UnChild Live/SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer@Zepp tokyo 2014/06/01

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ガンダムUC完結―その一連の中の動きとしてのLiveだが、正直それだけでくくってしまうには非常におしい、そう思える非常に素晴らしいライブだった。
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ガンダムUCのサウンドトラックを担当した澤野弘之によるボーカルプロジェクト。同じく同作品のEP6,EP7の主題歌を担当したAimerをボーカルに迎え”UnChild”というプロジェクト名=同名義のアルバムに先行してお台場ZeppTokyoにて本ユニットによる初ライブ。(厳密には先行した大阪BIGCATでの同ライブが本ユニットによる”初ライブ”となる)


※文中の曲名・曲順はあやふやな記憶をたよりに書いていますので、その点ご了承の上ご覧いただけると幸いです。

実は今回が初ZeppTokyoだったんだが、木場のStudioCoast的な湾岸エリア独特のハコといってよいか。

非常にきれいな施設だったんだが、客誘導がかなり下手な部類に入り、正直ストレス感じるレベル。
(あとこの手の入場先着順の自由席のライブでの1ドリンクてどうにかならんのかね、場所取り考えると一杯ひっかけてから気分よく聴くというのがある種絶望的に不可なんだが)

なんとか入場するとオールスタンディングの1階(キャパ2400前後とのこと)はほぼ満員。
(事実チケットはsoldout)
そして正面ステージ中央のスクリーンにはガンダムUCのロゴ投影。
そういうこともあってか客層は老若男女と幅広い。女性客が意外なほど多かったのはAimer嬢のファン・・・というだけでもなさそう。(澤野氏のファンもけっこういそうだ)
全体的に小柄で地味な感じの方が多かったがみなさんちゃんと小奇麗で清潔感ある。(自分が比較的よく行くうるさい系のライブでの”完全武装”的なお姉さま方はさすがにあまりいなかったw)
野郎どもはピンキリwしかし全体的にもさっとしたオタク系優勢、人のことは言えんよね。毎回こういう系のライブくると「もう少し身だしなみ気をつけよう」と反省する。(苦笑)
残念ながら場内は開演前も撮影禁止。カメラは複数台入ってるので何らかの形でメディア化が予定されているのかもしれない。

そんなこんなで10分押しで開演。
UCの名場面的なカット(セリフ・SE付)から楽曲イントロSEへとつなぎ(ここで幕越しに奏者側シルエットだけ見える演出)ギターリフとともに幕が落ちStarRingChildでスタート!

本ライブはUCのサントラ曲をベースにしてはいるが、ボーカル曲として新規アレンジされているので観客側ほぼ初見と思われる。それでもぐいぐいと聴かせるのは澤野氏の楽曲の良さ+Aimer嬢の歌唱力ならではといっていいだろう。バックバンドもなにげに鉄板の安定感で巧さを感じる。

曲に関しては原曲がサントラ=BGMとしてのアレンジであるのに対し、歌モノ=バンド・バージョンとなっているため、そのリズムアレンジの良さ(裏打ちのリズムの心地よさ)+打ち込みのセンス+金属系上モノの使い方等々、澤野氏のもっている強みの部分がより一層発揮されていた。当然ながら生モノ(ギターの方がチェロ随時持ちかえ+バイオリン1枚固定あり)でも素晴らしい演奏。

そしてそういったエッジの効いた楽曲に対してAimer嬢の肉感的+独特のハスキーボイスが乗るわけで、これは双方が双方の魅力を補完するというある意味理想的な組み合わせのように思う。

冒頭で”ガンダム”ということだけでくくってしまうのは非常に惜しいと書いたのは、決してガンダムというコンテンツを貶めて書いているわけではなく、そういったことで色眼鏡をかけて最初からはじいてしまうであろう一般層の中にも、確実にここで生み出されていた音を必要としている人は大勢いる、直感的にそう思ったからだ。

そして上記理想的な組み合わせと書いたが、そのもう一つの理由は澤野氏とAimer嬢のMC的な部分のコントラストが非常に絶妙のバランスで、とにかく楽しいステージだったのだ。

ひょうひょうとしてすっとボケた感じでしゃべり倒す澤野氏に対し(「モバイルスイーツ」⇒「デザート」のくだりは会場大爆笑ですよ)、都度都度ふかくふかく客席へと頭を下げる寡黙な感じのAimer嬢というのがなんかもうすごく良い組み合わせで。正直もうパーマネントなバンドにしちゃえばよくね?と思うぐらい。(笑)

Aimer嬢は広義での”アニメ”のコンサートということである意味アウェーということもあったんだろうが、それ抜きにしてもものすごく慎ましい性格の方のようにお見受けした。
なんか今回のライブでますますファンになってしまったな。

そしてそういった楽しいMCをはさみつつ、上記動画にあるように今月末リリースの本プロジェクトでのフルアルバム収録曲をほぼやったのかな?

本編最後はたしかRE:IAM英詞版で〆。
そら当然のごとくアンコールの拍手鳴りやみませんわな!?

それに急かされるようにかなり早いピッチでのアンコール、一発目なんと井上大輔のかの名曲『ビギニング』ですよ!?うわー!?
そこからたしか続けてUC最初の主題歌『流星のナミダ』もカバー!?
(オリジナルのボーカルは栗山千秋様w)

ここでもうお腹いっぱいなんだがMCはさんでなんか聞いたことある感じのイントロが・・・。
うわ!?TMNっすか、BeyondTheTimeっすか!?サービス精神旺盛すぎやろ・・・。

ただこのセクション、ガンダムファン向けへのサービスということで、非常にサービス精神にあふれた選曲ですごく好感はもてたんだが、正直これぐらいの才能のあるお二人でやるにはすこし後ろ向き過ぎて、若干もったいないように感じた。

ほんと、その気持ちはうれしいけど、いいんだよ、そこまでサービスしてくれなくても(感涙)。
それよりももっと聞かせてよ、新しい、この二人ならではの音をもっと!

そう言いたくなるぐらい音楽的に魅力あるユニットだったのだ、この組み合わせは。
こちらのそういった気持を見透かしたかのように、(自分の記憶が間違えなければ)ここの最後はStarRingChildの英詞版を本編オープニングと対になるかのように演奏して一旦〆。

しかしありますわな残ってる曲が?ということで二度目のアンコール!
きましたー!?生RE:IAMバンドバージョン(オリジナルの日本語歌詞バージョン)

いやー、ここでさらにAimer嬢の歌唱力というのがよくわかる。

ギター2本+Key+ドラム+ベース+バイオリンの6枚貼ってるバックに全然負けてません!すげー!
ご存知のようにRE:IAMは冒頭のアクセルベタ踏み感が気持ち良い曲なので、ここでフルパワー出せるか出せないか―曲のとっぱなで出来不出来が一発でわかってしまうわけで。

いやー、満足感凄かった。

自分の視界の前のほうに、おそらくお父さんに連れてきてもらっていたであろう小学生ぐらいのお嬢ちゃんがいたんだけども、この最後の曲でぐわー!?っと喰いついてましたな。
名曲は世代を超える。

そして最後はバックを拍手で送り出した後、澤野+Aimerご両人で客席へ一礼。

いやー、すごく満足感のある、「見といてよかったー!」「楽しかったー!」といえるライブだった。
近年なかなかここまで満足感のあるライブできるユニットって少ないんじゃないかな。

ええ、そらもちろん帰ってから速攻でアルバムamazonでぽちっとなしましたよ!?
やってくれー、もういっぺんライブやってくれー!?

間違いなく見に行く、絶対見に行く。

※ただ若干惜しむらくは、先ほどの”ガンダム”とついていることについてに通づると思うんだが、客席がやはりやってる音楽に対してあまり慣れてない=見た目あまりノリがよくないんだな。そこだけがなんか客側として演者側に申し訳なかった。

なのでぜひ”ガンダム”をはずして、暴れてくれる客も来れる感じで、今後も継続して活動して頂ければなあと思う。

繰り返しになるが、ここで鳴っていた音を必要としているひとは思っているよりも、もっともっとたくさんいると思うので。

UnChild 【通常盤】
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SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
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