RE:UnChild Live/SawanoHiroyuki[nzk]Aimer他@8/13,14豊洲Pit

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二年前のライブにつづいて今回も幸いにしてチケットとれたので行ってきた。
最近特にコラボ路線強化中のAimerだが、やはりそういった活動の原点のひとつはここにある―そう再認識させてくれるライブだった。


会場はこれまでの澤野氏ライブでよく使われていたお台場のZeppから豊洲Pitへ。最寄りはゆりかもめの新豊洲だが、豊洲からも徒歩10分程度で行ける。
湾岸エリアの典型的なライブハウスという感じでガワはそっけないが音響は悪くない、更に客誘導が非常にしっかりしていたのも好印象。初日こそ場内セッティングの関係で一旦開場アナウンス後15分ほど会場伸びたのだが、その間も待機列をうまく作らせて、ほぼ時間押さずに開演してた。
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客層は両日おそらく三十代前後の方を中心に非常に幅広い年齢層。男女比6:4ぐらいとみえ、女性は彼氏連れよりも女性同士友だち二人連れみたいな感じの方が多かったように思う。一人で来られているだろう方もたくさんいた。ツアーTシャツ来ている方もいたのでやはりAimer、澤野氏双方の固定客が中心になっている感じか。

当日のセットリストは以下のとおり。

01.UnChild
02.StarRingChild English ver.(8/13Jpn、8/14Eng)
03.bL∞dy f8 -eUC-
MC
04.But still…
05.Just say good bye
(以上Vo. Aimer)
06.Next 2 U -eUC-
MC
07.Destiny
(以上Vo.naNami)
08.REMIND YOU
09.EGO
10.s-AVE
MC
11.BEYOND THE TIME
(以上Vo. Aimer)
12.Into the Sky
13.Pretenders
14.Because we are tiny in this world
MC
(以上Vo.Tielle)

15.BEGINNING〜流星のナミダ
アンコール
01.A LETTER(Vo.naNami)
02.ETERNAL WIND(Vo.Tielle)
03.RE:I AM(8/13 Vo. Aimer Eng、8/14 3Vocals Jpn)

ライブ後記憶頼りにメモっておいたが、公式サイトと突き合わせてほぼあってた模様(笑)。
両日でMCの一とか若干の際はあると思うがおおむね上記の進行かと。

ライブの冒頭はインストの「UnChild」。この曲を聴くとやはりいやでも盛り上がる-続けて2年前と同じようにStaringChildで開幕、会場は一気に盛り上がる。
2曲目は意外なことにある意味キラーチューンともいえるbL∞dy f8(UC-ED版)。この曲をここで持ってこれるというのは一気に盛り上げる+ゲストボーカルとの兼ね合いもあるだろうが、なによりここでこの曲をやっても大丈夫という自信があるからだろう。そこに澤野氏とAimer二人の自信のようなものを感じる。事実パフォーマンスとしての安定の澤野xAimer組。元々このアルバム自体が二人のコラボレーションのためのものなので当たり前といえば当たり前だが、前回のような初ライブゆえの不確定要素もなく、二人も共演の場数をかなり踏んでいるのためか余裕すら感じる。このあたりの安心感というかリラックスした感じというのはお二人のMCにも表れていて、特にAimerさんはご自身の単独ライブも経てきたせいか、前回のような硬さもなくはるかにリラックスした和やかな雰囲気(澤野氏は相変わらずしゃべりでここは変わっておりませなんだがw)

「ここまでの時間でパワーアップしたところをお見せできれば」と気負うわけでもなく穏やかにいえるAimerさんのこの一言がそこをすべて表していたように思う。

ここですこし音響的なことを述べておくと、初日はこの最初のMC前後くらいまで若干ミッドハイの抜けがいまいちなような印象があった―ひどくはないが若干抜け悪いかなという感じ。二日目はこのあたりきっちり修正してきていて全く問題なし。一つはこちらの聴いていた位置の変化故もあったのかもしれないが。

そのMCをはさみさらに2曲やってAimerパートはいったん終了。つぎはRE:0096前期EDのnaNamiパート=Next2u -eUC-から。

当然ながら生で聞くのは初めてだったが、歌うまいほうだと思う―とくに低音(ロー)がしっかり出ていて、ある種パワー系のシンガー。
ちなみにこのnaNamiさん、元々澤野氏の大ファンだったらしく2年前のUnChildはバイト代ためて大分からバスで見に来て、そのとき客席側だった―そのステージに今こうして立てて感無量とのこと。
けっこう感極まってるのかぎこちないMCだったが、むしろこの初々しさは好印象。しかしそれにもかかわらず例によって澤野氏に元ヤン、だけどアニメ好きといじられるという(笑)。さらに13日当日はお誕生日だったそうで、それはいい記念になったろうと思う、よかったね。

ちなみにnaNamiさんは先月自身のアルバムリリースでそこにN2U別バージョンを収録とのこと。澤野氏が別作品をnzkのライブでアレンジするのはいくつか聞いたが、澤野作品をほかのアレンジャーがカバーするというのは実は初ケースなのでは?以下一応リンク張っておくが原曲よりロックテイスト強くなっていてこれはこれでアリだな。

で、naNamiさんパートは現時点ではほかに澤野作品の持ち歌まだないのでUnChildアルバムからDestinyを。この曲もなにげにシンガーとしては難曲の部類に入ると思うがしっかり歌いこなしていたように思う。

そして再びAimerパート、ここからはRemindYou,Egoと元々は小林未郁さんでOSTには収録されていた曲のUnChildバージョン。これもよく考えれば不思議な感じだ(笑)。
そしてたしかここのMCで澤野氏まさかのZ見てない発言(笑)それとなくつっこむAimerさんもZZ見てないことを逆につっこまれ
「ガンダム合宿しましょう!」とAimerさん(笑)。個人的には二人が芋ジャー着て三角すわりで眠い目こすってZZのDVDみてる絵面が浮かんで、このMCはほんと面白かった。

正確にはこのあたりだったかは忘れたが、二人のMCではすこしまじめな部分もあってAimerさんのニューシングル「蝶々結び」のリリース、Mステ初出演などの告知も。
その際にRE:I AMで澤野さんに可能性の扉を開けてもらった、私も可能性の獣にと軽く茶化しつつもしっかり澤野氏への感謝の言葉を述べるAimerさんの律義さよ。Mステ出演についても澤野さんのこともちゃんと考えながら歌いますと配慮するやさしさ。前回でもその立ち居振る舞いの端々に謙虚さみえて好印象だったが、長くコラボを続けてきたぶんいい意味での気安さも見て取れて、ほんとにステージ上でのこの二人は見ていてほっこりする。今回のライブぜひとも見たいと思っていたが、一つはこのほっこりした感じをもう一度見たいということがあったんだなあと改めて気づく。別にこの二人が個人的にどうのとかそういうことではなく、ただただその場に出来上がる和やかな空気感というかな―大げさに聞こえるかもしれないけれども、そこにある種の多幸感を感じるんだと思う。なんにせよ非常に不思議な・独特の空間だなと改めて感じた。

そんなMCをはさみ、ここでのAimerパートはほかのシンガーに歌回したこともあってか「o1」からs-Aveを、そしてTMNカバーでBEYOND THE TIMEを。
この曲前回もやったのだが、その時よりはよりきっちりとカバーしてきた感じ。ただこの曲、さすがにいま聴くと構造的な古さがよりわかってしまう―特にこの有能なアレンジャー+シンガーでカバーされてるわけなので余計に。しかしその無理な構造の曲をそれなりに独自色を込めていたAimerはさすが(特に2日目のバージョン)。

続いてTielleパート。彼女のパートは3曲一気に。
この方も当然初見だが、初日はそうとう緊張していたのか若干やらかし気味(苦笑)、二日目はしっかりしてた。
特に二日目きいてからはっきりわかったんだが、相当緊張していたみたい―二日目は非常にしっかりと歌っていた。若干ローの部分の音圧が弱いがスタンダードなナンバーでははえるタイプのシンガーだろう。
こんな偉そうに書いたが、リスナーの我々は何気にしれっと聞いているが、彼女の担当するInto The Skyとかも実はかなり難曲なのかもしれない(音域広そうな曲だし)。そして彼女も持ち歌がないのでnzkの最新アルバム「o1」からPretendersを。(この曲は「o1」では別ボーカルの方が歌っている)これもなにげにむつかしい曲と思うが初日はともかく二日目は歌いこなしていたと思う。原曲が複数ボーカルの掛け合い的な曲なのでここはよくやったというべきか。
で、MCで海外(NY)行ってて発砲事件に出くわした話などして彼女のパートは終了。
ちょっと天然ちゃん?とか初日は思ったが二日目落ち着いてたし、挨拶は両日くそ丁寧にしてたのでやはり緊張してたんだろうなあ(苦笑)。

そして本編〆パート。
ここはUCのOST4からビギニング~流星のナミダの澤野バージョンをボーカル入りにした特別アレンジ。加えて初日のボーカル三枚建て構成、ただこの初日の構成はあまり感心せんなーと思ってたら、二日目はこのパートをAimerオンリーで。申し訳ないがこの二日目の構成のほうが圧倒的によかった。実はこの2曲は自分もiTunesのプレイリストで繰り返し聴いていたお気に入り曲だったのである意味至福w。

そしていったんステージ上のプレイヤー退出し、アンコールへ。ここは各シンガーで1曲づつ。
トップバッターはnaNamiさん→A letter。つづいてTielleさん→エターナルウィンド。実はこのアンコールパートがこの二人のカラーいちばんよく出ていてよかった。naNamiさんはローに強みがあるということもあってか、どちらかというとソウル系の志向があるように思う(そしてそれがあってる)、逆にTielleさんはスタンダードな正統派の曲でより力を発揮するタイプか。よく考えたらInto The Skyの英語詞もめっちゃヒアリングしやすいししな。
そして初日はAimerさんによるRE:I AM 英詞バージョン。
ちなみに各自の衣装はnaNami赤、Aimer白、Tielle黒=シナンジュ、ユニコーン、バンシィをいちおうモチーフにしてたそうな。

で、二日目大ラス。
ここもRE:I AMだったんだが二日目はまさかのボーカル三枚建て・・・。
実はここはファンとしてはちょっと複雑で、この曲はAimerならではの曲という頭が非常に強く刷り込まれていたので聴く前は正直どうなることかと思った。

しかし実際に聴いてみると、やはりこの歌はAimerならではの歌だということが逆によくわかる結果に。

これは別にほかの二人を貶めるつもりではなくて、単純にその表現力が違いすぎるのがほかの二人のボーカルが入ったからよりはっきりわかったというか。おまけに声量でも全然負けてない。
こういう言い方はあれだが、彼女は彼女の実力でこの歌を自分のものとして意図せず守り切ったということだろうな。
コラボやユニット的にシンガーが参加するのが中心となる澤野氏的なコンポーザーの活動にはこういう曲のやりとり的なことが付きまとうのは不可抗力かと思うが、それでもどれだけ歌に魂込められるかによって歌のほうから「選ばれる」というのはあると思う。そういう意味では「RE:I AM」はAimerというシンガーを自ら選んだんだろう。

初日は澤野氏ライブは初のお二人の緊張もあってかぎこちない部分もあったが、二日目は構成・パフォーマンスともに全く文句なし、すごくいいライブだった。
ただほかのお二人には悪いがAimerさん単独ボーカルでみたかったというのは正直なところ―今となっては非常に贅沢な話なのだが。

これは楽曲的なところももちろんそうだが、自分が好きなのはこの澤野xAimer二人の醸し出すライブ全体の「和やかな空気感」だと今回改めて気づく。なんというか相性の良さのようなものといえばよいか。
これは色恋沙汰がどうのというのではなく、もうほんとライブとしてその場に生まれる「空気」とでもいうしかない―その雰囲気の良さ―先にも書いたが多幸感のようなものがあるのだ。

思えば前回のライブもそうだった。
このライブで感じる雰囲気というのが、なんとなくこのアルバムのモチーフ=元作品であるガンダムUCにも通づるところがあって個人的には非常に不思議な感じがする。
とはいえ元々UCありきのアルバムなのである意味それも当然、といえなくもないが、だとしてもそれがこういった派生作品-それもそのライブステージにまでそういった空気感があるというのは素晴らしい幸運だと思うのだ。

とはいえ、この素晴らしい組み合わせもガンダムUCという作品が前提である以上、今回のようなイベント的ライブにふつう「次」はない。ただUCという作品自体がまだ何かありそうな気がしないでもないので、それを考えると「次」の可能性はまだまだあるようにも思う。

前回も書いたが、これで終わってしまうにはすごく惜しい、そういう不思議なライブなのだ。
ぜひここはあきらめず「次」の可能性を信じて、気長に待ちたいと思う。

ということで前にもどこかで引用したが、いいフレーズなのでここでも引用しておく(笑)。

『希望を失わないこと、それが私のたった一つの望み』


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■付記
※ちなみに公の告知も出たようだが、10月発売のTV版主題歌を含めたRE:0096 COMPLETE BESTの特典ディスクとして本ライブの音源が収録される模様。13日、14日、あるいは双方からのいいとこどりとなるのか―特に14日のステージ中心にまとめられていたなら素晴らしい音源になると思う。興味のある方は必携だろう。

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