ごきげんよう!船の科学館

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「ごきげんよう!船の科学館」



ということで、今月末で閉館と聞いていってきた。

これまですぐ目と鼻の先の、科学未来館が好きで何度も行った折に、最寄り駅が同じということもあり、何度も目にはしていたんだけど行く機会がなかった。

気にはなってたのでこれを逃してはならじ、ということで行ってきた。
結果、いまこのタイミングで言ってものすごく大正解だった。

※以下、例によってwordpressのFlashギャラリーが開きます。通信環境によっては重いと思うのでご注意を。


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本館はその名の通り、船舶の歴史を中心として、いろいろなものが展示されている博物館だが、結果的にそれが”物理スケール”を通しての、日本という国がどういう国なのか、というのを実感させてくれる。

よくもまあ、これだけの広範囲にわたって、先端の技術を用いて、地球を行き来しているのか。
また、そういう技術を持ち得る、そしてそれを運用するだけの技術と経済力がある、その凄さ。

結果的に、それが良くわかった。

もちろん、それに近いものを書物やメディアで見聞きすることは、これまでもあった。

しかし、こういった現実的なスケールのもので、実際のものを目の前にして見せられると、全く違う感慨を受けざるを得ない。

特に見に行った日がすごく晴れていたので、建物の屋上のほうから遠くの海を見渡せたのだが、そういったものを見ながら、衛星通信による海難救助システムなどを見せられると、そのスケール感に呆然となる。

また縮尺模型とはいえ、資源関連のタンカーの模型を見せられると、すごい、という以前に、今後も我々はこういったものを維持し続けることが出来るんだろうか?というある種の畏れのほうが先にたつ。

こういう体感としての”国としてののスケール感”を持ち得るか否かで、恐らくそれぞれの人のジャッジの正誤、というのは大きく違ってくるだろうと思う、正直見ておいてよかった。

また、結果的にではあるが、展示物の一部もタイムリーだった。

そう、ガスタービンエンジンや、原子力船に使われていた原子炉のカットモデルなども展示してあるのだ。

先ほども書いたLNG(液化天然ガス)のタンカーのモデルもおいてあったし、昨今の原発騒動に端を発する、エネルギー問題に関心のある方は是非見ておかれるとよいだろう。

こういうものを使って、われわれのいまの便利な生活というのは、作られている。

また併設されている、南極観測船の宗谷と青函連絡船の羊蹄丸も見ごたえがあった。
なにが見ごたえがあったかというと、その生活観だ。
(特に多くのものがそのまま残されている、宗谷のほう)

調理場や私室、そういった生活感は、我々が少しは知っている、昭和のつましい時代のそれだ。

そんな、木の水屋に食器をなおしているような船で、我々の先達たちは、この星の極点を目指したんだなあ、と思うといろいろな気分がこみ上げてくる。

いま、我々の国はどの程度の国で、どれぐらいの積み重ねがあってそれが回っているのか?

図らずも、そんなことを考えさせられる場所だった。

今月末まで入館料も安くなっているようなので、興味のある方は是非見に行かれることをお勧めする。

この期に及んでようやく見にいった立場でこういうのもなんだが、正直閉館は惜しい施設だ。
島国島国、といわれるが、意外に我々は、海にも船にも疎かったりする。

そういうものを身近に感じることの出来る施設だろうと思うだけに、できれば近い将来の再開を望みたいところだ。

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