【レビュー】未レビューのモノ一覧

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ここのところいろんな理由でいろんなことにすっかりやる気をなくしていたこともあってこのブログもほったらかし気味・・・だったが、これではいかんとちょっと立て直してみる。
しかし根本的なところは何も解決してないのでそのうち力尽きるかと思うが、ま、それも愛嬌ということで。

ということで読むだけ読んでうっちゃらかしていたものを書名だけでもと思い、まとめてあげておく。

電子書籍で読んだものがほとんどだが、電書のいいところは蔵書の場所をとらないところ=物理的な読了感が薄いところがデメリット。
読み切った感が薄いままランダムリードに近い感覚になってしまうので、感想をまとめようかというところのモチベーションが著しく下がる。
そういう意味では、実は「読んだ」気にはなっていても「読んで」はいないのかもしれない。そういう意味で、この程度にしかまとめられないというのが実態を表しているのかもしれない。

以下そういったもののまとめ。
今後単独で感想まとめてみたいなという気力の残っているものは外してある。


『マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミックス)』

『マンガで分かる肉体改造 糖質制限&肉食主義編 (ヤングキングコミックス)』

昨今流行の糖質制限を例の心療内科シリーズの方がコミック化した作品。ここまで厳密なのはやってないが、確かに炭水化物・・・というか主食を意識的に抜くようにしてその分肉類・タンパク質の量を補うように増やすと、ベース体重の平均値は安定して落ちた。その後ちょっと食生活乱れて若干戻したが以前のような強烈なリバウンドはない。一部指摘された制限による心臓発作リスクなども統計的に疑問あるものだという点ものべつつ一応紹介してあり、内容としては信憑性あるものとなっている。



『百万畳ラビリンス(上) (ヤングキングコミックス)』



『百万畳ラビリンス(下) (ヤングキングコミックス)』




気づくとどこへ行っても畳の部屋ばかりの無限回廊ならぬ無限ダンジョンに閉じ込められた女の子二人の物語。「どこまで行っても畳のダンジョン」というだけでつかみはばっちり、女の子の片方がパワー系で不細工気味(だけど彼氏あり)というのもよい。種明かし的なところはありきたりなオチだが、主人公の女の子の「理解者がいない故の孤独」的なテーマはこの上下巻という巻数で一応描き切っている佳作短編、良い。

『パラダイスロスト メガミ文庫』


ウルフガイドットコムのアカウントでツイートされていて、平井作品へのオマージュありとのことで読んでみた。昨今だとラノベの範疇に入れられると思うんだが、個人的には昔のジュブナイルというか少年SFテイスト感を強く感じた。肝心のオマージュ感は個人的にはまり感じなかったが、世界観はよかったと思う―続編があるなら読んでみたい。著者の方はTV業界の方のようだが、その割にそういったところは作中では出てこない。



『人が死なない防災 (集英社新書)』


非常に現実的な防災論というか防災教育の重要性を訴える一冊。著者がそういった現場で実際に啓蒙活動されていることもあってか、非常に説得力あり読みやすい。



『親の家のたたみ方 (講談社+α新書)』


親が老いてきて、親の住んでいた実家の処分が今後発生するだろう人は早めに読んでおくとよい一冊。細かいところまでは突っ込んでいないという批判もあるだろうが、想定される起こりうる問題とその際の対処やハードルとなる部分一般を概論的に網羅できるという意味では、格好の入門編かと。





『日本人に「宗教」は要らない (ベスト新書)』



『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)』

『イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)』




在日外国人視点による新書三冊。どれも面白かった―これらの本を読んでみて、自身の中に「イラッ」っとくるところを見つけたなら、それが良くも悪くも自分の中の「日本人的なところ」なのかもしれない。
特にアトキンス氏の著書は人によってはイラッと来る頻度は高いかもしれない―そこに書いてあることは間違っていない故に余計に。ただそれを踏まえたうえで、日本人はなぜそういう非合理な理屈を数百年に渡って維持してきたのかというところは考えておく必要はあると思う。一見非合理的に見えることも俯瞰することでまたなにか違った視点は見えてくる+長く続くものにはそれなりの理由があったりはする。それが単なる思い込みの惰性による継続ならよいが、必ずしも合理的に割り切れないからイコールそれは意味のないことだ、というのも実は知的に乱暴ではある、と最近思うので。

『「正義の国」の日本人 なぜアメリカの日系人は日本が“嫌い”なのか?』


こちらは逆に海外の日本人=日系人。日本人は日本という土地を離れると日本人でなくなるとよく言うが、そういうところの理解の一助になる一冊かも。一部からは悪評の高いマイクホンダ氏について結構ページが割かれているので、彼の行動の背景に何があるのかというのに興味のある方も読んでみていい。

『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか (PHP新書)』

こちらは在日外国人から帰化されて新日本人となられた著者の一冊。というか石平氏、相変わらず中国のことむちゃくちゃいうとりますなwただ元々自分の国だったということに加え、いろいろと実例を引いてきているので視点としてなかなか面白い切り口を提示してくれていると思う。



『創られた英雄 創られた英雄 ヤマトタケルの正体』


内容は面白かったが、著者はどちらかというとトンデモ系に分類されることが多い方のようだ。確かに本書でも論理の飛躍は見られるが、案外こういうぶっ飛んだ見方・斜めな見方がオーソドックスな解釈をする際の思わぬ触媒にはなってくれるのかもしれない。しかし古代史は興味あるんだが、なかなか体系だって理解するのがむつかしいのう。





『【文庫】 本能寺の変 431年目の真実 (文芸社文庫)』

『ここまでわかった! 明智光秀の謎 (新人物文庫)』

『明智光秀 つくられた「謀反人」 (PHP新書)』




明智光秀周りを数冊。というか前から興味のある人物なので面白そうなのは書籍に及ばずWebの素人論考などもちらほら読んだりするんだが、オーソドックスな「温厚で良識的な保守派」というイメージでは収まらない感じが読めば読むほど見えてきて面白い、いやそういう人物像としての光秀も大好きなんだがそれだけでもないよな、という。というかむしろ信長の後半の活躍の実働部隊の主軸はどう考えてもこの人の存在がかなり大きいと言わざるを得んわけで、その割には信長政権では信長の才能のみが突出してた的な評価も逆に言うとそれどうよ?という感じになってきてたりする。そう、なにげに信長と光秀って両者表裏一体的なところはあったんじゃないかな。少なくとも単なる小粒な秀才官僚による謀反劇とかではないと思う、本能寺の変は。



『翳りの城 (竹書房文庫)』


エンターテイメント系の歴史小説。「この城は人を喰う」的なコピーにひかれて読んでみた。面白かったが落ちというかクライマックスというか、この「人喰い城」の設計をもたらした人物周りのエピソードがどうしても浮いてしまって、そこが物語最後のクライマックスとリンクしているだけに、前半の怒涛のような勢いなくそがれてしまった感がもったいない。ただそういうオチにしたいが故のこういう人物像なのねというのはわからなくはないが欲張っちゃったかな、という感じ。ちなみにコピーから当初は菊池秀行ばりのドロドロぐちゃぐちゃ的なSF展開かと思ったが、普通の歴史・時代小説ですw

『お江戸日本は世界最高のワンダーランド (講談社+α新書)』


比較的本は読むほうではあると思うんだけど、最近気づいたのは結果としていつも手元に残しておこうとなるのは歴史絡みの本ばかり、ということ。結局、過去の経験や事例に勝るものはなかなかないということなんだろう。過去を見て未来を考えるという意味でも、そういう読書傾向になってるんだろうな、とは思う。事実江戸時代界隈をテーマにした書籍から現代に敷衍できる内容の部分は実感として非常に大きい。

『武士の評判記―『よしの冊子』にみる江戸役人の通信簿 (新人物ブックス)』

これなども松平定信前後の老中の勤務評定の記録から起こした内容なので、すこぶる面白い。江戸時代ってビジュアルや学校教育の方向性もあって西洋の近現代に比べ遅れた社会的なイメージが付きやすいが、こういう公的記録や人事の記録がきちっと残っていると、それはほんと単なるイメージにしかすぎないというのがよくわかる。決して遅れた社会ではないよ、単にベクトルが違っていただけだと思う。

『新装版 市塵(上) (講談社文庫)』

『新装版 市塵(下) (講談社文庫)』

藤沢周平による新井白石を主役とした作品。白石は昔読んだ「マンガ日本の歴史」的なヤツのせいであまりいいイメージなかったんだけど本書で大きくそのイメージは変わった。腹痛のハンディキャップを抱えながら政権中枢を担った優秀な知識人官僚という感じで、こういう作品ができるのも自著の「折りたく柴の記」とかがちゃんと残っていたからだろうな。一茶といい、藤沢周平の取り上げる実在の人物の作品はけっこう報われない感じの晩年というのが、人生のリアルさを感じさせられる。

『伊賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)』

セールになってたので山田風太郎未読のものをということで。いや、相変わらずアホな話ですわw内容的にはエログロなんだけど、描写そのものはあまりエログロにならないという山田風太郎の不思議さよ。



『雀蜂 (角川ホラー文庫)』

『黒い家』とかでホラー作家として認識している貴志祐介氏だが、なんかアニメになってる作品もあるようで意外と幅広い作家さんなのかねえ。これはアイディア一発な感じの短編ホラー。こういうアイディアモノは嫌いじゃない。スパッと短いというのもよい。

『夢魔城』

こちらはベテラン川又先生の・・・だいぶ前の作品かな?これも確かセールだったので。まあよくある夢世界の現実への浸食といった感じの逸品だが、舞台の中心を欧州の古城にし、シュルレアリスムばりの描写で物語中心のギミック部分をビビッドに描き切ったのはさすがな感じ。こういう森の街道を抜けてたどり着く欧州の古城というのはなんかもうシチュエーションだけで妄想上の旅情をくすぐりますなw


以上とりあえず殴り書き。後日、誤字脱字含めて修正はするかも。




※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正、リンク画像の関係から一部構成を変更

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