【レビュー】『シドニアの騎士 12巻』弐瓶勉

標準

この春からアニメ化だそうだが、どうなんのかねえ。
うちはテレビないのであまり関係ないんですけど(苦笑)。

『シドニアの騎士(12) (アフタヌーンKC)』



試験航海とある荷物の運搬を兼ねて谷風をはじめとする中核メンバーのほぼ全員を乗せ、大型の新造艦「水城」が就航する。しかしやはりガウナとの接触は避けられず、増員された閃姉妹のひとり炒が捕まってしまう。その炒はガウナ内部の光景を見、なんとか脱出したにみえたが・・・。


ひさびさに本作当初の雰囲気を思い出させる暗いエピソードの収録されている巻である。
しかしそれは逆に言うと、物語の核心に一部触れているエピソードなわけで、ここでされている描写でガウナの本質がまた少し垣間見えたと言えるだろう。

基本的にそこを除けば、装備の向上と谷風たちパイロットの生還率が上がっていることで、以前ほど死体の山が築かれることはない、という傾向は継続している。
しかしそのぶん谷風が名実ともにエースかつ対ガウナの中心人物となってしまっているので、以前ほど彼のギャグエピソードは見られなくなっている。
が、その分は好漢・弦打氏がしっかり引き継いでいるようだ(笑)。

今回は久々に前述のように重いエピソードが中核となっているので、ここ数巻とカラーが違うようにもみえるが、実はそこをはずしてしまえば、あまり変わらない・・・というかクラスの人気投票(違)といいまくら投げ発言といい、これほとんど修学旅行巻やがなwそのせいか今回は何気に健康的なサービスカット多いです(笑)。もうイザナ君は完全に女の子だなあ・・・。

本作に限らず、ここのところ長く続いているコミック作品というのは、刊行間隔が短めになっているせいか、本作も分量的にそれに見合ったものになっており、サクッと読める。

ただそういうこともあるのか、以前からその傾向があった巻ごとで印象がけっこうかわるというか・区切られている感は相変わらずだ。
このあたり、制作側は意識的にやっておられるような気もするが、物語の奔流に流されたいという向きには、少し物足りなく感じるかも。

しかしそれが、ここ数巻のように比較的ライトなエピソードでシドニアという世界の景色というか空気をみせることがメインであるのなら、これもありかと思う。冒頭に書いたようにアニメ化もされる、ということでエピソード的にも余裕もたせておく必要もあるのかもしれない。
(ただ同梱のアニメ版の告知冊子見るとがっつり星白ヒロイン扱いなんだけど大丈夫か・・・アニメで初見の層はトラウマになるで!?)

あと最近、この人が何気にひとり異色の存在感を放っているのは気のせいかw

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『新装版 シドニアの騎士 (全7巻)』










※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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