2022年に聴いた音楽コンテンツ─個人的まとめ

標準

音楽コンテンツ・・・としたがヤベェ、ほぼ全部アニメ作品経由やんけ・・・・・。


※↓記事内主要画像のロード終わらないとリンク飛ばない場合あるようです、ひとつご勘弁を。


はじめに

で、ご覧のようにほとんどアニメ経由なんだが、(感性的に)まずいなーと思う反面、コレ、実は自分の嗜好が偏っているのではなく案外社会的な実態を表しているとも言えるんじゃね?的な気分も年々強まってるのも正直なところ・・・。

そう考えるのは、一つは以下紹介している各曲をYoutubeの画面で開き、そのコメント欄みていただくとわかるんだが圧倒的に外国語で埋め尽くされてるのね。

これは配信によって海外へアニメ作品のマーケットが急拡大している時期であるということもあるが、単純にそれだけでは説明ができない。もちろん元作品の物語性に引っ張られているorストリー性の高いアニメーション映像がついてる─という側面はゼロではないせよ、それだけでは説明がつかない─なにせその歌詞のほとんどは日本語だ、モノによっては字幕もない─それにもかかわらずなにかを感じてコメントをせずにはいられない、曲によっては「いつもあなたの作る曲は最高だ」などのコメントもある。そう考えるとやはりこの現象の中心にあるのはまず第一にそのサウンド=音楽だろう(でないとあんな再生回数に耐えられない)。

(↓コレをみても見事にアニメ系のタイアップ付いているアーティストの名前がズラッと並んでいる)

そして奇しくもそれを証明してくれるのが、例の『チェンソーマン』の全12話・全別エンディングという暴挙w(快挙)なわけだ。

要は同じ1作品のED曲にも関わらず、その再生回数には顕著に濃淡が出ている─どれもその曲にあった力の入った映像がついているにも関わらずだ。

つまりそれはいくらストーリーやビジュアルが味方していても音楽性が評価されなければそれなりの再生数にしかならないということの証明なわけで、もうこれ素直にアニメ周辺にある音楽は、いま日本国内におけるクリエイティビティの最前線のひとつである、というのは認めてしまってよいのではないか?

傍証としてもう一つ上げておくと、これ(オリコン2022年間デジタルシングルランキング)などを見ると個人的には非常にしっくり来るランキングだったりするのだが、物理的なCDアルバムチャートを見るとまたガラッと違う様相が見えるあたりが一つの混乱の原因でもあるだろう。おそらく物理メディアに親しんだ世代+ビジネス上の理由が物理アルバムの方には反映されているが、よりデジタルネイティブな若い層にはこのデジタルシングルランキングのほうが実感と一致するのではないか。

もちろんこれらを以てアニソン界隈だけが全てというつもりはなく、インディやソーシャルの動画系などこちらの目の届かないところでも尖った最先端の芽はそこかしこで生まれているんだろうとは思う。

しかしかつて存在したかもしれないメージャーシーン・・・と言うと主語が大きいな、そう、「ポップシーン」とでもいえばよいか─そういうカジュアルな流行音楽の最先端は(その兆しはだいぶ前から見えていたが)ここ10年ぐらいで確実にアニメ界隈の周辺へ移ってしまっているような気がする。

※これ、一つは握手券に始まるアイドル商法による音楽の「換金システム」に対する飽き=構造疲労による衰退とも関係ある気がする

そしてアーティスト側もアニメ・コミック文化を「当たり前」として育ってきた世代が大きく伸びてきているので、以前のようなスノッブ気取りからくるコミック・アニメ文化を一段下に見る忌避感のようなものもあまりない、ニュートラルな感覚で捉える層が台頭していることも大きい。

─と、以上のようなこともあり、以下の各曲を紹介すること自体には後ろめたさは全くない。

が、そこに安住しててもいかんな、とは思う。なので来年はこういった比較的受信しやすいものだけではなく、もう少し自身の感覚も信じて知らない・みえてないところを開拓してもみたいとは思うのだが─。

まあそのあたりは以前職場でご一緒させていただいていた若い友人からのアドバイスもあったので、サブスクとかでいろいろ探してみますか。

※ただ洋楽に関しては(軽視するつもりは全くないんだが)媒体が完全にネット上に移ってしまった弊害で、かつてのビルボードチャートのような、ある程度の規模を持った流行を育む役割を果たす「巣」のような存在が消失してしまっているぶん、ハードルは実は以前よりも上がっているような気がする─そこが上述のようなサブスク的なものでどこまで代替できるのか─ポイントはそこかな・・・


前置きが長くなった─では以下順次ご紹介。

『米津玄師 「KICK BACK」』

言わずとしれたTVアニメ『チェンソーマン』のOP曲。ある意味今年を代表する1曲と言ってもいいと思う。

ハリウッド映画他へのオマージュ溢れたアニメのOP映像も話題になったが、この堂々たるライブパフォーマンスはぜひみてほしい。この非常に華のあるステージはまぎれもなく当代一のロックスターの姿そのものだろう。

編曲で加わった常田大希(KingGnu)も参加しており、このあたりちょっと古い例えになるがhide with Spread Beaverのあのライブステージの華やかさを思い出す。

ちなみに話題になったOP映像は以下。

『チェンソーマン』ノンクレジットオープニング /米津玄師 「KICK BACK」』

公開直後猛烈な勢いで再生数が伸びていったのはこのOP映像の力も大きいと思う。サウンド・映像ともに繰り返し何度もみたくなるフィルムになっている。


『マキシマム ザ ホルモン 「刃渡り2億センチ」』

放送開始前─曲が発表されるから「絶対合うでしょ」と下馬評の高かったマキシマム ザ ホルモン。たしかに作品タイトルと内容から事前に思い浮かべる予想をそのまま音にしたような一曲で、作中戦闘シーンの挿入歌としても使われている。

ただこの曲は単に激しいだけでなく、目まぐるしく変わる曲構成─実はそこが一番暴力的ではないか(笑)。こういう曲はなかなか海外アーティストの作品ではお目にかかりにくいと思う。

またホルモンのこの曲に関しては、これがTVサイズなのかフルサイズなのか不明なんだがいわゆる「ご本家」バージョンのPVは存在しないようだ。元々サブスク等の配信をしないスタイルのアーティストというのもあるかもしれない(この曲と他に1曲だけ解禁されている模様)

『TOOBOE 「錠剤」(チェンソーマン4話ED)』

いちばんEDのアニメーションに助けられた作品・・・と思いきや、実はけっこうスルメ曲で素直に「すいませんでしたw」した曲(苦笑)。
ゆるい感じかつリズミックな曲調は聴いていて生理的に気持ちいい。

とはいえやはりこのアニメーションのあほかわいいパワーちゃんがこれでもかと見れるアニメーションは素晴らしい、パワーしか勝たん!な感じ(苦笑)。

そしてご本家フルコーラスのこちら(→『錠剤 / TOOBOE』)もかなり攻めているPVだ。
(R18的な描写あるがその部分だけの意味でなく)

さらにこのフル歌詞を通しで聴くと『チェンソーマン』の本編をかなり意識して作られている作品らしいというのは原作既読勢からは感じ取れる(事実多数から指摘されていた)。自分も上記「すいませんでしたw」のほかにこのフルバージョンを聴いたことが物理メディア購入のきっかけとなった。


『ano「ちゅ、多様性。」Music Video』

こちらは第7話のある意味「衝撃回(笑)」を担当したED曲。ネタ一発的な意味では本編EDのアニメバージョンのほうを載せるべきかと思ったが、こちらは別の文脈で読み取れる部分がオモシロイと思ったので、その紹介の意味でアーティスト御本人側のPVを。

これどういうことかというと、アニメのEDとしてみるとギャグ回のギャグ担当EDとして非常に良く出来てる曲と言えるんだが、こちらのPVでみるとちゃんと「きゃりーぱみゅぱみゅ以降の原宿不思議系ロリータJ-POP」的な系譜としてのものすごく正統な作品といえるのだ。この二重性には素直に脱帽したし、伊達に旬のアーティストとして12組呼んできてるわけじゃないんだな、というのがよくわかった。

そしてそういうことを踏まえた上で、こちらのラヴリーなアニメ版EDもぜひみていただきたいw(本編見ずに初見の方にはなんのこっちゃ分からんだろうが)

「ちゅ、多様性。」(チェンソーマン7話ED)


『Aimer「Deep down」(チェンソーマン9話ED)』

と、ここまで癖玉と言うか変化球・ビーンボールのオンパレードのところへ正統派のきれいなストレートど真ん中を投げてきたのがこちらAimerさん曲。
これも作品が一気にターニングポイントに向かう回+このすばらしいアニメーションのおかげで一層ブーストされ、かつ前述のように正統派の曲調をいままさに”旬”をむかえているAimerさんという実力派のシンガーが歌う、もう言うことありませんがな。コメント欄やリアクション動画で海外のファンをも唸らせてたのが印象的だった。



【余談・その1】
で『Deep Down』、当然パッケージ購入させていただいたんだが、盤全体の評価としてはこのリードトラック以外は、以前書いたこの記事での懸念は残る感じ。ただボーナストラックの「THE FIRST TAKE」からの2曲はリマスタリングされてる?のかとても素晴らしかった。

【余談・その2】
MAPPAのYoutubeチャンネル、チャンネル内にチェンソーマン関連動画ばかりのリストあるんだが、このノンテロップED、何故かこの曲だけそのリストからしばらく漏れていた模様。EP10の曲は即リストに入っていて、その時点でもこの『Deep Down』のみリストから外れており「なんかビジネスがらみかな~」と思ってたらそれから数日してからみるとしれっとリストに入ってた(再生数の伸びが少し上向きに感じたので確認したら入ってた)。都合一週間から10日弱流入口をひとつ絶たれてたというのは、再生数を一つの話題としているのでこの点一応記載だけしておく。


『Aimer – 残響散歌 / THE FIRST TAKE』

そしてAimerさんといえば今年絶対外せない曲といえばこれだろう。

これなどは明らかに作品人気によるブーストあるし、曲自体の作りも再生回数に直結するような意図的な短い尺などいろいろいえるところはあると思うが、元々この人は持っている実力とその地道な努力の割に一般の知名度低すぎたので、これを機にもっと一般的に知られても良いだけの才能を持っている。なのでこの流れは肯定されるべきと個人的には考える。そういう意味もあってアニメの方のOPでなくTHE FAST TAKEのほうを貼ってみたのでぜひご自身で直接確認してみてほしい。ライブ性の高い舞台の方がより実力を発揮する方なので、見る人が見ればその実力がよく分かると思う。

※いちおうスタジオレコーディングのフル尺を以下に。

Aimer「残響散歌」MUSIC VIDEO(テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編オープニングテーマ)

あとこの記事を書いてるちょうどその最中に、以下の報道もあった。そして既報のように年末の紅白への初出場も決定しているのは御存知の通り。

【ビルボード 2022年 年間“JAPAN HOT 100”】「ヒット」の多様化が進み、激戦を勝ち抜いたのはAimer「残響散歌」


『【Ado】Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』

そのAimerさんの次にやがてくるであろう”新時代”を担うのがこのAdoさんだろう。当初のアーティスト自身の露出がなく、ボーカルコントロールに多彩さをみせるという点も─そのキャラクター性に大きな違いはあるものの─”次代の”Aimerさん的な部分を感じる。

この曲は映画ONE PIECEのサントラとしてAdoさん一人が提供された複数の作曲家の作品を歌う─その中の一曲だが、ある意味『チェンソーマン』とアプローチは真逆だが相通ずるものを感じる企画。この点非常に面白そうに感じたので、このボーカルアルバムは配信版で購入、全曲楽しませていただいた。

で、この曲は作中のラスボス戦時にかかるいわば大トリの曲らしいんだが─ここで我らが澤野弘之ですよ(笑)

いやー、もう当代トップクラスの才能の一人といって差し支えない澤野氏楽曲に、若手の実力・期待度No.1シンガーの組み合わせ、もうなにも言うことありません(笑)。

Youtubeに上がってる御本人のインタビュー的な企画動画内で「インストの段階で凄まじかった」と仰ってたのが印象的。

このアルバムは劇伴というよりもボーカルアルバムとして多彩ですごく楽しく聴かせてもらったんだけども、ほかに印象に残っているのはVaundy氏の曲と次の中田ヤスタカ氏の曲。

【Ado】新時代 ベストアーティスト2022スペシャルMV

このバージョンは日テレの「ベストアーティスト2022」用に作中のウタではなく、アーティストAdoとしてのアプローチを感じさせるアレンジ。劇中歌のオリジナルに比べて低音部の打ち込みを抜いてボーカルをより立たせるアレンジになっているようだ。オリジナルの中田ヤスタカ氏らしい打ち込みの魅力の部分をあえて引いてきたところに逆に制作側の自信を感じるアレンジと言えるか。

ちなみにオリジナルバージョンは以下に。おそらく映画としてのリードトラックでもあるので非常に突進力のあるトラックである。

【Ado】新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) Lyrics & Music : 中田ヤスタカ



『 Sawano Hiroyuki[nZk] & Project emU 関連』

で、こんなコロナ騒動のご時世にリスク犯してまでも唯一ライブ見に行ってたのがその澤野氏のライブ。

2021.10.9 『SawanoHiroyuki[nZk] LIVE 2021』DIGEST

映像は昨年のものになるが、今年もボーカルプロジェクトの「Live[nZk]」とサントラプロジェクトの方の「Project emU」双方1回づつ開催されてたものを観に行ってきた。

特に国内でも屈指の音響を誇るであろう東京国際フォーラムの音響と座り心地の良いシートをライブハウスのノリでまったく無駄にした(褒め言葉)Live[nZk]は楽しかった。特にトップバッターを担当したLacoさんは澤野組との相性の良さがこのところ顕著で、それがパフォーマンスにも反映されていて熱いステージだった。

澤野弘之 『scene』 特典映像「LIVE【emU】2021 Special Program」DIGEST

片やサントラプロジェクトの「emU」のほうは少し前から採用されている最低限の弦・管+KOHTA YAMAMOTO氏を加えた機動力系のセットで。会場が人見記念講堂だったのでついフルセットを期待してしまうが、コロナのこのご時世ではこの選択は正解だと思う。事実この最小限のメンバーでちゃんとサントラならではの迫力あるライブを聞かせてくれていた。

※ちなみにこの時のLive[nZk] のほうは来年早々に発売される5枚目のニューアルバムの初回版特典として収録されている模様。

『ぼっち・ざ・ろっく!』

さて、ライブということに関連して一つ毛色の変わったものを。

この「ぼっち・ざ・ろっく!」という作品、いわゆる「きらら系」と呼ばれる日常系のアニメで、ストーリー的にはぼっちの女の子がコミュ障こじらせてギターにのめり込むも・・・という作品なんだが、その音楽まわり─特に楽器やライブハウスまわりのディティールが異常にクオリティが高い。楽器ならまあこれまでもその手の作品でも正確な描写と言うのはあっただろうと思うが、ライブハウスまわりのそれは特筆すべきではないか─と思ったらそれもそのはず、下北のシェルターが協力でクレジット入ってた(笑)。

このあたりもコロナでのライブハウス苦境とも関連あるのかも、と愚考するが、要は冒頭に書いた「コミック・アニメ周りが現在国内のクリエイティビティ最先端」仮説とも関連するのかもしれない。特にこの観客数人しかいないライブハウスの生々しさは、こういうステージを何度もご覧になったことのある諸兄には馴染みの光景かと思う。こういうものがカジュアルな作品にかなり正確に描写される様になってきている、というのはやはりいろんな意味で特筆すべきことかと思うので、ここでとりあげておく次第。

※さほどアニメ作品、数みているわけではないので、もし「数年前からこの程度の描写はあたりまえ」とかだった場合はひとつご勘弁をw

なお作品はぼっち描写の比率のほうがやはり高いので、ええ歳したおっさんには若干キツイ模様(苦笑)。


【余談】
ただこのあたりの作品はぜひ元祖とも言えるノッツ先生の作品も機会があれば取り上げてほしいところ・・・

『さユり「花の塔」』

コミックなどを原作に持たない、いわゆる”オリジナルアニメーション”ならではの強みを目一杯生かして2022年夏期の1、2を争う話題作になっていた『リコリス・リコイル』のED曲。

実はこのさユりさんのボーカルというのは、この手の鼻にかかる系のボーカルスタイルが苦手な自分としては聴けるかどうかギリギリのところ。ただ以前に澤野氏のライブで生ボーカルを拝聴させていただいたときに「あ、これならイケる!?」とは思ってたんだが、この曲には久々にやられましたな。特にサビのメロディがすごくいい─んだが実はそのサビまでへの持って行き方がうまいんだと思う、参りました。歌詞も作中の某キャラを感じさせる内容で素晴らしい。アニメ作品のタイアップ曲ということ抜きにしても良質のガールポップ作品だと思う。


『THE SPELLBOUND「すべてがそこにありますように。」』

こちらは原作は既読だがアニメの方はみていない『ゴールデンカムイ』の最新シーズンのED曲。知らないアーティスト名の割にすごくいい曲だな、と思っていたらそれもそのはず。ボーカルの方が急逝、活動停止を余儀なくされたBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之氏とTHE NOVEMBERSの小林祐介氏によるユニットの模様。

いやもう単純に「いい曲よね」でいいと思う。ちなみに2020年結成でまだアルバム1枚、デジタルシングルはいくつか出ていたようだが、物理的なシングルは本作が初だった模様─というかそれこそタイアップだったから物理シングル切った的な感あり。前身のBOOM BOOM SATELLITESの作風考えるとデジタルシングルがデフォルトっぽいというのはしっくりくる。

まだ今後の方向性見えてない部分あるが、ちょっと注意してみておきたいアーティスト。

いちおうED版も以下に。こちらもこちらで独特の雰囲気あって良い。

「ゴールデンカムイ」(第四期)ノンクレジットED「すべてがそこにありますように。」


『アキバ冥途戦争』

2022年秋期一のダークホース作品のOP&ED。

いや、なによ、この中毒性の高さは!?コレ、あまりにも異色すぎて物理シングル買っちゃいましたよ(苦笑)。

TVアニメ「アキバ冥途戦争」モザイクなし版 ノンテロップOP映像/『メイド大回転』

で、聴いてみるとこのトンチキなパチもんプロディジー感というかEDMぽい前半からすこーんと抜けるアイドルソングのようなサビ、そしてそこからの間奏でのエセ・ダブステップ感がもうたまらんw特にこの曲インストで聴くとその傾向が顕著で(それが聴きたかったから物理シングル買った説もある:笑)、サビもアイドルソングぽいと思いきやなんかかつてのSAWプロデュース期のDEAD OR ALIVEのようなサウンドを彷彿とさせる部分もあって面白かった─というかめっちゃ狂ってて素敵!(爆)。

自分どちらかというと萌え声がかなり苦手なんだが、これはあくまでもサンプル素材というか曲のパーツとしてすごくしっくり来たので問題なかったのが意外(笑)。この辺はプロデューサさんのインタビュー読むとやはりサンプリング想定して当初は作曲されていたらしく納得感あり(事実、聴いてて往時のSystem7の『A Cool Dry Place』の女子高生声サンプリング思い出した)。

あと特筆すべきはサビの組み立てでしょうかね─このスコーンと抜けるところのパートは意外なほど聴いてて爽快感があった、萌え声ダメなのに(苦笑)。

そういう意味でもジャパニーズごった煮闇鍋トラックというか、日本以外でこんな曲はまず作られることはない、なにげにめちゃくちゃハイコンテクストなトラックだと思う(マジで)。

TVアニメ「アキバ冥途戦争」ノンテロップED映像/『冥途の子守唄』

で、そんなアタマのおかしい(褒め言葉)OPを受けてのED曲がザ・ジャパニーズトラディショナル「ムード歌謡」でございますですわよ!?

♪ 今日も明日も 萌え萌えキュン…

なにこれwぜひ八代亜紀クラスの「本物」に歌ってほしいwww

いや、コレもアタマ狂ってましたわ(苦笑)。ただ、作中で流れた2番の使い方が上手くて、なんというかこの作品全てが確信犯で、もうほんと大好きw
歌っているのがけっこうベテランの声優さんらしく(自分は当然ながらあまり声優さんのことは分からない)、歌唱力は十分。そしてなにげにヘッドホンで聞くと弦やサックスの音がめちゃめちゃ良い(苦笑)。なにこのオーバークオリティw

まあ作品自体もそうだけど、なにかを全力でやってるからこそ生まれてくる可笑しみ、みたいなものがこの楽曲群にも現れていて、自分こういうの大好きなんですよ─ある意味ピタッとツボにはまった時の三池崇史作品に通ずる物があるのかもしれない─あ、そういやこの作品もある意味任侠モノだったわ!?そういうことだったのかw

※ご存知のない方のために一応説明すると、三池崇史監督とはVシネなどでその手の作品多く手掛けている監督(多く手掛けているが単純にそれだけじゃないのが三池監督のやらしいところ:笑)

『FRASER EDWARDS – The Champion』

で、最後に言い訳程度に洋楽を(苦笑)。

これはYoutubeで偶然発見。元々どうもスピードメタルバンドのギタリストさんのソロらしいんだが、いかにもそれっぽいテクニカルさ。ただこういうテクニカル系ギタリストにはこの曲のようにエスニックというか本体のバンドとはことなる意外な系統でのアプローチという伝統もあって、この曲はその系譜にあったからある意味ピンときたんだと思う。
(Twitterでも書いたがちょっとザック・ワイルドのチキンピッキングの曲を連想させる─まったく似てはいないんだけども)

で、このギタリストのにーちゃんのソロ・プロジェクトらしいんだが他の曲だとちょっとオタクをメタルボーカルにしたようなおっさんのボーカル入ってる曲もあるのよね─これもソロ・プロジェクトということでいいんかしら?

FRASER EDWARDS – The Harvest (Official Video)

こういう意外なほど明るいアプローチをバカテクギターでやるというのは単純に楽しいよね。この路線でぜんぶ演ってるのかは別としてこのアーティストはタイミングみてまとまったアルバムあるなら手を出してみたい。


おわりに

最初は「今年はちょっと気になる曲(アニメがらみとは言え)けっこうあったから軽めにまとめとくか」ぐらいで書き始めたんだが、思った以上に分量あった(苦笑)。そういう意味では音楽的に豊かな一年だったとはいえると思うので、それはそれで幸せなことだと思う。

来年もいろいろと素晴らしい音楽と出会えるといいな─。

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