生賴範義展 THE ILLUSTRATOR@上野の森美術館

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先月前半から先日2月4日までほぼ一ヶ月、上野の上の森美術館で開催されていた、イラストレーター生賴範義氏の個展。日本のサブカルチャーに接している方ならまず間違いなく一度はその作品を目にされていると思う。

以前にも亡くなられるまでお住まいだった宮崎で個展が開催されたと記憶しているが、さすがに都内からだとハードルが高かったので、今回はまさに待ってました!と言う感じだった。

そしていざ現物を直接この目でみると・・・そのあまりの凄まじさに会期中3回も脚を運んでしまった。自分なりにすごい方だという認識はあったが、実態はその認識をはるかに超越している内容。3回も同一の展覧会観に行ったのはたしか大学出てすぐの頃のギュスターヴ・モロー展以来かも。

そして今回の個展を一言で言うなら”物理的に”殴られた感じとでもいえば良いか。

その作品、そしてその政策過程すべてにおいて”物理(フィジカル)”な要素の凄まじさをひしひしと感じさせられた個展だった。



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私的・後期平井和正作品ガイド

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平井先生の作品を最近取り上げているブログも少ないのか、うちのような素人の零細ブログにも訃報のあった週末をはさんでけっこうなアクセスがあった。
そういった方や、これを機に興味を持たれた方へのガイドとして、簡単なガイドを作っておこうと思う。

今後少しでも平井作品を読んで下さる方が増えることを願って。

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平井和正先生ご逝去

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小学校の頃に角川文庫版の幻魔大戦読んで以降、自分の人格形成に大きな影響を与えて下さった偉大な作家でした。

もうその新作が読めないかと思うと本当にさびしいなあ・・・。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ウィキペディア-平井和正


deep_tortech
※写真は自分が把握している限りでは、おそらくこれが最後の作品―『幻魔大戦deepトルテック』。
おもえば幻魔、ウルフガイ、アブダクションほか幾多のシリーズが交錯する集大成的な作品だった。



狼の紋章(実写版)/志垣太郎・松田勇作

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先日テアトルの上映スケジュール見てたら松田優作特集やってたらしくて、みてみると「お!?」と本作品を発見。たまたまいい具合にスケジュールがあったので見てきた。

狼の紋章 [DVD]
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平井和正の代表作のひとつとも言える”ウルフガイシリーズ”―そのなかでも”少年ウルフ”と呼ばれる中学生の犬神明を主人公としたシリーズ第一作『狼の紋章』を映画化した作品。少年犬神明に志垣太郎、対する極道の息子・羽黒獰に松田優作、ほか重要なバイプレイヤーである神明に黒沢年雄など著名な俳優陣での作品。

わざわざ「フィルム上映」と記載があったところに時代を感じるなあ。
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【レビュー】『月光魔術團』平井和正

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出版時に買ってはいたんだが、当時まーったく食指が動かず。
で、この春先からふと風向きが変わって、合間見て、手にとっていて。
先日来の鼻風邪で行動不能をいいことに、のこり全巻読破。

いや、平井御大おそるべし。

月光魔術団



校内マフィアがあたり前のように存在し、バイニンやバイシュンはびこる博徳高校の”独り生徒会長”とあだ名される鷹垣人美は「犬神明(メイ)」と名乗る転校生、ライオンヘアの美少女と出会う。

二人の運命的な出会いは、周囲の生徒たちや教職員を巻き込んでゆき、社会は及ばず電脳空間、終には夢を介して並行宇宙までを変えてゆく。

現時点での”ウルフガイ”最新シリーズ。
(1996~2002年発表)


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【レビュー】『ウルフガイ 12巻』

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願うる限り最高のコミック版になったと思う。

『ウルフガイ 12巻(完結)』



新月の満身創痍の中、人狼・犬神明は人類の悪霊が憑依した羽黒と最後の対決を迎える。
羽黒の振るう日本刀に指を飛ばされ、腕を切り落とされ、絶望の中に追い詰められる犬神明。
しかし、そこに彼を見つめる最愛の人・青鹿晶子の真摯な祈りが奇跡を起こす―。

ということで小説版『狼の紋章』のコミック化作品、完結編。


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