【レビュー】『ファイブスター物語 17巻』永野護

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すっかり更新しなくなった当blogだけども、これは一応このblog残してる限りは意地でレビューしておく(笑)。



”魔導大戦”終結へ向けての必要なエピソードを拾いつつ、”魔導大戦<以後>”への伏線のエピソードも含まれた最新巻。そういった性格から細かなエピソードの連続となる以前の9巻のようなタメのための巻となるだろうか。

宇宙民の開拓奴隷となったマグダル、ミース・マキシ・ハイト─そこにマキシを制御するための存在としてのミス・マドラ、デプレとマキシ兄弟の合流、暗躍するペールとヨーグンの影─3159への布石、アイル・フェルノアやその隠された能力が顕現し始めるアルル─3159以降の時代のキャラたちの登場、イオタに軒先を借り現実を知ってゆくタイトネイブ・斑鳩、しれっとバラされるログナーの正体、そして─フィルモアの大きなターニングポイントとなるエピソードの触りの部分だけ収録し本巻は終了している。

上述のように細かなエピソードの連続体なので、ちょっとレビューしづらい巻ではある。ただ重要な点はやはり魔導大戦の終結がもうそこまで来ている、ということとその次─いよいよ”3159”に直接関連しそうなエピソードの片鱗が本編で描写され始めた、というのは重要なポイントだろう。例の画集─次回のDESIGNsのタイトルが”灰の勲章”と発表されていることからもそのあたりのことはうかがえる。(画集による設定の発表は本編のエピソードに先行するのが通例なので)

またもうすでに次の単行本の発売日も決定しており、かつ永野護初の個展も決定している。

『ゴティック・メード』の制作を終えて以降、坦々と作品を積み上げて行っていることがこういうところにも具体的な形として現れていっているようだ。
単行本、作品集、個展─ファンとしては当然付き合うつもりなので、いまからどんなことになるのかが楽しみだ。

※ちなみに今回の表紙になっているアウクソーと並んでいる姫カットの謎のファティマは次巻で登場する─いちおう公表がいちばん最後になったバランシェファティマですな。

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