【レビュー】『シドニアの騎士 14巻』弐瓶 勉

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5巻目ぐらいまでにあったあの暗くて重いシドニアが久々に戻ってきた。物語の核心に近づきつつあるのか。

『シドニアの騎士(14) (アフタヌーンコミックス)』



融合個体二号機を乗っ取っとり一体化した落合。その周到なシドニア指揮所への浸透工作の前に小林艦長が撃たれる。技術班・丹波のおやっさんたちの機転で一時的に二号機は退けられるが、発動した大シュガフ船との決戦のための作戦は止められない。昏倒した谷風をシドニアに残し、切り札となる重力子放射線射出装置を稼働させるため、恒星レム軌道上に投入した半自律式回転機構を確保するべく大量動員された水城型艦艇による攻撃艦隊が出撃してゆくが、そこにはこれまで以上に膨大な数のガウナが―。

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KANO 1931海の向こうの甲子園/馬志翔 監督

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昨年、台湾での上映時から気になっていた映画だった。尺が長いのですぐ観に行けなかったんだが先日念願かなって見てきたのでレビューしておく。

1920年代末、日本統治時代の台湾。その時代の台湾の弱小チームであった嘉義農林野球部は、毎日泥だらけのマウンドでちゃんとした指導者もなく遊びと区別もつかないような練習をただ繰り返すだけだった。そこへ内地での甲子園出場経験があるという近藤兵太郎(永瀬正敏)が監督に就任する。スパルタではあるが真摯なその指導の下で、部員たちはいつしかほんとうに甲子園出場を目指すようになる―。実話をもとに脚色を加えた、台湾と日本が共に歩んでいたある時代の物語―。

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【レビュー】『ダンジョン飯 1巻』九井 諒子

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各方面で評判になっていたので読んでみた。その評にたがわずすこぶる面白かった。

『ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)』



冒険者・ライオスたちの一行はダンジョンの深奥、ドラゴンと戦っていたがパーティは徐々に劣勢に追い込まれ、ライオスの妹のファリンはドラゴンに飲み込まれてしまう。ファリンの最期の魔法でダンジョンを脱出した一行だが脱落者が出てしまい、装備はダンジョンの中、おまけに腹は減る―しかし残ったエルフの魔法使いマルシル、鍵師のチルチャックたちとライオスは再びダンジョンに向かう。そして先立つものがすっからかんの一行の空腹を満たすのはライオス愛読の『迷宮グルメガイド』頼りとなるのだった・・・。

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『新撰組血風録』『燃えよ剣』/司馬遼太郎

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司馬遼太郎の幕末以降のものは意識的に読まずにいたのだが、ちょっと考えるところもあって読んでみた。
まあほんで幕末といえばここからですわな、ということで新撰組関連のものを。

新選組血風録 (角川文庫)
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澤野弘之 BEST OF VOCAL WORKS[nZk]

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劇伴作家・澤野氏のもうひとつの側面であるボーカル作品に絞ったベスト。こういうまとまった形でリリースされたのは素直にうれしい。

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沈黙/遠藤周作

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ハリウッドで映画化が進行中のようだが、某女優さん監督のとんちんかん映画に絡んでネトウヨな皆様が「すわ、また反日か!?」と騒いでらっしゃったのでwikiを確認してみると非常に興味深いストーリー。
そういった外野の雑音に惑わされない+映像化されたときに真贋確かめられればと思い、さっそく読んでみた。

沈黙 (新潮文庫)
沈黙 (新潮文庫)

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遠藤 周作
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かつて自分が師事していた慈愛深きフェレイラ師が”転んだ―”その信じられない一報を聞き、ポルトガルの司祭・ロドリゴは鎖国・禁教へと急激に舵を切る島原の乱直後の日本への渡航を決意する。厳しい航海を経て日本に潜入したロドリゴたちであったが、苦しい潜伏生活の果てについに捕まってしまう。拷問の末の処刑を覚悟し、そこにイエスと同じ道をたどるという一抹の恍惚を頼りに護送されていく彼を待っていたのは、いまや沢野忠庵と名乗るかつての師、クリストヴァン・フェレイラ教父であった―。

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