【レビュー】『シドニアの騎士 6巻』

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本屋に行ったら出てました。
前巻の巻末では、かなり追い詰められていた感じの地球人側だが、巻頭にそのエピソードのクライマックスが来たせいか、意外とあっさり感が。

『シドニアの騎士(6) (アフタヌーンKC)』

ガウナ側コントロールによる小惑星ミサイルをなんとか阻止、紅天蛾・星白を、とどめまでは至らずも撃墜した谷風たち。しかし生還者は出撃者の10%・・・。エースのサマリさんもそのことでメンタル的に参ってしまう。そんな状況を打破すべく、復活した東亜重工へ十九式の量産指令が出る。しかしそんなシドニアに、レム恒星系へ向かった移民船を食い尽くしたガウナが―それはさらに人間側の戦術を学習し、高度化していた。サマリの代わりに、彼女の十九式で出撃する谷風だったが・・・。

短い巻数の割には、ご存知のように人がバンバン死ぬ作品なので、そのぶん登場人物たちの変化も意外とはやい。

ちょっとみててかわいそうなのが、纈(ゆはた)ちゃん。
指令補、という実質の作戦指揮官なので、登場当初のわがままな女の子から、ひとりどんどん大人になっていかざるを得ないところがなんとも。

また部下を大量に失い、自信を喪失するサマリさん、実年齢は五歳だという仄シリーズの姉妹たちも、そういう状況の中でどんどん変わって行っている。

そういう意味で変わらないのが谷風、イザナ他の主役級―というか変わらないから主役なのかもしれない。

また、落合が乗っ取った岐神の暗躍も着々と進み、本巻末ではついにその禁断の兵器が登場する。

ちょっとこれと標本の星白の関係性が気になるところではある。
また紅天蛾・星白といい、やはり本作、真のヒロインは星白か。
(ページ合せの余白のイラストもなんかこの娘だけ凝ってるような気もするしw)

また当初からのお約束のギャグシーンは、当然のことながら、減少気味。
それでもおにぎりへのこだわりは作者の意地か(笑)。

そういう意味では、仄姉妹と、目の前でいいかんじに和解するところを見せられて、しもぶくれてるイザナ君もかわいかった。

あと特筆すべきは、巻末に著者のウィーン旅行記が短く入っていた。
短いページでしたが、けっこう面白い。

『新装版 シドニアの騎士 (全7巻)』










※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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