澤野弘之LIVE[nZk]004 東京公演11/3,4@TOKYODOME CITY HALL

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すでに毎年開催が恒例となった感のあるLIVE[nzk]。今回で4回目となるがこれまでと異なり大阪はもとより福岡での開催もあり、ちょっとしたツアーともいえる感じになってきてる。自分は東京での2日間のチケットが取れていたので観にいってきた。

そういうこともあってか今回は前回までといろいろと雰囲気が変わっており、なかなか興味深い回となった。

nzk004



当日のセットリストは例によって澤野氏のオフィシャルサイトがきちっと出してくれている。毎回ありがたいなあ。一応転記しておくが正式には公式サイトのほうをご覧になってください。

http://www.sawanohiroyuki.com/information.html

11/3
M1 [nZk]o1
M2 DOA
M3 Don’t worry
M4 The Reluctant Heroes
M5 Uncontrollable
M6 Through My Blood
M7 Call me later
M8 &Z
M9 o1
M10 aLIEz
M11 Next of kin
M12 Suck your blood
M13 Warcry
M14 Song of ..
M15 ninelie
M16 RE:I AM
M17 No differences
M18 Till I Die
M19 Pretenders

En1 Next 2 U -eUC-
En2 CRYst-Alise
En3 Into the Sky
En4 Piano Solo

Aimee:M2,3,17/mpi:M4,5,12,13/Mika Kobayashi:M5,6,7/mizuki:M8,9,10/Benjamin:M11,12/Aimer:M14,15,16/mica:M18,19/Gemie:M19/naNami:En1/Tielle:En2,3

11/4
M1 DRAGON RISES
M2 The Reluctant Heroes
M3 Warcry
M4 X.U.
M5 Saving Us
M6 βιος
M7 Call me later
M8 Wild War Dance
M9 Don’t worry
M10 emot1on
M11 icon
M12 Rise above
M13 scaPEGoat
M14 &Z
M15 e of s
M16 Song of ..
M17 Through My Blood
M18 BLE@TH//LESS
M19 Uncontrollable

En1 Call your name
En2 Into the Sky
En3 Piano Solo
En4 RE:I AM

mpi:M2,3,19,En1/Gemie:M4,5/Mika Kobayashi:M6,7,18,19/Aimee:M8,9/Eliana:M10,11/Yosh:M12,13/mizuki:M14,15/Aimer:M16,17,En4/mica:En1/Tielle:En2

で、リストからも分かる通り両日とも20曲強やってそれぞれのボーカリストが2,3曲づつ担当。MCでも澤野氏がおっしゃってたが今回は参加ボーカルの人数が膨大で両日ともに10人前後のボーカルが入れ代わり立ち代わりという贅沢なライブだった。

会場もこれまでのZeppTokyoからTOKYO DOME CITY HALLへと変わったが、こちらのほうが交通の便が良いしなにより音響が良い。Zeppも悪いハコではないんだが客誘導あまりうまくない―そしてこのDOMECITYHALLでの客誘導は整理番号順の待機列をきちっと作って誘導していてアナウンスもこまめで好印象。なにより個人的なジンクスなのだが天井の高い縦長のライブハウス(ホール)はハズレが少ないというのを今回も証明してくれた感じ。

で、ステージである。
これだけのボーカルでこれだけの曲数をやったので、今回は例の澤野氏の楽しいMCは若干控えめ(苦笑)。その分各ボーカリストの方がけっこう自由に自分を出してMCをしていてよりアットホームな雰囲気に。ここは各ボーカリストの―特にこのライブにおいては常連のボーカリストの方々の間ではよい信頼関係が築けているということだろう。mizukiさんのAimerさんネタ「うにどっつ」やら、いつも過酷な曲ばかりのセットリストで虐げられている(笑)小林さんによる澤野さんへの仕返しコールアンドレスポンスも面白かった(笑)。
(ただ澤野氏自身の自称「くだらないMC」は個人的にはけっこう楽しみにしていたので若干寂しくもある:苦笑)

楽曲は氏の膨大なレパートリーの中から選んで演奏されているので当然どれもクオリティが高い。また例年だと若干ゆれの見える各ボーカリストの状態も、この東京公演の前に大阪、福岡と回ってきていたのが功を奏してかどの方もいい仕上がり具合。個人的には歌う作詞家・mpi氏が昨年のライブからより歌唱力を上げてこられたのは称賛したいと思う。もちろん客観的に見ればほかの歌が本業の方にくらべると劣るのは事実なのだが、昨年の状態からすると飛躍的に安定感が増していた、努力されたんだろうなあという気がして非常に好印象。ひとつは澤野氏の楽曲は何気に音域が広い曲が多く、とくに男性ボーカル曲はけっこう低いキーのパートが多いのでそこをしっかり歌うのは実は本業のシンガーの方でもきついと思う。そこをあれだけの状態に持ってきていたのは素晴らしかった。また昨年に比べていい意味で表へ出てライブとしてのパフォーマンスをしようという腹をくくったように見えて、曲中のあおりなども積極的に。なによりそういう気持ちになられたことを個人的には応援したい、今後もぜひ頑張ってください。

他男性ボーカルも新顔がけっこういらっしゃってmica氏やBenjamin氏といった方も登場(外国の方だったのね!?)そして男性ボーカルでは一番華があったのは自身でもバンド活動されているYosh氏だろう。ここだけ良くも悪くもノリが違ったw観客もこの手のライブにしては珍しく皆さんyosh氏のあおりに合わせて大暴れな感じでここはすごくいいパートとなった。この方はちょっと童顔で加えてロックミュージシャンにある種必要ないい意味でのナルシストぶりも見え隠れして非常に見ごたえがあった。(あとを受けてのmizukiさんや澤野氏にMCであおりの「生きてるかTOKYO!!」をネタにされてましたが:笑)

そして女性陣はもう全員安定のクオリティ。歌を本業とされている方が多いので当然ながら全体として男性ボーカルよりレベルが高い。レベル云々を述べるのは不適切のようにもみえるかもしれないけれども、やはり質の面でここは言及しておく。
ある意味澤野組筆頭の小林未郁さんをはじめmizukiさん、aimeeさんなど安定のクオリティ、全員やっぱりうまいなあ。新顔のnaNamiさん、tielleさんも声量あって聴きごたえあり。Aimerさんはご自身のツアーファイナルをこの直後に控えているので抑え気味のようにもみえたが、それでも十分にハイクオリティ―というかほかの方々がどちらかというとパワー型なのに対してより細かいニュアンスの強弱だそうとしている感じだろうか(パワー型と書いたがパワー一辺倒というわけではないのでここは誤解なきよう―ひとつは曲の中で表現しようとしているものが違うといえばよいだろうか)。そのAimerさんもやはりあの特別な一曲『RE:I AM』では抜群のパフォーマンス。曲自体も新アレンジになっていて新鮮さも加わって大トリにふさわしい一曲とパフォーマンスだった。

で、総じて楽しいライブで、両日とも2時間強のスタンディングにもかかわらず気づくと「最後の曲です!「えー!?」となるわけだが、ほんと毎回思うけどこれ凄いことよなあ。だって次はあの曲か!?あの曲まだやってないけどまだか!?とか思いつつ演ってる曲にのって頭振ってたらいつのまにか2時間経ってるわけですよ。こういうのはほんとに曲が良くないとこうはならない。

ただ今回はこれまで最大の人数のボーカリストが参加したということもあってか、一つのライブの進行としては「山場がずっと続くのでライブとしての山場が見えない!?」というある意味すっごく贅沢な問題が(笑)。ほんとずーっと山場が続いて盛り上がりっぱなしで最後までという。これがいいのか悪いのかわからないが、自分は二日目の最後のほうになって「あ、これ普通のライブじゃなくてなんかある意味フェスみたいな進行じゃね!?」と気づいた時には時すでに遅し、みたいな(苦笑)。

一つにはこのライブ自体に関してもいろいろと取り巻く状況が変わってきているのもあると思う。
これまでのけっこうコアな客層―数少ないライブの情報を事前にキャッチしチケットとってるようなファン―から、開催日数と知名度そしてそれにともなうキャパの増加で客層自体けっこう変わってきているようにも思う。これは昨年までのライブに比べると若干マナー的にどうかな~というお客さんを目撃することが多かったこともある。(待機列で待ってるあいだ、別の個所にいるらしいツレとボソボソと携帯で延々しゃべり続けている人や、いちいち曲が終わるたびに携帯を取り出して時間を確認する人など見かけた)まあこのあたりは澤野氏自身とこのライブ自体の知名度が上がり、観客動員数も増えたであろうこととのトレードオフということかな。今後は徐々にこういったところも落ち着いては来ると思うが、悪い方向にだけは進まないでほしいところ。

ということで、今年は例年に比べるとより純粋に各楽曲・各ボーカリストを楽しむ感じのライブとなっていたかと思う。昨年までのライブにあった独特の楽しさは少し薄くなってしまったが、これはこれで正当な進化だろう。次回に向けて少し希望を述べるなら、もう少しステージ進行にアップダウンがあっても面白いかな、とは思う。これだけ歌える人がそろっているので部分部分はアコースティックパートにしてみるとか逆に派手目の曲連続でモッシュピットつくるとかw(曲順優先でボーカル縛りなしで一曲ごとに入れ替わるとか贅沢か!?)現実的なところではこのライブだけのイレギュラーなデュエットバージョンを見せてくれるとか、そういうところは期待してもいいんじゃなかろうか。

なんにしろものすごく楽しいライブであることには変わりないので、次回もチケットが取れる限り脚を運びたいと思う。
いや、楽しかった!

※とにかく膨大な作品数に関わっている作曲家なのでライブに脚を運ぶにも心理的ハードル高い方もいるかもしれないが、とりあえず以下聴いとけば大丈夫である。特に『into the sky』の限定盤には昨年のnzk003の模様をほぼフルに収録したDVDが特典としてついているのでオススメ。

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