【レビュー】『幻魔大戦 Rebirth 5巻、6巻』七月鏡一

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書くのどうしようかと思ったがここまで取り上げてるので一応記事化しておく。

ストーリー進行的にベースとなった作品があるならではの驚きや緊張感がどんどん薄れてきているので、正直惰性で読んでる感じ濃厚。くわえて本歌取り的な本作品では元作品の情報をどう織り込むかがキモかと思うんだが、舞台がちょっとこちゃこちゃ変わりすぎで物語としてのダイナミズムを損なっているきらいはあるように思う。
(方針としては悪くないんだが頻度の問題というか)

『幻魔大戦 Rebirth 5 (少年サンデーコミックススペシャル)』

『幻魔大戦 Rebirth 6 (少年サンデーコミックススペシャル)』


ギルガメッシュのダミアン、三千子が消失、世界線をまたぐような描写、タイガーマンと仲買人スミス、縄文土器の浮舟と自衛隊員として田崎、三輪教諭vs杉村遊奈、ベアトリスの簪、ベガの痕跡、クロノス(ここまで5巻)、砂幻魔、エリア51のESPたち、丈を探すステラ、ヨミの恐竜人、神話人種と陸上戦艦、再びダミアン(ギル)、新宿廃墟、幻魔樹、封印された幻魔、ガイスラッガー?(ここまで6巻)

5巻に関しては現代の舞台もほどほどあり、懐かしいキャラクターも出てきてぼちぼちな感じ(ただし田崎さんはあんな地味な感じじゃないとおもうなあw)。ただ丈がまた並行世界に移り、舞台があっちゃこっちゃ変わるあたりからちょっと時間軸を追いづらくなってくるというか、物語のダイナミズムがあまり感じられなくなるというか、盛り上がりそうなところで次の要素が出てきて忙しいというか、web連載月一なので「いまどこの話しや!?」みたいな(苦笑)。現状連載中の次巻以降の箇所となるとここが石森作品のキャラであるギル(ダミアン)メイン的な感じになって収束はするんだけど、平井ファン視点だとあまり過去作品を持つが故の本歌取り的な面白さが薄まるので、面白さという点ではあまり温度変わらず(あがらず)進行する感じか。

総じてこれまでの「ほったらかし」な部分を回収してクロージングさせるのが作品の趣旨の一つかとは思うんだが、あんまりぱっぱかぱっぱか舞台は変えないほうがいいかもしれんなあ、陸上戦艦と神話人種は「おお!?」となったが、結局舞台としての情報量はかつてテキストで描写された以上のものを持ってこれないので、読者側で勝手に想像を膨らますにも限界あるし、やはりそういういい意味での「読者側の妄想」を引っ張り出せるシチュエーションなりキャラなりを配置しての舞台の仕切り直しを個人的にはしてほしいところ。

いやまあ石ノ森作品も好きなんですが平井作品ほど読んでないんで、作中の石ノ森キャラのウェイトが重めになるとつまらなく感じるだけなのかもしれませんが(苦笑)。

※あとbookwalkerで小学館コミック作品の取り扱いが始まったのでようやく電書版に切り替えられそう―こういう一般的なマイナーな作品ほど電書のほうがありがたいのよ、場所とらないから―そのくせなかなかそういうのに限ってなかなか電書かしなかったりするんですけどね。








※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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