生の日野晃氏を見るのはこれが二回目。
やっぱりすごかった。
Real Contact 2011
吉祥寺シアターで行われている『RealContact2011』。
中日に当たる5/20の回を観劇。
観劇・・・とかいたが劇ではなく舞台というかなんというか。
「即興」、それもほんとうに相手の反応をうけて発生する即興。
だから「RealContact」だと。
今回は舞台自体は二幕構成で、舞台前に30分ほどの日野先生によるビフォアトークあり。
これがまたすごーく面白いのに深いのよ~!?
(「前日の続きからね」と仰ってて思わず金あれば三日通しでっ!!とか思いましたわ)
前々からYoutubeやさるさる日記などで拝見していて、なんでこんなに話が面白いのかと思ってたんだけど、要はこの方、建前での話が一切ないからなんだな、と。
そして技術論をしっかり語れるにも関わらず、ちゃんと普通の人にわかる言葉と必要な内容で語ってくれる。
そこがすごい。
(けど前回といい、毎回客層がカオスwどういう人種が集まってくるのか・・・)
今回も凄くいい内容を仰ってた。
結局は武道はいうにおよばず、突き詰めればすべて人と人との関係性、コミュニケーション以外のなにものでもない。
そのうえで相手に委ねて、理にかなった美しいからだの動きを引き出す、ということか。
(自分程度が、いまこの場でちょろっと思考したものを言葉にするだけでうさんくさいが)
それをこういった実績とキャリアのある方が語るともの凄い説得力。
例のあのアホみたいに早い抜刀も実際に見れた。
見たけど、見えんかった(笑)。
そういったものを、実際の舞台で実践してみるのが、本公演とみた。
で、第一幕は俳優の平岡秀幸氏とのコネクトを中心に、おそらくタイトルにもなっている「RealContact」な関係性を見せるような舞台。
これはおそらく日野氏のここ最近のワークショップなどからの反映だろうと思う内容で、多数出てくるダンサーそれぞれが、時系列で切り替わっていくその場その場の「Contact」の導線を感じられて、興味深かった。
(そのぶん見るほうもかなり集中力が必要だったと思う)
(まさにこれをやってました)
第二幕はおそらく平岡氏のこれまでのキャリアから考えて作られたと思われる舞台。
最初、ダンサーたちが列になって吼えているだけで「?」となったが平岡氏が出てきて、それを背景に独演を始める―おそらくマクベス。脇には和太鼓があり、それが徐々に緊迫感にあわせて高鳴っていく。
で、その独演のセリフが、途中でバックの声と和太鼓にかき消されていくので「?」と思ったんだが、その激しさが、平岡氏演ずる人物の心の内の嵐を現してるのか?と気づくあたりでバックのダンサーたちも竜巻のように回り始める。熱演を続ける平岡氏。
これに気づいてから、なんか激し目のラウドロック聴いてるような感覚、スゲー!?
(きっと声聞こえなくなるのも計算のうちなんだよ!?)
で、すとんと暗転し二幕目終了。
拍手なりやまずカーテンコール三回。そら拍手もしたくなる(笑)。
正直一幕目は、平岡氏がいったん舞台が外れて女性二人がメインになったあたりとか、二幕目では冒頭、平岡氏が出てくるまでの間隔とか、しっくりこなかった部分もあるにはあった。
しかしこのあたりはおそらく、数の問題で、この形式の舞台をこのあと何度されるのかはわからないけれども、そういった”数が解決する”部分であるようにおもう。
トータルとしてはやはり素晴らしかった。
ただ個人的に残念なのは、ビフォアトークでポイントというか、気づいたり考えたりしたことが、もの凄くたくさんあったんだが、二幕目ラストの和太鼓の激しさで、そんな細かい話がぜーんぶ「ぽぽぽぽーん」と跳んでしまったことだ(泣)。
いやー、なんにせよええモン見せてもらいました。
興味のある方は明日(本日)午後が最終日、当日券もあるようなのでご覧になってみれば。
(付記)
即興、とかインプロの本質てこういうことなんだよな。
以前のブログのときに「セッションバンド」について批判の一文を書いたことがあるが、自分の書いたことがそんなに間違っていなかったな、というのをあらためて確認できた。
要は相手をちゃんと見て・感じてフレーズを返す。そして相手の投げたフレーズに負けないものを、真芯で打ち返すことのシビアさ。
そこをわかってやらないと、結局だらだらただ自分の気持ちのいいもんにふけってるオナニー演奏にしかならない。
そういう意味で、セッションバンドブームというのは欺瞞だ、といいたかったので。
逆に反省点としては、自分もコネクトというかセッション拒否してる場面もあったのかなー、と。
数年前、前の職場の忘年会で楽器の置いてあるバーでやったことがあって。
その場のノリでみんな演奏するときに遊びだからドラム叩いてくれ、といわれたが断ったことがあった。
自分のほかが全員金とってライブハウスで演奏したことある連中。
びびってやらなかったと思われてんだろうなー、と思いつつ、ほんとうは違ったんだけど。
要は「おまえら普段金もらって演奏してるのに、そんなモンでええのんか?」という反発があった。
オマエラの大切にする音楽ってその程度のモンか、と。
オマエラ曲がりなりにもミュージシャン名のってんねやろ!?と。
(口では言いませんでしたけどね)
けど、あるいみ大人気なかった、というか、ちゃんとその場の空気にコネクトできてなかったのかもしれん。
あそびはあそびやんな―。
そしてこうかっこつけていってはみたものの、ほんとはびびってたのかもしれんしな。
なんかそんなこともつらつらと思い出しましたです、ハイ。
うっ、うわー。
こんなのやってたんすね!
生日野は心底うらやましいす。
よっぽどのいずさんも誘おうかと思ったんだけどね~。
なんせ金欠だったので、チケット前売りで買うのぎりぎりまで迷って買ったので、タイミング逃したのことよ。
スマソ orz
こんど似たようなチャンスがあれば自分がいくいかないに関わらずお知らせします。
おわびにみやげに買うてきたドラムソロコンサートのDVDこんど貸すわ(笑)。
こんなんだから客層カオスなんかな(苦笑)。