【レビュー】桂明日香二題

標準

週アスのハニカム二週連続休載だがちょうどよく新刊がw
成分補給に購入。

『神話ポンチ 2 (ヤングガンガンコミックス)』


前巻で登場人物の導入もすみ、さあ本編!と思いきや本巻にて完結。
前巻刊行の時点でもそれとなくそのあたりはにおわされていたがまさか二冊で終わるとは思わなかった。

ただ本巻の巻末あとがきでも書いてあるように最初からこのエンディングは想定されていたようで、そのあたりは一巻の同じく巻末あとがきでキャラクター名の由来から想像はできた。

ただせっかくギリシア神話をベースにした魅力的なキャラクターが多数登場していたのにそれを十分に展開する紙数なく終了してしまったのは正直なところもったいない気がしないでもない。
(ここは作者自身も言及してましたな)

とくに前巻ではあれだけ存在感のあったアテナにアルテミスの二人のウェイトがみごとにしぼんでいる。
まあこのあたりは完結を急いだ故だろうか。

たぶんそのあたりなんらかの事情はありそうだが、コレはこれでちゃんと作品としてまとまってはいるのでよしとする。

しかしあのアテナの天然ボケは正直もう少し見ていたかったw

『ビリオネアガール(1) (アフタヌーンKC)』




こちらは原作付きの模様だが、作風というかテイストは桂作品のそれをちゃんと感じる。
(唯一違う点はやや前述の”ボケ”成分が少なめなところか)

デイトレーダーとして天分の才を持っていたばかりに、有り余る富と引き換えに普通の生活を失ってしまった少女と彼女を知る叔父から彼女のことを頼まれた主人公の物語。

桂明日香という作家を考えるときに上記からだけではそのシチュエーションがマッチングするか首をかしげる向きもあると思うが、ヒロインの持つ屈折した暗さというのが実はかなり根本的なところでシンクロ率高いのではなかろうか。

ただし前述のように”ボケ”成分が少ないこととデイトレードというモロ”金(かね)”という抜き差しならぬものがテーマとして含まれているので、けっこうガチで逃げ場のない作品になる可能性はあると思う。

版元から講談社での連載作品のようだが、案外その渡りの部分や作品の持つそういったところの性格故に週アスの連載がたびたび落ちる原因になっているのかもしれない。

だとしたら講談社もけっこうアコギなことするな。
まあ出版不況がマンガ業界にも深刻な陰を落としている昨今

「こいつは使える!」

と思ったらなりふり構わずなのかもしれんが。

そんなことよりちゃんとモーニングてこ入れしてくれ。
佳作は多いのは認めるが主砲がないんだよ、バガボンド休載しっぱなしで。
(井上氏はかなり身体壊されている模様だし)

「ああ、今週もハズレ号か」とがっくり肩を落とすこと多いんだよ。
『へうげもの』載ってなかったらコラムページだけが楽しみってそれどういうこっちゃ!?
(4コマはまた別ね)


いかん最後脱線したw










※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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