MX4DでガンダムUCを観る

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この間の東京国際映画祭でガンダムUCの一連のシリーズがスクリーンでかかっていたのだが所用で観に行けずちょっと悔しい思いをしていたのだが、なにげにTOHOシネマズ新宿の上映スケジュールをみると「ガンダムUC EP7(MX4D)」とある。

EP7は何度も見返していたがMX4D自体はそういえばはじめてだな、パシフィックリムで体験した4DXとどういう部分が違うんだろう?ということもあり日曜日の夜の回を観に行ってきた。

MX4D


じつは新宿のTOHOシネマズもコマ劇場から建てかわってから初めていった―なにげに自分にとってこれという作品がかかってなかったからかな。後発ということもあってなかなか良くできたフロア設計になっているとは思うが、あのエスカレーターの導線だけは客集中する場合などはちょっとどうするんだろうなとは思った。

最近のシネコンらしく当然チケットは事前予約可能だったので、自宅で予約しておき発券機で受取。このあたりもシンプルで特に面倒な感じもない。会員の場合はもっと発券が楽っぽいがどうもクレジットカード入会必須なのか?そうでなければ持っといてもよさそうなもんだが。

待合のロビーは大きな液晶が複数枚組みあわされたスクリーンがあり、シネコンならではのフードコーナー。
しかしシネコンのこの手のメニューはなんだかんだ言って割高よね、雰囲気にごまかされがちだけど(笑)。

でお目当てのUCはMX4DということもあってかSCREEN2で上映。ほどほどの大きさ。
それよりもびっくりだったのは、チケット予約時にはけっこうガラガラな感じの席の埋まり具合がいざ入ってみるとぼちぼちお客さん入っていたこと。ロードショーでもなく、しかも1年以上前のコンテンツということを考えるとなにげにこれってすごいよね?まあほぼおっさんばかりでしたけどw(カップルも一組だけいらっしゃった)

さて肝心のMX4Dである。

んー、これはもともとの作品自体がMX4Dを前提に作られたわけでもなく後付けで追加された要素ということもあって、4DXでパシフィックリムを見た時のようなわくわく感は正直なかった。一つには作品の舞台が360度動き回る宇宙空間ということもあって、いちばん演出しやすい重力の感覚を出しづらいということもあったかもしれない。

ただそれを抜きにしても、この手の体感装置とそれを使った演出―とくに現実には実態が存在していないアニメーションのそれはまだまだチューニングというか経験の積み重ねが必要だな、と言える段階のように思う。

一つ顕著だったのは爆発や銃撃といったシーンに対するシートのエフェクト。たとえば友軍機が敵機を撃墜・爆発といったシーンで、爆発に対して風がぶわっと来るエフェクト設定されているんだが、ここでシートあまり揺れないのな。もちろん位置関係を考えると友軍機が観客側の視点だとすると、自機は爆発してないのでシート揺れないというのは理屈からは正解なんだが、やはり「どかーん!」と爆発しているシーンでシートは派手に揺れてほしいと感じた。あと銃撃されるシーン等ではシートに仕込まれた突起?がぽこぽこと動くのだが、動く箇所が一か所だけらしくあまり打たれてる感じがしない。加えて上述のように360度の宇宙空間なのでシートが意外に前の方へ傾く演出が多くて、人によっては酔うだろうな、というのは思った。

ただ一点面白かったのは、当日けっこう外が寒く、逆に館内は温かかったので軽く眠気が来てたシーンもあったんだけど、そこでぶわっ!と水しぶき効果飛んできて眠気が覚めたのは秘密だw(ネオジオングがらみのシーン)ただ4DXのときよりかなり派手に水が飛んできたような気がするのでこのあたりもチューニングというか試行錯誤がまだ必要なんだろうな。

総じて感じたのは4DXで見たパシフィックリムに比べてまだまだだな、ということ。その後4DXで他の作品を見る機会に残念ながら恵まれてないのでシステム自体の厳密な比較というのはできないんだが、現時点での感想を言うとMX4Dというのは4DXに比べると廉価版のシステムなのかな?というところ。まあこのあたりは次回4DX作品を見る機会があればよりはっきりするだろう。


そして以下蛇足ではあるがガンダムUC、EP7を改めて通しでみて―。

前述のようにこれまで複数回見ているんだが、みれば見るほどこのEP7ほんと良くできてるな~というのを実感する。
もちろん話の深みやテーマ性といったところはある意味カジュアルで、さほどの深みは感じさせないんだが、あの尺の中でキャラクターや物語を展開させていく順番や演出、時系列の持って行き方などほんとに無駄がない。

そしてあらためて気づいたのはそのカット割りのリズムの良さ。
実は個人的にはこのカット割りの「リズム感」というのが映像作品の良し悪しを決める隠れた―しかし決定的な一つの要素ではないかというのが長年の持論の一つで。
昨今はそうでもなくなったが、洋画の大作に比べて往年の邦画のあの独特の「ダサい感じ」というのはほとんどこれにあるんじゃないかとすら思っていて。
国内の映像コンテンツで映画・テレビドラマ畑があまりはかばかしい評価を得られずアニメーションのほうが圧倒的に国際的には評価が高いのにはこのあたりに理由があるんじゃないかと思っている―だってアニメーションはその制作手法から嫌でも最初からリズム感を意識せざるを得ないので。

で、そのカット割りのリズム感ということでいえば「そういや昔こんな感じで最初から最後までてんこ盛りで最後まで怒涛のように流れていく作品あったぞ~!?」と思いだしまして。

そう、イデオンの「発動編」だ。

このあたりイデオンで人生狂わされた福井氏が原作のコンテンツが、結果的に(無意識に)こういう写し絵をやって見せたというのはすごく面白かった―三つ子の魂百までかw
もちろんイデオンのほうが画面も内容的にも何倍も何倍も濃いのだが、少なくともカット割りのリズム感とてんこ盛りなエピソードを混乱させずに最後まで観客に見せ切ったという意味ではこのUCもやはり特筆すべきクオリティを持った一本だったんだな、というのをいまさらながらに気づかされた。

ということでMX4D自体の体験としては可もなく不可もなく、という感じではあったが、決して無駄な時間ではなかった。
あと本作品は当初からそういうふうに想定されていないので2D+MX4Dなのだが、いずれ出てくるであろう3DでのMX4Dなり4DXのロボアニメというのは見てみたいように思うな。そういういろいろと将来の可能性を想像させてくれる時間ではありました。

※ちなみにUCはまだしばらくTOHOシネマズ新宿で掛かってる模様(来週ぐらいまで?)スクリーンで見ると見ごたえのある作品でもあるので興味のある方はこの機会にいかが?


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