【レビュー】『ファイブスター物語 16巻』永野護

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いちおうここまでレビュー続けてきてるので頑張って今巻もやっとくか。 (2021年10月初旬刊行)

映画『花の詩女』以降、連載に戻ってからこれまでのことがずーっとコンスタントに作者の永野センセがほぼ休載なしに描き続けてるので、この刊行ピッチもある種必然。この長い物語の最初から付き合っている一人としては単純にありがたいことである。

しかし途中から読み始めた新規の読者層からすると久々に「なんじゃこりゃ~!?」な巻ですな、この巻は(苦笑)。我々はこんなのをなんの準備もなしに読まされたわけですよ、当時(苦笑/単行本5巻相当分)。

『ファイブスター物語 16』

体調の問題が一部の関係者に気づかれ始めたフィルモア皇帝・ダイ・グは束の間の休暇を取るが、そこで幼少時、バランシェ邸で顔を合わせていたラキシスと偶然再会する。彼を案じるラキシスにダイ・グは「アマテラス陛下ならどうされるのでしょう」と国(惑星)を失おうとしている民を預かるものとしての重責を漏らす。その前に陰ながら護衛でついてきたクリスが「女子高生(笑)」ツバンツヒに連れられてくる。結果、二人は束の間の休息を享受することに。片や二人と別れたラキシスとツバンツヒの前に、アマテラスから送り込まれたマドラモードのスパークが。その3人の前に道化の化粧を落としたマウザーがツバンツヒとの決着をつけるべく現れる。互角の戦いを繰り広げる二人だったが、それを見守るラキシスの背後に巨大な影が現れ、リゾート地・シャルデファーはいつの間にか違う空間へと変貌していた・・・。

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【レビュー】『閃光のハサウェイ』村瀬修功 監督

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これも今年のまとめとしては取り上げるのを避けるわけには行かない一本。(2021年6月11日公開)

制作会社のサンライズによる宣伝等の強力なプッシュもあっただろうが、それに値するだけのクオリティをもった一本で、おそらく近年の「ガンダム」と名のつくコンテンツの中では最高峰の作品の一つとなったといっていい。

三部作の一本目にも関わらず、その美麗な映像のクオリティで新規の一般客も増やしたと思われ、このあたり近年のガンダムコンテンツ復興のきっかけとなった『ガンダムUC』のそれを彷彿とさせる。

そして本作がこれまでのガンダム作品と顕著に異なるのは、その徹底したリアリズムというか現実に即した描写。それが非常に”大人向け”な原作とマッチして、明らかに「おもちゃ(プラモデル)の販促」というレベルから一段抜け出して、骨太な、一般の視聴者層の鑑賞にも耐えられる一流のエンタメ作品として仕上がっている。

またそのクオリティへの制作側の自信からか、AmazonPrimeなどの配信サイトでも比較的早い時期から配信されて、そのクオリティを目にした一般の視聴者からの支持も獲得したようだ。
(Youtubeの関連動画などへのコメントからも「ハサウェイからガンダムを見始めたのですが」的なコメントをよく見る)

このあたりは未見の方はぜひ実際に作品をご覧になって確かめていただきたいところだし、見ていただければそのクオリティは十分納得していただけると思う。
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【レビュー】『ファイブスター物語 15巻』永野護

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これまで休載が代名詞のように言われることの多かったこの作品が、なんと!連載を止めることなく!?連続して単行本が出るというこの奇跡!(大袈裟杉)

今巻は前巻のような一本の大きな流れではなく、ヨーンとジークを中心とした「トラフィックス」と破裂の人形と黒騎士の因縁の対決「黒の招待状」の2セクションに分かれている。

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奈良の神社を巡る(2019年12月初旬)

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今月月初に実家の用事があって、大阪の方へ帰っていた。ちょうどいいタイミングで時間が取れそうな日があったので以前から行ってみたかった石上神宮ほか、奈良方面の神社をを回ってきたので備忘録的に。

結果的に記紀神話では対立する関係の神さまを祀っている神社をぐるっとひと回りした感じだったのだが、こういう回り方ができる日本の神様の寛容さに感謝(笑)。



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【レビュー】五十嵐大介作品を読む

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先日観にいった『海獣の子供』があまりにも素晴らしくて、原作を読んでみたくなり購入。加えてこの独特の感性が『海獣~』だけなのか、それともほかの作品にも共通するものなのかというところが気になり、ほかの短編や短めのシリーズ作品をいくつか購入してみた。

結論:例のぶっ飛んでるシーンの根底に流れている感性はまぎれもなくこの作者ならではのものでした(笑)。

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