ガンダムUC FILM&LIVE the FINAL “A mon seul désir”/パシフィコ横浜 国立大ホール

標準

サントラを生オーケストラのライブで、という企画で行ってみたいなと思う作品が偶然続いたということもあるが、自分の中で生オケに対する熱があるうちに・・・と行ってきた@みなとみらいパシフィコ横浜 国立大ホール。

Film_and_Live

公式サイト
http://www.gundam-unicorn.net/spinfo/filmlive2014.html



みなとみらいは初めてだったが、さすがはウォーターフロント。おしゃれな景観・立地で、湾岸らしくやはり建物がでかい。みなとみらい線から地上へ抜けて、デッキを渡ると見えてくるパシフィコ横浜、会場となるその国立大ホールも外見から一目でその大きさがわかる。

そしてそこへ向かう”服装の彩度が低い皆様”の流れで一発で入り口がわかるという(泣)。

本コンサートは当初1回公演と聞いていたが、好評だったのか急きょ追加公演で昼の部が追加された模様。
自分は早めに申し込んだので、夜の部18時開場の回で。

開場15分ほど前にはつくようにしていたんだがもうすでに場内いっぱい。やはりグッズ販売があったから?
例によってパンフレットはほしいなと思っていたので、専用の列に並んでみたがなんと直前で売り切れ。
指定席のイベントなのに十分に数を用意してなかったのかな?と疑問に思うが、あとでそのおおよその理由がわかる。

客層は老若男女さまざまだが、やはり圧倒的にいイケてない感じの皆様が多い。(含む自分
それでも若い女性や、カップル連れがほどほどいたのが少し救いか―カップルはけっこうご年配の方が多かったのはおもしろかった。
帰りにはおかあさんにつれられた小学校くらいの男の子も見かけた。
(いい思い出になってくれるといいな)

時間前だが、既に開場しているようなので入場、会場でかい・・・!!

あとでしらべると収容人数5000弱の会場らしい。だから指定席のコンサートにもかかわらずパンフレット余裕持って刷るわけにもいかなかったんだろうな、確かにリスク大きすぎるわ。
前述のように追加公演も出ていたことを考えると、一万人弱ですよ、い・ち・ま・ん・に・ん!?

今回見に来た理由の一つに、先月見たまどかのオーケストラコンサートと比較したいというのがあったんだが、こら比較にならんわ―いろんな意味で動いているお金の額面が文字通り桁一つ二つ違うと思う、たぶん(汗)。

しかしそれは、これだけの人数・・・それも前述のように世間的にはネガティブイメージで捉えられそうな、いわゆる一昔前の「ヲタク」的な人種が潜在的にいて、これだけの可処分所得を握っているということの証明でもあるんだよなあ・・・。最近のいわゆるオタク文化的なものの世間への浸透で、このあたりの客層のイメージもオープンかつおしゃれになってきたのかなと思っていたんだが、それって実は一部だけだったんだなと痛感―ちょっと複雑な気分だった。

気を取り直してライブ本編について。

まず目に入るのがステージ中央のスクリーン。貴婦人と一角獣のタペストリーのイメージが映し出され、そのスクリーンをユニコーンとバンシィのホーンを模したオブジェが囲む。

ステージ中央よりやや下手寄りにピアノ、そこからステージ中央へドラムほか先日のUnChildライブ時と同じメンツと思しきバンドパートの席が並ぶ。その背後に左手から弦(バイオリン?)、管(ホルンほか)、弦(チェロとか大物?)という感じで並んでいたのかな。(ほぼ一階最後列だったので正確な目視確認できず)

ライブは生オケではあるがPA通しての音のようで、サウンドの再現性は抜群でまったく文句なし。
最後列ステージを正面に見て右手奥の席だったが、その位置でも非常によく聞こえてバランスもよい。これはPA入れてきちんとミキシングしているから故の恩恵だろう。

そこからもわかるように本編でも生演奏オンリーというわけではなく、ステージ中央のスクリーンに作中の名場面を流しながらところどころでそれに合わせて普通にサウンドトラックを流していた。

このあたりは、まどかのオーケストラコンサートとは違い、オケが主役・・・というわけではなく、まさにFilm&Liveということなのだろう。なので一見似たように見えて両者は本質的に異なる。

つまり本公演は映像があるということが大前提のコンサート
このあたりはもっと生オケ的な要素を期待していた自分のような人間としては少し残念ではあった。
(ただ、まわりのほかの観客の皆さんの反応を見ていると、こういうバランスで満足されている方のほうが圧倒的に多かったようだ)

ステージ進行の構成としては、EP1~3を前半⇒メインキャスト陣のトークショー⇒EP4以降を後半戦で、という構成。

上述のようにサウンド面ではちょっと自分が期待していたものとはズレていたんだけども、しかしそれを吹っ飛ばしてくれたのが一曲目のAimer嬢による『Star Ring Child』!

先日のUnChildのLiveでも生は聴いていたんだが、今回はたぶん既発の音源含めておそらく最高・渾身のテイクだったのではないか。

今回はアドリブでのスキャットも入り、なによりボーカルが鬼気迫る感じ。たぶん彼女なりの作品への恩返しというか御礼の意味だったんだろうな、自分にはそう感じられた。
正直「あ、これ聴けただけでも来た甲斐あったわ」と感じた。

そのあとは前述のようにEP3までの名場面を上映しながらオケの生演奏が進む。
そのなかで劇中挿入歌の小林未郁、Cyuaご両名の生歌も聴けた。

実は今回来た理由の一つは小林未郁嬢の生歌を聴きたいということもあった。
いやー、これもある程度予想はしていたんだがそれを越えて素晴らしかった。

番付・・・ではないが本公演での扱いは単独でメジャー契約を持っている、ということでボーカルの中ではAimer嬢が筆頭で記載されているが(アルファベット順じゃないよな?たぶん)、劇伴中のバックコーラスなど含めここまでボーカル的な面の屋台骨を支えていたのは間違いなくこの小林嬢だろう。だからあえてAimer嬢をオープニングとアンコールのみで本編から切り離し、本編は小林・Cyuaご両名に任せた、ということかもしれない。

また個人的にはこのお三方を単純に”音”としてそのそれぞれの個性でみると、ちゃんと役割分担出来ているように思う。

終演後にもツイートしたが、正統派でかつパワフルな小林嬢=グランドピアノ、パワーではやや劣るが清涼感のあるCyua嬢=キーボード、そしていちばんクセがある(=存在感のある)Aimer嬢=Moogシンセのぶっといリード・・・的なイメージを個人的には思い浮かべた。

なんにせよこういう聴き比べが出来る機会はなかなか貴重だったので、この聞き比べが出来たことが、実は自分にとっていちばんの収穫だったかもしれない(笑)。

※自分は登場された三者三様でみなさんそれぞれ素晴らしいと感じたので、それぞれの扱いの違いを古参のファンとかがヘンに騒がなければよいなあ・・・と、なんとなく姑の嫁いびりを心配する近所のおばちゃん状態だったのはヒミツだw

続いてトーク部分について。

最初のMCは前半、小林嬢の紹介からの流れで澤野氏が。
先日のライブでも仰ってたが、もともとMC苦手ということで仏語の公演サブタイトルを忘れるなどけっこうなげっぱなしジャーマン気味なMCwけど個人的にはこの澤野氏のMCスタイルはけっこう好きだったりする(笑)。

その後、前半終えてゲストを交えての本格的なトークショー部分は、別途司会の方が入る。
(このあたり通しで司会は入られた方がよかったような気はしないでもない)

ここはキャスト・スタッフ陣にお気に入りの一曲聞くなどでとくに特筆すべきこともなく、されど和気あいあいと進行。前述の澤野氏のトーンが影響しているのか、元々そういうノリなのか、皆さんけっこうくだけた感じで楽しいステージだった
(福井氏の限定版ジュアッグ買ってやってくださいとRE:IAMと上野公園の西郷さんの話も会場がわく)

個人的には池田秀一氏の生声聴けたのはいい記念になった。
トークでの声を聴くと御歳相応な感じがするのに、本編ではあれだけすごい演技を維持されているというのはホントに凄いな、と。

続いて後半戦。
後半もフィルムに合わせての演奏、小林・Cyuaご両名の唄などがエピソードに合わせて進む。
ただ後半の入りがリディのパートから入ったせいか、一部EP7の映像も出てきて構成的にやや混乱した。(お、もうEP7?と思ったらまだEP4部分だったり)
その辺りの混乱を抜けた後は、ステージ上の映像と演奏を純粋に楽しめた。
後半は心なしか前半に比べて映像パート控え目で、そのぶん奏者側の映像をスクリーンに映していたような印象。あるいは観客の没入感高まったステージ終盤のほうにそういう映像出すようにしていたのかも。
(このあたり前半もそういう傾斜はつけていたかもしれない)

繰り返しになるが、本公演はほんと演奏についてはすごく再現度が高かった。
ただこれも繰り返しになるのだが、やはりPA入っているために生演奏ならではの音のダイナミズムはやや感じにくかったかも。コーラスなども生ではなく録音だったので、ブレは少ない分”生ならでは”の醍醐味は少なかったのは不可抗力か。そうはいってもやはり大きな会場で、大きな音で、オーケストラの音を聴けるというのは素晴らしいモンだ。

(以下以前の公演の映像―参考例として)

本公演はおそらく4枚目のサントラ(EP7用新規+既発のベスト的一枚)を中心に組まれていたようだが、そのこと+作品完結ということもあってか、この後半戦の終盤にEP7=作品クライマックス部分の映像をバックに、ミネバ役藤村さんの朗読があった。

映像はミネバが地球圏へ向かって演説をしながら、ボロボロになったユニコーンをその手で愛おしそうに包み込むあのシーンだ。作中では演説が流れているわけだが、その時のミネバの心中をこの朗読劇にて。

ここは原作該当部分からなのか、このための書き下ろしなのかはわからないがすごく良い演出で、本編を強力に補完する一編となった
(自分がたらたらと書いた解釈があながち間違ってなかったのが裏付けられたようでけっこううれしかったな)

そして最後の曲である流星のナミダのオーケストラVerを演奏し終え、本編は終了。

スクリーンにはこの作品に関わった全てのスタッフが、公平にあいうえお順で列記されるスタッフロールが延々と流れる(富野監督ですらも一スタッフの列の中に公平にあるというのは良い演出だったと思う)。この全スタッフが表記されるという演出で、ほんとうにこのガンダムUCという作品がこれで終わりなんだな、というのが感じられてなかなか感慨深かった。当然エンドロール中、ずっと静かで力強い拍手が続く。

そしてエンドロールが流れ切り、本編が終了。拍手は鳴りやまず当然アンコールが。

ステージに澤野バンドの面々のみ戻り、ここで再度Aimer嬢が登場。
激しい照明とともにUnChildからBloodyFateを。バンドアレンジ+激しいライティング=ここは完全にUnChild Liveの再現だ。

そして間髪いれずに〆のRE:IAMを全力で。

作品そのもののファンの方からは賛否が分かれるかもしれないこのアンコールだが、UnChildライブに大満足だった自分としては、もう一度短いセットとはいえ、このメンバーの”Live”が見れたのはホント最高だった。

ただ何気につらかったのはこういうノリノリの曲で頭振れる会場じゃなかったということかな(笑)。
(これはOPのStarRingChildの時もそうだった、ぐぬぅぅぅぅ!?みたいなw)

最後は澤野氏・Aimerと澤野バンドのメンバーで手をつないで客席へ深々と一礼。

本作品の最初から付き合ってこられた古参のファンの方には申し訳なかったが、ここ一月ほど最後のお祭りだけとはいえ、つき合わせて頂いてすごく楽しかった。

まあここまで勢いつけて終わると、この先も何かしらのアクションはあり得るかと思うが(事実サントラのベスト盤は出る模様)、これにてまずは一区切り・・・。
さびしくもあるが、この作品で素晴らしいスタッフ・アーティストをたくさん知ったので、自分としてはその方々の今後にこれからも注目していきたいと思う。

ということで本作品の最後を飾るにふさわしい、なかなか充実したコンサートだった。
澤野氏を筆頭に、本作の重要な要素の一つであった音楽パートのスタッフの皆様に御礼を。
本当に素晴らしい音楽をありがとうございました。





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