先月から本買い杉。
しかしいまのところこれぐらいが唯一のストレス解消だし、と自分に言い聞かせてみる。
『コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)』
前作は偶然中古で入手できてしまったので、それでは教授へのお布施にならない、ということで平積みをいいことに近所の本屋で。
前作『レナード現象には理由がある』と同じ「私立彰英高校は県下でも指折りの―」で始まる、彰英高校を舞台にした続編。
舞台を一つ(彰英高校)にして、それぞれ別の主人公たちを配する連作シリーズだが、前作のラストでBLちっくな話が出てきて、変にそちらのほうへ行かなければいいな、と思ってたが杞憂に終わった。良かった(笑)。
絵柄の変化は相変わらずだが、絵の変化の止まった作家は、良くも悪くも作家としても止まる、というのが実感なのでこれはよしとする。
(ひょっとするとPCでの作画とかなのかな、それでかわったのかな?)
事実、新しい記号も手に入れているようだし、本作では川原教授ならではの薀蓄ネームも復活傾向(笑)。
それぞれ困難な境遇や、コンプレックスをもった主人公たち―ほぼ男女セット=ゆるーいカップルとして登場しているのがいいな。
あ、いま気づいたけどいちおうラブコメか!?(爆笑)。
しかし、今巻でいちばん個人的にウケたのは「さっき新聞勧誘来たけど居留守使っちゃった・・・」という気の弱い地縛霊・ゆきえさんだ(爆笑)。
「たいした実害もないし―」
というのーてんき、というかある種ドライでロジカルな川原ヒロインズはやっぱりいい。
このいい意味で「乾いて」いるところと、それでも伝わってくる、感情の浮き沈みが川原作品の凄いところだよなあ。
金に困ったヒロインが「貧乏人にも人としての最低限の誇りとか尊厳とか」とかいいつつ
「私になんでもご下命を!」
とやっても、ドライなギャグになってしまうのもいい(笑)。
ギャグマンガにはとり・みき氏や唐沢なをき氏などの「理数系ギャグマンガ家」という括りがあるが、「理数系少女マンガ家」というのがあるとすれば、教授はいま間違いなくその筆頭だろう。
(前者と”理数系”にかかるニュアンスは若干異なるが)
前巻よりほっこり感が強くて、個人的には「あたり」な一冊だった。
※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正