5巻目ぐらいまでにあったあの暗くて重いシドニアが久々に戻ってきた。物語の核心に近づきつつあるのか。
『シドニアの騎士(14) (アフタヌーンコミックス)』
融合個体二号機を乗っ取っとり一体化した落合。その周到なシドニア指揮所への浸透工作の前に小林艦長が撃たれる。技術班・丹波のおやっさんたちの機転で一時的に二号機は退けられるが、発動した大シュガフ船との決戦のための作戦は止められない。昏倒した谷風をシドニアに残し、切り札となる重力子放射線射出装置を稼働させるため、恒星レム軌道上に投入した半自律式回転機構を確保するべく大量動員された水城型艦艇による攻撃艦隊が出撃してゆくが、そこにはこれまで以上に膨大な数のガウナが―。
今巻はここ数巻続いていたゆるめのお気楽系シーケンスがめずらしくほとんど見当たらない巻である。
まあそれも作中でいちばんヤバい系のキャラクターである落合が、巨大な融合個体として復活してきているのでそれも当然と言えば当然か。そしてシドニアは大シュガフ船の主本体が続々とガウナの本体を作り続けることが分かっている以上、それを阻止するための作戦を早急に実施せざるを得ない。つまりふたつの敵を抱える二面作戦に追い込まれているわけだ。
しかしそんな中、前巻でコクピットに仕掛けられたトラップのため肝心の谷風は昏睡、大シュガフ船攻撃艦隊への参加が間に合わない。加えて小林館長も撃たれるという状況。
そしてなによりもびっくりなのは谷風グルーピーまさかの最後の大物は小林艦長・・・なのか!?こりゃびっくり。
(まあ艦長の場合は谷風自身というよりも斉藤に対して・・・という事かと思うが)
そんなシドニア本船に対して、前線の攻撃艦隊は想像以上に膨大な―次から次へと繰り出されるガウナの数の前に第2艦隊が全滅、つむぎも不明。艦隊を屠ったガウナは第一艦隊にも向かう。救援を出そうにもシドニア本船を遠隔から狙う融合個体・落合、至近距離にはガウナのシュガフ船6隻が迫る強制二択―。
復帰した谷風を新型二零式で守備に回すか、根源である大シュガフ船の撃破作戦に回すか―そこへなんともうひとり復活したあの人物が継衛改二に、という胸アツ展開!
いやー今巻で一気に状況動いたけれどもこれはあれか?いよいよ終幕へ向けての舵を切ったという事なんだろうか?ここまでがややゆるゆるの展開だったので(それはそれできらいではなかったのだが)この急展開は、「巻き」に入った感バリバリである。
こんなところで以降、次巻!て引っ張られましても~!?(泣)
これは掲載誌に手を出させようというわけですね、わかります。
まんまとその手に乗ってしまいそうだー!?あうあう。