澤野弘之のボーカルプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]の新譜。今シーズン放映中の銀河英雄伝説の主題歌『Binary Star 』とお台場ユニコーン立像で上映中のイメージムービー用の『Cage』を含むシングル。両曲のバリエーショントラックに加え新曲『Roller Coaster』含む全7曲(通常盤は6曲の模様)。
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SawanoHiroyuki[nZk] 久々のシングルだが、いろいろ漏れ伝わるところを聴いていると、昨年から先日発表になった今秋公開予定の『ガンダムNT』やら『進撃の巨人』(3期)のトラックも作業されているようで、相変わらずすごい仕事量のようだ。
それが関連しているのか、はたまたボーカルプロジェクトとして一定の評価を得た故なのか、銀英伝のほうの『Binary Star』は主題歌のみのオファーだったそうで劇伴はノータッチとか。そういうプロジェクトにnZkとしては新規のボーカルとなるUruさんフィーチャーという点からみてある種「企画ありき」のトラックだったのかなという感じがしなくもない。(それが悪いという話ではないので―念のため)
ただおそらく本盤のメイン曲はこちらということで間違いなさそうでDVD付きの盤でのPVはこの『Binary Star』のものとなる。NASAのうちあげたボイジャーをフィーチャーしたPVでなかなかいい感じ。楽曲自体はこれまでのnZk路線のパワーバラードだが、意外と静か目な印象を受けるのはお得意の弦ものやクワイアっぽいバックコーラスが出てくるのが曲のかなり後半になってからというのがあるからかもしれない。
そしてカップリングである『Cage』のほうもアルバム『2V-ALK』でのTielleさん曲の延長にあるようで、曲自体を聴くと同アルバムに入ってたっけ?と思うほど既視感のある内容。お台場で映像を見ながら聴いた時はさほどそういう感じをうけなかったので、つくづくこの方は映像を前提とした「劇伴作家」なんだなあ、と改めて思ってもみたり(苦笑)。
だがしかし!
ここからが面白いのだが、実は本盤のいちばんの聴きどころは新曲『Roller Coaster』である。
この曲もボーカルを担当しているGemieさんが『2V-ALK』で披露していた『Club Ki3ε』の延長線上にある一曲なんだが、このクラブミュージックというか「踊れる」感じの進化、よりブラックミュージックというかファンクっぽいというか、明らかにこれまでのnZkにはない新たな路線で、個人的に同アルバムで一押しの曲だったこの曲の系譜が広がってくれそうなことに今後すごく期待が持てる。
で、本シングルなんだが上述のようにタイアップ曲の両A面シングルということもあってか例によって盤のバリエーションが複数ある。
注意点としては通常のnZk盤はどうやら収録曲が1曲少なそうだということ。これはタイアップ各盤も、それぞれのショートエディット(いわゆるTVエディット的なバージョン)が追加されているということなのだが、それぞれのタイアップ曲と逆のほうのショートエディットバージョンは収録されていない模様。どちらかが目当てで購入される方は面倒だろうが一度このあたり確認されたほうが良いと思う。
自分は銀英伝は知らない人なのでいちおうユニコーン盤をチョイス。ジャケットがアニメアニメな感じでアレだったのだが、背面は同じ構図でお台場立像のCGモデル?らしきしゃきっとしたユニコーンのビジュアルで、こっちはすごく品があって結果的にこの選択で正解だったようだ(笑)。
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