澤野弘之氏のライブはこれまで何度も観に行っているんだが、その人気からけっこう大きめの会場で行われることがほとんど。10月のリキッドルームでのファンクラブイベントでようやく1000人規模の小さめの箱で見れたのだが、なんとあのBillboardLiveでやるというのでコレは見ずばなるまいと見に行ってきた(2019年12月1日 東京会場の1stステージ)
Billboard Liveは以前観たSTEVE VAI先生以来久しぶり。ここはブルーノートと系列が同じだけあってかなり洗練されたライブバーと言えるので期待値高かったが、その分色々とハードルの高めの場所でもある(苦笑)。
まず久々だったということもあって、ミッドタウン内で迷うwわかればなんということ無いのだが、ホテルなども入っている複合施設なのでまずどの入口から?というのがけっこう混乱した。自分の予約した回は最終日夕方の初回=日曜の夕方、クリスマスシーズンに入ったばかりということもあってかビル周辺もライトアップされていて季節感が非常に感じられる。
で、ビルボードは基本的にライブレストランを標榜しているので、ボッチの身にはなかなか辛いw席の良し悪しで言えば当然ディナーシート的なところがよく見えるし雰囲気もいいのだが、一人身では悲しくなるので(泣)カジュアルシート。あ、そうそうビルボードは基本的に入場の際に受付での予約確認→チケット発券がクローク的なカウンターで行われていて、言えばちゃんと席まで係の人が案内してくれる。ただしこれもいい席のみの話だ、はっはっは(泣)。カジュアルシートはカウンターで図面で受付のお兄さんが教えてくれた。位置的に後方高めの席だったので見下ろせるのは良い。
で、ジンライムを飲みつつ開始を待っているといい具合に出来上がった頃合いでスタート時間。こういったライブレストランのいいところは席の間を通ってメンバーがステージへ登場するということだな。バンドメンバー→澤野氏という感じで登場。ボーカリストのトップバッターは最近おなじみのLacoさん。立ち上がりはやや暖気に時間がかかったようだが、後半に行くにつれてすごく良いパフォーマンスに。ファンクテイストというかブラックミュージックというか─そのグルーブがキモの『Nexus』『Trollz』はばっちりこのBillboardの雰囲気と合っていた。また今回は全曲ほぼ生演奏で同期ものないっぽいというのはなにげに貴重だ。
2番手Tielleさんも今回は非常に安定したパフォーマンス。mizukiさんに至ってはご自身のユニット・UNIDOTSのワンマンツアーこなしている最中ということもあって全く文句のないパフォーマンス。個人的に大好きな『e of s』を久々に、それも生で聞けたというのは最高だった。
順番としてはLACO→Tielle→mizukiの各ボーカルで進行したが、セットリストは以下(以下公式サイトより引用)。
Zero Eclipse (Vo. Laco)
NEXUS (Vo. Laco)
ninelie (Vo. Laco)
Trollz (Vo. Laco)Into the Sky (Vo. Tielle)
Felidae (Vo. Tielle)
Binary Star (Vo. Tielle)aLIEz (Vo. mizuki)
VIEW (Vo. mizuki)
&Z (Vo. mizuki)
e of s (Vo. mizuki)StarRingChild (Vo. Laco) ※12.01 ReArrange
Christmas Scene (Vo. mizuki&Tielle)
で、今回のBillboardLiveでのショートツアーの目玉はスペシャルメニューとして、その日のお客さんの一人に選んでもらった曲をその場でリアレンジして演奏してしまおうというもの(※1)。この演出は生バンドならではの醍醐味だと思うし、事実どうアレンジするのかというやりとりそのものも、その場のステージで見せながらやっていた。このあたりは全員が百戦錬磨のスタジオミュージシャンでもあるからこその演出と言えるだろうし、より「バンドらしさ」を強調した演出でひょうひょうとやってるところがまたかっこよかった。
(※1 一応候補曲はパンフレットに記載があって登場するボーカリストごとに曲は設定されている─その中から1曲選んでもらい演奏するという形)
自分の見た回の1曲はLacoさん担当による『StarRingChild』。テンポをやや落としていなたい感じにしたアレンジがコレまたバッチリ合っていてかっこよかった。実はこの日の初回選んだのもLacoさんが目当ての一つではあったので、非常に満足できる結果に。ライブならではの良さも堪能できて言うことなし。
そして〆はnZkのクリスマスソングである『Christmas Scene 』(Vo. mizuki&Tielle)
「彼女のいないボッチの頃から何故かクリスマスシーズンのあの雰囲気はずっと好きだった」と澤野氏。加えてこの曲のタイミングでBillboard Liveのロゴのバックの緞帳が開かれてミッドタウンの夜景をバックに演奏されるという非常にウォームな演出!このあたりは非常にスペシャル感あって素晴らしかった。
ということで非常に貴重で素晴らしい回のライブを見れたと思う。
いやーほんとに楽しかった。
しかしもう一つ残念な意味で、このライブは特別な回となってしまった。
このライブはもちろん、nZkのライブや澤野氏の多くの作品でドラムを務めていた山内“masshoi”優さんが、12月4日に急性心不全のため、37歳の若さで亡くなられた。まさにこのライブが行われた数日後のことだ。
ドラマーの山内“masshoi”優さん死去 いきもの水野、中川翔子ら追悼「信じたくない。はやすぎる」
澤野氏の音楽に注目するようになってから当然そのライブ映像などを見ると、毎回そのセットの中央に優しい風貌のイケメンのお兄さんが淡々とタイトなリズムで叩いているのがいやでも目に入った。何度も観に行ったライブでもそのメンバー紹介のMCでも優しげな人柄が遠くからも分かった。そしてなによりもタイトで力強く曲の背骨を支えるそのドラムはなくてはならないものだった。まだ37歳だったとのこと・・・すごくすごく残念だ。最後にこういう生の音楽の素晴らしさを感じるライブを見せてくださって本当に感謝しか無い。
いまはただただそのご冥福をお祈りするばかりだ・・・。