基本的に下ネタはあんまり評価することないんだが、これは素直に面白かったので購入(笑)。
『クルミくん NO FUTURE (IKKI COMIX)』
ふつうの学生にみえる伊丹未来(クルミ)、じつはある研究施設から逃げ出してきた予知能力者だった。同じ授業をとっているかわいくて性格のいい栗ちゃんとも仲良くなれそうだが、彼には組織からの追っ手が迫っていた。あたえられた予知能力で未来はわかるのだが、なんとその発動条件というのが・・・・・。
著者のKnots氏は、元々はボカロPとして著名・・・というかそれを抜きにしてもミュージシャンとしてかなりの才能を持った方なのだが、こういったコミックのほうの才能も溢れていたようだ。
それは氏の数々の名曲のPVを見てもらえばわかると思うが、やはり根本的にストーリ的なものに対する演出力の勘がすばらしいということなのだろう。
し・か・し・w
いやー、こういったマンガのほうでのデビューも商業誌での連載という話が出たときから見えてはいたと思うが、よりによって射○で未来予知する主人公ですか(笑)。
それが初単行本(笑)。
なんて素晴らしいんだ(笑)。
とはいえ、先にあげたように、下ネタは基本的に評価しない自分がなぜ本作を手に取ったかというと(著者の音楽が素晴らしくてファンだったというのもあるが)、単純にマンガとしての落とし方がちゃんとおもしろいのだ。
これは、たまたまベースになっているのが下ネタだが、要はキャラクターの設定がちゃんと活かされていて、登場人物全員がはっきりと、いわゆる”キャラ立ち”をしているということに尽きると思う。
そして、そのキャラクター性をきちっと使った物語とオチ。
4コママンガであるのに、独りよがりでなくきちっと落としていて、絵柄とあらすじから想像してしまいそうな、オチもわらいもあいまいな単純なほのぼの系マンガではない。
ちゃんとメリハリがきいているのである。
こんなかんじですw(参考画像)
実はpixivで発表されている頃から読んでいて、自主盤のCDを買う際に手に入れた同人版の本作も手元に持っていたりする(笑)。
ちょっとタイムボカンとかあのあたりを思い出したりもする良作だといっていいと思う。
本作はいちおう単行本一冊で完結、ということらしいが、別の作品が掲載誌で続いているらしいので、いずれまたまとまった形で新作が読める時もくるだろう。
ただ、唯一の心配はこちらも素晴らしい音楽のほうがどうなるのかな、ということぐらいか。
機会があれば手にとってパラパラっと眺めてみるのをオススメする。
ちょっとした息抜きにクスッと笑うにはもってこいの作品だ。
ただ、店頭で内容を知っている人と目があうと若干は気まずいかもしれない(苦笑)。
※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正