谷風グルーピーの本命問題に決着ついた形になるのか?なんかすっきりしないけど(苦笑)。
『シドニアの騎士(13) (アフタヌーンKC)』
トラブルはあったものの恒星レムの表面へ半自律式転換機構の投入任務を終えた水城はシドニアへ無事帰還。そのシドニアでは新たな世代の操縦士たちが初陣を迎えていた。しかし初陣独特の気の猛りが原因で、目標としていたガウナに新操縦士のうちの一人が捕まってしまう。新型の操縦席殻のおかげで操縦士へのガウナの浸食はなんとか防ぐも脱出手段がない状態。そこへ谷風操る新型・継衛改二とつむぎが救出へと出撃する。
例によって巻頭で前巻エピソードのクライマックス部分消化⇒新エピソードへという構造は変わらず。
しかし今巻はひさびさに新人の衛士、新型機の登場や、整備の佐々木さんの新おしおき技・おっぱいホールド(笑)の登場など新要素多目。加えてしばらくうっちゃらかしにされていた「かなた」のエピソードなどで大きく物語全体が動いた巻といえるだろう。
なによりも最大の変化は、谷風の相手が誰になるのか?というところの一応の意思表示が描写されたところか。
ただ、この部分、正直ちょっと違和感あるのだな。
個人的にはイザナ君推しだったので、それが違和感の原因かと思っていたがどうもそうではないみたい。
要は谷風の選んだキャラクターに対して、自分がすごくその年齢が幼い印象を受けていたからだな―つまりすごく「釣り合ってる感」がないのだ。
これが星白とかの容姿を持っているとかならまだ納得感があったかと思うんだが、そういった描写に近いものは扉絵にあったにせよ、なんかすごくしっくりこない。これは正直自分でも意外だった。
なので二人が水辺に遊ぶ微笑ましいはずのシーンもなんか申し訳なかったんだが他人事のようでなあ・・・。
で、そういうぬるめのシーンで終わるのかと思いきや、不穏な「かなた」君再登場ですよ。
おまけにその「かなた」君があんなことになったと思いきや、ある意味ラスボス的な「あの人」登場ですよ。
なのでかなりターニングポイント的というか・・・ターニングポイントの前振りとなる巻。あきらかにここ数巻のぬるめな感じと空気が異なる。
そういう意味で、絶妙なところで終わっとるなあ。
アニメ化され、二期も決定しているということで、ある意味ラストへ向けて舵を切った・・・ということになるのかな?
それが本来予定されていた尺通りということであれば嬉しいが、無理やり完結の方向へ持っていくのであれば、そこはやや複雑。
なんにせよそのあたり、次巻のおよその描写読むことで見えてくるだろうとは思う。
ただそういったアニメ化故の影響らしきところは、実は今巻登場の継衛改二のデザインにも表れている。
CGでのデザイン画やこれまでよりもより直線的なデザイン。全身の各所にかっちりと入れられたハードポイントなど、明らかにアニメ化を担当したポリゴン・ピクチュアズとの仕事からのフィードバックらしきところが読み取れる。
それが作品の本質をゆがめずにパワーアップにつながるのであればこちらも大歓迎ではあるが。
そこは継衛改二のカッコよさからみて、その可能性が大いにあると信じよう。