LUPIN the Third -峰不二子という女-

標準

TVでアニメのシリーズ視聴なんぞここウン年まともにしたことがないんだが、まどマギで少し反省したので―というかwebで追っかけ視聴できたから見てみたんですけど。(苦笑)

LUPIN the Third -峰不二子という女-



もともと先行トレーラでのビジュアルと、監督が女性であること、そしてルパンシリーズなのにルパン以外が主役、ということで気にはなっていた。

で、ネットでの反応もよさそうなところにyahooで広告があって、Gyaoでシリーズ途中まで期間限定視聴可能とのことで一気見→残りの視聴不可分を日テレオンデマンドの無料再放送で。

とある新興宗教教団で教団の財宝を狙い、教祖の愛人として潜入した峰不二子は、信者洗脳のため密かに使われている新型麻薬、そして度重なる事件の度に登場するふくろうのマスクをした謎の集団の足跡を結果的に追うこととなった。そしてそれは、封印していた自身の”過去”をたどることでもあった―。

ルパン三世シリーズアニメ化40周年記念作品。


本作の最大の特徴は、昨今の”ご家庭向け”ルパンではなく、原作に近いアダルトなピカレスクもの、それも峰不二子を主役にかなりセクシー描写も踏み込んだシリーズであるということ。

いわゆる1stルパンのカラーに近い、アダルト路線―”大人のルパン”だ。

(R12とか15かねえ、一応・・・)

個人的に見てみようか、という気になったのも、まずはそのデザインと色彩設計。

ここ数年のいわゆる”アニメ”の派手な色使いでなく、ダークトーンで、かつ影をラフで荒い線で入れるなど、いわゆる劇画やカートゥン的な画作り―こういう力強い画面を久々に見れたのは楽しかった。

加えて音楽もすこぶる良い。

全体的に1stシリーズの世界観に近いだけあって、’60年代?の映画の雰囲気があり、背景の細かい美術や設定等も、いわゆる”アニメだけ見て育った”人材では作りえない―意外と教養が必要とされるモノが感じられて素晴らしい。
(オスカーという本シリーズ独自のキャラクターが出てくるが、おそらくオスカーワイルド=ドリアングレイの画像あたりが元ネタなんだろうな)

また、演出力も非常に割り切った―というか20分という本編の尺を意識したストイックかつ的確なそれで、物語の縦軸を絡めつつもほぼ全て一話完結というのもいい、アイキャッチも手間とセンスが感じられる。

で、非常に面白かったんだが、最終エピソードだけが前後編構成―ちょっとここが大ちゃぶ台返しで落ち作ったのだけがもったいなかった。

それでも最終話のエンディングの爽やかさで、視聴後の後味は悪くなかったんだが、そこまで引っ張ってきたネタをそれで落とすか~?というのは正直なところ。

ただし、前述のように美術や音楽、個々の演出力というのは平均が高いので、非常に良いシリーズではあったと思う。

少なくとも”ご家庭向け”ルパンよりははるかに見るだけの価値はあるだろう。
いや、最近のご家庭向けルパン知らんのだがw

主要キャストの声優も一部を除いて入れ替わっていたが、特に気にならなかった―というかこのシリーズでようやく新キャストも新キャストなりの”型”を手に入れたのかもしれない。

特に主演の二人は回を追うごとに良くなっていったのは素晴らしかった。

全体的に見た甲斐のあったシリーズだった。
まあ、冒頭にはっつけたこのOPみただけでそれなりのシリーズだな、というのは感じましたが。

こういう風に大人もみれるアニメというのはもっとニーズあるんじゃないかな。
そういう入り口をこのシリーズが開いてくれるのなら、いうことないんだが。

(ED。これもこれまでのシリーズ調の絵柄でやったら下品になってたのをうまく抑えてる。また曲が冒頭のサックスといい、アンニュイで感じでいい)



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LUPIN the Third -峰不二子という女-」への2件のフィードバック

  1. ルパンシリーズは子供の頃から結構好きでよく見てましたが、ルパンの声優さんが変わってからなんとなく見なくなってしまいました。絵柄も最近のやつは線がキレイ過ぎな感が。昔の斬新なラインが割と好きだったんですけど。この新しいシリーズは峰フジコっぽくはないけれど、面白そうですね。ちょっと話ずれますが、昔のアニメの実写版とか、最近ドラマで多いですが、峰フジコなら誰が適役かなあと思ったりします。

  2. niseikkyu

    コメントどもです。ドラえもんの声変わりしたのをまだ聞いたことがないですがなにか?(笑)
    峰不二子の実写・・・というか作者がインスパイアされた女優さんはいたらしいですね、名前失念しましたが。
    このシリーズはビジュアル設計がしっかりしてたので大人の鑑賞にも堪えうると思います、機会があれば是非。
    最近は尺も1クール(13本)ぐらいの作品のほうが無駄な要素殺がれていいの多い印象ですね。
    (『まどか☆マギカ』もそうでしたし)

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