経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか

標準

ずいぶんと前に買っていたのだが、いまごろようやく読了。

経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか


イデオロギー的には「左寄り」の内容、といえなくないと思うのだが、日本の宗教チックなその手の人たちのそれとは異なり、深い思索の上に展開されているように思える。

我々の「常識」の部分をゆさぶる、静かで、かつスリリングな一冊だった。

内容の詳述は避けるが、本書に書かれているようなことを頭の底に一枚引いておくかおかないかで、いまの社会に対するものの見方はずいぶんと変わってくるだろう。

そう「経済発展」とは”まぎれもない現実”でもなんでもなくて、

単なる「イデオロギー」

である。

ただその呪縛は強力で、そこから抜け出すのは並大抵のことではないのだが。
少なくとも、本書はそういった呪縛を解くための一つの「方向性」を提示してくれている。

それを摂る、摂らないは個人の選択だが、こういった視点を判断材料として持っておくことで、こんな窮屈な世の中を生きていくのに、ずいぶんと風通しは良くなると思う。

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