『光圀伝』(電子特別版)/冲方 丁

標準

これも昨年のKindle角川セール時に買っておいたのが積ん読になってたのをいま頃になって。

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いわゆる水戸の黄門さま=水戸光圀の一生を描いた長編なんだが、その長さの割にサクサク読ませるのはさすが。

ただ、その長さ・描写の丁寧さの割になにかこう感銘を受けるところが意外なほど少ない、というのはこの作者らしいかな―いやこれだけの分量をさくさく読ませるだけでもすごいのはすごいんだが。

一つはこれは意外と光圀自身の感情的なピークとなる事件が必ずしも社会的なインパクトを持った事件と重なっているわけではない、というところにあるのかも。
本書の各所各所でストーリとしての山をなしているのは最良の理解者であった正妻・泰姫との死別、また素直じゃないだけに常に気になる存在であった畏友・独耕斎(当時最高の儒者であった林羅山の4男)との交友―そしてやはり死別、このあたりかと思うのだが、それはやはり社会的なものではなく光圀個人の体験として収まっている。
そういう意味ではより幼年期を描いた上巻での死体の流れる川を泳ぎ渡る的なところのほうが、庶子である光圀が父に認められるためという背景もあってより公的なニュアンスがあるぶん、迫力はあったかも。

ただどちらにせよ、史実としても光圀という人の強烈な・個性的なエピソードの割には”時を得なかった”感というか、惜しい感じというのは、こういう各エピソードのインパクトの薄さによって逆に浮き彫りにされていたとも言えるかもしれない。
(ただこのあたり社会情勢との大きなシンクロがないというだけで、作中の山場での感情的な盛り上がりには非常に説得力はある)

で、個人的には―というか多くの読者がそうかと思うが―泰姫亡き後も光圀のそばに仕え続ける姫の侍女「左近の局」がいいキャラでなあ。
こういう人を是非嫁さんにほしいもんですよね(笑)。

個人的にはこの左近ちゃんというキャラクターに当たっただけでも儲けもんでした。
(脳内ではなんとなく「まおゆう」のメイド長のビジュアルに変換されて読んでたw)

読みやすさといい、登場人物や時代的なところも比較的ハードルが低いので、時代・歴史小説読みなれてない人に比較的オススメしやすい一作かと思う。

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