2023年に読んだ・観たコンテンツ─個人的まとめ

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さて、今年も年末恒例の悪あがき(苦笑)、今年印象に残ったメディア作品の個人的まとめ。
いつも年の瀬押し迫ってから書いてるので、切羽詰まった中の耐久レースのような有様でドMなことこの上ないが(苦笑)、まあせっかくなので続けられるところまで続けてみましょう─ということで興味の湧いたお時間のあるそこのあなた、気になったところだけポチっとする感じで一つお付き合いいただけるとこれ幸い。

※以下Amazonのアフィリエイトを一部使って作品を紹介しているので嫌な人はご留意を(引用の書影はその作品「らしい」モノを選んでいる)。
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【レビュー】『閃光のハサウェイ』村瀬修功 監督

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これも今年のまとめとしては取り上げるのを避けるわけには行かない一本。(2021年6月11日公開)

制作会社のサンライズによる宣伝等の強力なプッシュもあっただろうが、それに値するだけのクオリティをもった一本で、おそらく近年の「ガンダム」と名のつくコンテンツの中では最高峰の作品の一つとなったといっていい。

三部作の一本目にも関わらず、その美麗な映像のクオリティで新規の一般客も増やしたと思われ、このあたり近年のガンダムコンテンツ復興のきっかけとなった『ガンダムUC』のそれを彷彿とさせる。

そして本作がこれまでのガンダム作品と顕著に異なるのは、その徹底したリアリズムというか現実に即した描写。それが非常に”大人向け”な原作とマッチして、明らかに「おもちゃ(プラモデル)の販促」というレベルから一段抜け出して、骨太な、一般の視聴者層の鑑賞にも耐えられる一流のエンタメ作品として仕上がっている。

またそのクオリティへの制作側の自信からか、AmazonPrimeなどの配信サイトでも比較的早い時期から配信されて、そのクオリティを目にした一般の視聴者からの支持も獲得したようだ。
(Youtubeの関連動画などへのコメントからも「ハサウェイからガンダムを見始めたのですが」的なコメントをよく見る)

このあたりは未見の方はぜひ実際に作品をご覧になって確かめていただきたいところだし、見ていただければそのクオリティは十分納得していただけると思う。
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【レビュー】『ターミネーター:ニュー・フェイト』/ティム・ミラー 監督

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ターミネーターシリーズはなんだかんだ言って第一作を劇場で見ているので常に気にはしているシリーズ。ただしご承知のように近年は内容的にも興行的にもいまひとつな感じなのが残念だったところに、オリジナルのジェームズ・キャメロン、リンダ・ハミルトンの復帰があるとのことで観に行ってきた。

結果前評判通りに「悪くはないが凡庸さも目立つ佳作」という点を覆すまではいたらないが、値段分には十分見ごたえのある作品だった。その理由は還暦を超えてこれだけのアクションをこなしたリンダ・ハミルトンを筆頭に本作は「女性」を前に出していない(売りにしていない)、女性たちが主人公の「まっとうなアクション映画」だったからだ。

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【レビュー】『 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』/金崎貴臣 監督

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TVシリーズ以来、すっかりファンになってしまったこのすば。映画版がこのほど公開ということで先日観に行ってきた。
TV版と制作スタジオ変わってたり映画版ということでどういう違いが出るかという点は少し気にはなっていたが、蓋を開けてみると予想通りいつもの「このすば」。しかし映画用にいろいろとマシマシになってる部分もあってお祭り的に楽しめる一本だった。

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【レビュー】『アリータ:バトル・エンジェル』/ロバート・ロドリゲス 監督

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原作となる木城ゆきと氏の『銃夢(ガンム)』はビジネスジャンプ連載時にリアルタイムで読んでいて、初期の9巻までの単行本もすべて持っていた。キャメロンが映画化の権利を買ったと聞いてから、もうかなり経つと思うがようやくその結果が実際のスクリーンに!

直近でいうと『攻殻機動隊』のような換骨堕胎の改悪実写化が心配されてもいたと思うが、さすがキャメロン製作。原作や日本製のコミック・アニメ文化へのリスペクトも十分に感じられる映像化だった。

原作を知っているものからするとややニュアンスの違いを感じる部分もあるのだが、ここまでやってくれれば文句ないでしょう。原作単行本でいうとおそらく4巻手前ぐらい?までを非常にうまく再構成してあり、人気次第では続編も十分に期待できると思う。海外でも評論家からはやや低評価も観客スコアは悪くない模様―いやでも期待は高まるところだ。

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