月極レンタルで。子供のころはホラー怖い人だったんだが、おっさんになるとなんちゅうかB級テイストの軽くホラーとかSF要素入ってる作品嫌いじゃなくなったので時々みるのですな。これは以前映画館で予告見た時に気になったので借りてみた。
売り上げランキング: 89,350
で、ホラーではあるんだけどイギリス舞台の作品なのであまり下品な感じがせず、なにげに品のいい感じの一本だった。
舞台はイギリス・ワイト島の中に立っている病院の小児病棟。この病院は歴史ある病院だが施設閉鎖のために引っ越し作業の真っ最中。そこへ心労で退職した前任者の代わりに主人公のエイミーが臨時雇いで赴任してくるが・・・。
彼女の担当するのは小児病棟。問題児とされる少女マギーにシンパシーを感じるエイミー。そこでは夜な夜な怪異が起きているのだが「見える」子供たちにたいして大人たちは常識的に判断しようとする。怪異に気付くエイミーだったが彼女自身が以前の職務上のミスを起こして以降精神安定剤を服用しているため誰にも信じてもらえない。そして問題は子供たちのまわりのみで起こる。あるとき一足先に転院になった少年とエレベーターに乗るとエレベーターは1階に下りるはずが閉鎖されたはずの2階へあがっていき、あげくにリフトが途中まで落下。エイミーと少年は助け出されるが少年の脚が不可解に骨折するなどどうかんがえても超常的なことが起きる。「シャーロットという子が居るのよ」というマギーと共に原因を探ろうとするが、その頃休職していた前任者は不可解な事故死を遂げていた・・・。
イマジナリーコンパニオンとか子供たちには確かに見えないお友だちがいるというのはあるが、大人たちのそんな解釈そっちのけにここのは子供たちを骨折させたりと明らかにパワー系の別モノ。
で、結局その正体は病院の昔のある事件に関係がありその正体を探っていく感じでストーリーが進んでいくのだが、オチにもいちおう一ひねりがかけてあり、かつ怖がらせるだけのストーリーラインではなく、主人公エイミーの挫折の体験が問題を解決させようとする原動力となっているところなど説得力のある筋書き。
結果エイミーの挫折と再生が物語の裏のテーマとなっておりなかなか小奇麗にまとまっている佳作という印象の一本だった。
これは知らずに見たんだけど主演のエイミー役・キャリスタ・フロックハートはハリソン・フォードの現奥様なんだね。このひとが非常に知性と清潔感ある感じでいいキャスティングだったと思う。
小児病棟ということでもう少し子供世界ならではの演出をとれたのではと思わなくもないが、原題が『FRAGILE』とあるのでそこはあまりポイントではなく、エイミーと少女マギーの疑似的な母子の姿というか友情・信頼というところのほうが作品としては重点を置いたところだったんだろう。それはそれで正解だと思う。
この手の作品の通例どおり特に思いっきり深みがある作品というわけではないが、そういう中にあってちゃんと普遍的な人間ドラマを描こうとしていて一つ頭抜けて入ると思う。B級ホラー以上A級作品まではいかないという絶妙のバランスと言えるか。(この程度が見ていて肩に力入らなくていいし、観終わった後脱力しなくてもいいw)
若干不満があるとすれば、「怨霊は怨霊でそこに勧善懲悪はない」系というかラストが若干報われなく感じる部分があること。やっぱりああいう身勝手な悪霊はちゃんとぼっこぼこにしてやってほしいなあというかw
しかし上述のように、本作があくまでも主人公エイミーの挫折と再生の物語とするなら、それはそれできれいにまとまってはいるのだ。なのでこれはこれでありなのだろう。
ということで意外としっかりまとまった佳作といっていいと思う。
興味のある方はどうぞ。すくなくとも見てる時間が無駄になるタイプの作品ではないと思う。
売り上げランキング: 89,350