられるレース状の幕、なんだ、なんだ?と観客ウキウキソワソワ(笑)

アンコールはもう一組のスペシャルゲストUruさんによる『Binary Star』!
このレースによる顔出しNG演出はちょっと初期のAimerさん思い出す(Aimerさんはここまでの仕掛けはなかったけれどもw)。この方もやはり単独の名前で確固たる足場を築いている方だけあって、これまでのシンガーとはまた違う独特の透き通った空気感のボーカル―そして決して弱々しくなく、会場に通る歌声、素晴らしい!結局この一曲だけの登場だったが「こういう機会を与えてもらって感謝してます」とのコメントともにきれいに退場。

そしてさきほどの幕が取り除かれるとおなじみTielle&Gemie組による『Sh0ut』。
この二人の組み合わせはステージ的にも華があるし、客席のあおりなど含めいい流れになるので高評価。今回もいい感じで観客煽ってました。

そして会場あったまったところでGemieちゃんだけ残りYosh、mpi両氏登場・・・とくればもうすっかりファンとしては待望の一曲『Barricades』ですな!
この曲はお客さん全員参加型で、今後しばらくこのnZkのライブでの定番になるのは間違いない―このコールアンドレスポンスができるというか、澤野氏お得意の雄たけびコーラスは個人的にもすごく好きということもあるが、ライブならではの盛り上がりを考えるにすごくいい立ち位置の曲になりつつある。もうコールアンドレスポンスの部分で観客叫ぶ叫ぶ、雄たけぶ雄たけぶw自分も大声出してすっきりさわやかですよ(笑)。あーたのしー!

そしてラストは例によって澤野氏ひとりのこってのピアノソロで〆

今回はおそらくけっこうな規模での撮影隊が入っていたようなので、いずれ何らかの形でパッケージ化される可能性もあるかと思うが、nZkのライブの場合、撮影入ると非常に「正統派」な感じのステージ進行になってしまい、やや通例のライブより面白みに欠ける―主にMCの面で(笑)―のだが、今回は比較的そのあたりもバランスよく、加えてパシフィコ横浜という大きな会場ということもあってか、特別感のあるライブだった。

そういう意味では普段の顔よりは若干よそ行きの顔ではあるんだが、澤野弘之氏のボーカルワークスの現時点での全体像をバランスよく網羅した、非常によいライブだったと思う。
なにしろこれだけの数の多彩なボーカルを使い、これだけの曲数をたった一人の人間が生み出し続けているわけで、その時点でも十分すごいのだが、このクオリティそしてこのライブとしての楽しさ、こういったそれぞれの要素を高いレベルで同時に実現しているというのはほんとに凄まじい才能だ。

で、もともと本業である劇伴のほうもこの夏からの『進撃の巨人』、ガンダム新作である『ガンダムNT』となにげに大作が控えているという・・・ほんと仕事量もすごいよね。

そいいった意味からここ数年のような決まった時期での開催というのはなかなかむつかしいかもしれないが、この[nZk]のライブはチケットが取れる限りぜひ参加したいと思っているので、次の「006」の開催を強く期待してる。



澤野弘之 (未発表音源を収録したCD付) (リットーミュージック・ムック)
澤野 弘之
リットーミュージック
売り上げランキング: 144,386



※余談:買い損ねてグギギギとなっていたパンフレットは後日なんとか入手いたしました・・・澤野氏×Aimerさん対談掲載とのことだったのでどうしても読んでおきたかったのだ。結果めちゃくちゃハートフルな感じで無理して手に入れた甲斐がございました・・・よかった。



【関連アルバム】

今回の関連アルバムを並べてみた・・・が・・・たぶんこれだけでは足りん・・・ハズ、けっこう漏れてる・・・と思う・・・。

澤野弘之 BEST OF VOCAL WORKS[nZk]
澤野弘之 Aimer SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki 小林未郁
DefSTAR RECORDS (2015-02-04)
売り上げランキング: 3,334


BEST OF SOUNDTRACK【emU】(初回生産限定盤)
澤野 弘之
SME (2015-09-09)
売り上げランキング: 2,431


o1
o1

posted with amazlet at 18.05.29
SawanoHiroyuki[nZk]
SME (2015-09-09)
売り上げランキング: 2,699


2V-ALK
2V-ALK

posted with amazlet at 18.05.29
SawanoHiroyuki[nZk]
SACRA MUSIC (2017-09-20)
売り上げランキング: 4,016


医龍3 THE BEST
医龍3 THE BEST

posted with amazlet at 18.05.29
AI 関山藍果
ユニバーサル・シグマ (2010-12-08)
売り上げランキング: 75,748


Binary Star/Cage(通常盤)
Binary Star/Cage(通常盤)

posted with amazlet at 18.05.29
SawanoHiroyuki[nZk]
SACRA MUSIC (2018-04-25)
売り上げランキング: 1,686


Into the Sky EP(初回生産限定盤)
SawanoHiroyuki[nZk]
SME (2016-06-29)
売り上げランキング: 8,164


UnChild 【通常盤】
UnChild 【通常盤】

posted with amazlet at 18.05.29
SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
DefSTAR RECORDS (2014-06-25)
売り上げランキング: 13,329


機動戦士ガンダムUC オリジナルサウンドトラック4
澤野弘之
ミュージックレイン (2014-05-21)
売り上げランキング: 8,831


TVアニメ「進撃の巨人」Season 2 オリジナルサウンドトラック 音楽:澤野弘之
澤野弘之
ポニーキャニオン (2017-06-07)
売り上げランキング: 12,287


甲鉄城のカバネリ ORIGINAL SOUNDTRACK
澤野弘之(音楽)
アニプレックス (2016-05-18)
売り上げランキング: 2,044


Re:CREATORS Original Soundtrack
Re:CREATORS Original Soundtrack

posted with amazlet at 18.05.29
澤野弘之
アニプレックス (2017-06-14)
売り上げランキング: 1,661


「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」ORIGINAL SOUNDTRACK
澤野 弘之 / KOHTA YAMAMOTO
SME (2017-05-24)
売り上げランキング: 11,608


ALIVE
ALIVE

posted with amazlet at 18.05.29
Do As Infinity
avex trax (2018-02-28)
売り上げランキング: 19,336



コメントを残す