【レビュー】『わくらばん 4巻(完結)』桂明日香

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amazonで予約していたのが届いたので。思ったより早かったが、本巻にて完結。

『わくらばん (4) (電撃コミックスEX)』



コーポわくらばの個性的な住人たちのなかで、徐々にこれまでの心の傷を癒しつつある葵だったが、そんな葵をみて妹の藍は、わくらばへ出入りしようと思った頃の初心に立ち返る。彼女の口から語られる葵のトラウマの原因とは・・・。
それを聞いたわくらばの住人たちはどう接するのか?シリーズ最終巻。

意外なほど早々な完結のような気もするが、前作の『ハニカム』も全5巻、ということを考えるとそうでもないのか・・・。
(ハニカムも若干唐突に終わった印象あるが)

本作は桂作品の通例で、魅力的かつ背景を感じさせる数多くのキャラクターが居たにもかかわらず(結果的にいちばん線の細い葵ちゃんのエピソードを主軸として)一応の完結となった。
巻中のコメントなど読むと、ハニカム同様、今後もこのキャラクターたちは出てくるらしいのでそこは良しとする。

また表紙の折り返し?の部分にもあるように桂先生、お二人目御懐妊とのことなのでちょうど良いタイミングだったのかな。
なにより御無事の御出産をお祈りする次第。しかし子持ちで良く連載してくださってるよなあ、すごいわ。

このこと以外にも、掲載誌である週刊アスキーの編集方針が大きく変わったことがかなり影響しているのでは?と思ってはいたので、こういった形でのいちおうきれいな終わり方を見せたことはきれいな着地だったかと思う。

まあそういった展開が出来たのも、前巻より登場した、ある意味作者の暗黒面(笑)を具現化したキャラクターともとれる、葵の妹である藍ちゃんの大活躍があったわけで、彼女は本巻のMVPかな(笑)。

桂先生は本作の最後のほうのような欝エピソードも、いわゆるスタンダードな連載漫画形式でも十分フツーに描き切れる力量の方かと思うのだが、この週アス連載のような4ページ1話形式のようなショートストーリーの積み重ねのほうが、いい具合にバランスとれて案外あっているのかもしれない。

次回作も週刊アスキーにて連載するようなので、期待して待ちたいところ。

追記:
本巻唯一の不満は鐘成さん(ハニカム)がほぼ1カットだけしか出てなかったことだw
(まあ顔つきは幸せそうな顔つきに絵柄変わってたのでいいんですけどね・・・orz)

本作の登場人物たち含め、引き続きの多数出演を望む次第であります!







※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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