【レビュー】『レディ・ハニカム Side story of “Honey Comb”』桂 明日香

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これも先月取り上げておくべき分。遅ればせながらレビューしておく。

週刊アスキーで連載されていた『ハニカム』のスピンアウト作品。『ハニカム』は続編ありうることをにおわせての一区切りだったが、前作『わくらばん』の後を受けての週アス桂明日香作品枠の一作。両作品とも同一の作品世界で当然ながら本作もそれに準ずる。桂作品には珍しく4コマテイストの作品である。

『レディ・ハニカム Side story of “Honey Comb” (電撃コミックスEX)』





本作は登場人物のひとり守時さん(お金持ちのお嬢様)のじいがお嬢様のぐーたらぶりを心配して、鍛えなおすためにお嬢様ふくむハニカム一行をホテルで修業させる、というシチュエーション。
前述のように4コマテイストだが、『ハニカム』時点でそれぞれ登場人物たちのキャラクターははっきりと確立されているのであの『ハニカム』の世界の延長線上そのままで楽しめる。個人的には鐘成さん成分が少なめなのはやや不満だが(苦笑)。

で、そういった体裁だがそこは桂作品。いちおう上記のハニカム一行以外に話の主軸となる「玉越夢見(たまこしゆめみ)」という身もふたもない名前のオールドミスの新キャラが登場(苦笑)。彼女がフックとなってメインのストーリーも展開してゆく。ただ今回はライトテイストでまったく重さはなくコメディに徹している。玉越さんの「なにかラブコメ臭がしませんか?(くんくん)」というのは個人的にヒジョーにツボあった(笑)。

で、ハニカム一行は避暑地でのホテルでひと夏の修業を終え、日常に帰っていくというところ―1冊で綺麗に終わっている。ただし書き足しと思われる巻末でまたややこしそうな新キャラが一人増えているので、この『ハニカム』シリーズはまだまだ続くと思われる。

基本的にほれたはれたのラブコメが苦手な自分が読める数少ないラブコメ作品なので、ゆっくりとでいいのでぜひ続いていってほしいと思う。
ただ桂先生はこのあとほかに原作付きの作品のコミカライズを担当されるようなので、しばらくはこの作品世界もお預けといったところだろうか。週アスを買い続けている原動力の一つが桂作品でもあるので、ぜひ早めに戻ってきていただきたいところではある。







※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正

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