【レビュー】『アリータ:バトル・エンジェル』/ロバート・ロドリゲス 監督

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原作となる木城ゆきと氏の『銃夢(ガンム)』はビジネスジャンプ連載時にリアルタイムで読んでいて、初期の9巻までの単行本もすべて持っていた。キャメロンが映画化の権利を買ったと聞いてから、もうかなり経つと思うがようやくその結果が実際のスクリーンに!

直近でいうと『攻殻機動隊』のような換骨堕胎の改悪実写化が心配されてもいたと思うが、さすがキャメロン製作。原作や日本製のコミック・アニメ文化へのリスペクトも十分に感じられる映像化だった。

原作を知っているものからするとややニュアンスの違いを感じる部分もあるのだが、ここまでやってくれれば文句ないでしょう。原作単行本でいうとおそらく4巻手前ぐらい?までを非常にうまく再構成してあり、人気次第では続編も十分に期待できると思う。海外でも評論家からはやや低評価も観客スコアは悪くない模様―いやでも期待は高まるところだ。

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『魔夜峰央原画展』@明治大学 米沢嘉博記念図書館

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昨年から展示を入れ替えつつ開催されていたのは知っていたが、ついつい先延ばしにしていたところ、先の連休最終日で終了とのことで急いで行ってきた。

『パタリロ』や最近では『翔んで埼玉』で著名かと思うが、その独特の画風もあって確固たる存在感を保ち続けてきた魔夜峰央氏。画業も45年になられるとのこと+パタリロが100巻達成とのことで今回の展示となったようだ。



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【レビュー】『F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER』永野 護

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なんと!連載止めずに単行本を出しただけにとどまらず!設定集までほんとに出ちゃいましたよ⁉
うれしいけどなにか天変地異起きないか心配だ(笑)。

今回の作品集はベラ国攻防戦での登場人物・GTMを中心にまとまっていて、単行本14巻の補完をなす内容となっておりバランスが良い。その分連載等ふくめて追っかけている層には若干新規なネタは控えめということになるが、所々で例によってブッ込んでできている(笑)。

特筆すべきは意外なほど早く超帝国の「セブンソード」の設定が公開されて行っていることか。
とはいえメインはベラ攻防戦なので、なにはともあれ単行本14巻を手もとにおきつつご覧になるのをお勧めする。

そして本作品集の最大の見どころはフレームランチャーの「赤い線」だ「赤い線」(笑)。
(いや、けどこの点すごく納得はする)

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER
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【レビュー】『ファイブスター物語 14巻』永野護

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なんと・・・連載中断せずに単行本だしちゃったよ、永野センセ。なにか天変地異でもおこるのでは・・・(笑)。

前巻の大変更を受けてからはじめての大規模GTM戦エピソードである「ツラック隊」のエピソードがほぼまるまる一巻を占める。加えてこれまでによくあった巻中扉絵での設定紹介的なものが一切ないため一つの物語として非常に一貫性が高い「読ませる」編集。映画GTM以降のさまざまな改変がここにきてようやくある種の”型”として出来上がったように感じる。

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ミノグシア北部を劣勢の戦力でぎりぎり支えていたツラック隊。そこへ現れたGTMスライダーソープとファナ。支隊長ナルミは成り行きで彼らを受け入れるが、次々と稼働不能だったGTMが整備されてゆき、隊はなんとか一息をつく。しかし根本的な劣勢は変わらないことを知っていたソープはナルミにある提案をする。結果、ツラック隊の守るベラ国の戦線は一気に注目を集めることとなり、各勢力の思惑が交差する戦場に。そこへミースからの回状をもったツバンツヒが現れる。ツラック隊を足掛かりにアマテラスへ接近するすべを探ろうとするツバンツヒだが、あることをきっかけにこの戦場に真摯に向かいあうこととなる。またそんな彼らの元へ騎士を廃業していたハレーが不審者として連行されてくる。大切なパートナーであったハルペルを失い、自分はもう戦えないというハレーにナルミは激怒する。「騎士ならGTMで戦うのよ!!」。そんな彼にハルペルの面影がささやく・・・。こうしてようやく持ち直してきたベラの戦場だったが、突然国境に集結する枢軸軍の大規模なGTM集団。友邦国のGTMを合わせても69騎しかないツラック隊に4倍近くのGTMが襲い掛かる。そこには”天位殺し”と呼ばれるシュバイサー・ドラクーンの姿もあった。ファティマたちの強力な情報妨害戦<XROSS JAMMER>のなか、大規模なGTM戦が始まった……。

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生賴範義展 THE ILLUSTRATOR@上野の森美術館

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先月前半から先日2月4日までほぼ一ヶ月、上野の上の森美術館で開催されていた、イラストレーター生賴範義氏の個展。日本のサブカルチャーに接している方ならまず間違いなく一度はその作品を目にされていると思う。

以前にも亡くなられるまでお住まいだった宮崎で個展が開催されたと記憶しているが、さすがに都内からだとハードルが高かったので、今回はまさに待ってました!と言う感じだった。

そしていざ現物を直接この目でみると・・・そのあまりの凄まじさに会期中3回も脚を運んでしまった。自分なりにすごい方だという認識はあったが、実態はその認識をはるかに超越している内容。3回も同一の展覧会観に行ったのはたしか大学出てすぐの頃のギュスターヴ・モロー展以来かも。

そして今回の個展を一言で言うなら”物理的に”殴られた感じとでもいえば良いか。

その作品、そしてその政策過程すべてにおいて”物理(フィジカル)”な要素の凄まじさをひしひしと感じさせられた個展だった。



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【レビュー】『へうげもの 全25巻(完結)』山田芳裕

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遂に完結ですな。

一時期は物理版で買ってたんだが、室内が蔵書で圧迫されてたこともあって手放した。しかしその後電子版の出版にあわせて電書で買いなおし、この度ようやく完結。

本作品はその歴上著名なその登場人物たちの意表を突いた”死にざま”がこれまで作品の看板であったが、ついにその順番は主人公・古田織部その人の番に。

『へうげもの(25) (モーニングコミックス)』




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