小学校時代の旧友が朗読劇をやるというので見にいってきた。
大阪出身の自分が、たしか小学校の2年ほどを一緒に過ごしただけの友人の舞台を、東京のライブハウスでこの歳になって観ることになろうとは人生とは不思議なものだ。
自分はつるっぱげになり、彼は横に1.5倍ぐらいになっていた(苦笑)。
けど言葉を交わすと、あの頃と基本は変わっていないことにすぐ気がつく―というか戻る。
彼自身の企画としては初回になるとのことだったので、正直詰めの甘いところもあった。
けれど、それをそのまま気負いなく、その場で言える関係というのは、ありがたいものだと思う。
うちのブログを読んでくれてる方はご存知かと思うが、基本相手が一生懸命やってると思うからこちらも一生懸命に―時にはきわどくなっても―感想を述べる。
批判のための批判ではない―というか真剣に感じたことを答えるしかその一生懸命に誠実に答えるすべはない。
まあ、そういった但し書きを説明せずとも、こちらの真意を汲んでくれる関係というのはありがたいもの。
人の縁とは不思議なもんだ。
そういう友人がいてくれることに感謝。
で、いちおう感想も。
・2本構成で、双方浅田次郎原作。
・1本目は朗読劇にするには作品としてハードルが高い(場面転換多し、時代性に左右)
・主演の演出的な配置が残念ながらオーバーアクト=結果的にミスキャスト。
・2本目はトータルバランスは悪くなかった。
・ただし同じく主演がチンピラという役の割りに立派過ぎる演技でミスキャスト。
・ただし、個人公演ということを考えると持てる手札(キャスト)のなかでは最良の組み合わせではあったか。
・作品のチョイスは演者側の思い入れがある、ということでどうこう言うべき点ではないが、若い人向きではない。
・浅田次郎作品は未読だが、その甘口さ加減と、それ故の人気だろうというのがわかったのは収穫。
・個人的にはひねくれものなので脳内で馳星周作品が比較再生されていたのは秘密w
・あと出演者の「基礎力」というのはごまかしが効かない
・総じて女性出演者のほうがレベルが高かった
(このあたりバンドでも女性ボーカルのほうが声の通りがよいというのにある種通づるところがあって面白かった)
朗読劇、ラジオドラマ的なものは、実は個人的にも可能性は感じていて、その意味でも非常に興味深かった。
会場はいわゆる落ち着いた系のライブハウスだったんだが、そういう”ライブ”でやる意味=舞台としての演出・意味というのはもう少し詰める余地はあり。
やりかたによっては、すごく面白いものが作れると思う。
そこに期待したい。