普通が当たり前にある凄さ

標準

はやぶさのカプセルが見れるということでいってきました。
飛べ!100年の夢 空と宇宙展』@国立科学博物館


はやぶさをはじめとする宇宙機中心の展示ではなく(目玉ではあるんだけれど)、国産の航空・宇宙開発の歴史をたどる展示内容。

展示の誘導配置があまりよくなかったのでそこはもったいなかったんだが、日本の航空宇宙史を時系列として眺める、というのは非常にいい企画だったと思う。

自分はWWⅡのころのレシプロ戦闘機が大好きなので、今回の企画の中で改めてそのあたりをつき合わせてみるとなかなか興味深い。

こういった技術と軍隊というものは当然切り離せないわけだが、そういった「軍事利用」という必然性を越えて、やはり人が「空を飛ぶ」という夢をあたえられたこと―それに対する情熱というかエネルギーというのは、文字通り「夢中」であったんだろうな、というのが時系列で並べられることによって逆によくわかる。

なんせ初の有人飛行を行ってから10年以内で日本国内でも有人飛行をやってのけてる。
そしてその後、第一次大戦、第二次大戦とわずか40数年で人の作り出した翼は音速にすら近づいていくわけだ。

今回はそのあたりの国内の事情が並べられているわけだが、こういうのを改めて見て、初めて日本のもつ地力の凄さにあらためて感動する。

世界初やオリジナリティの点では確かに劣るかもしれないが、そういった「世界初」のものに対して僅かの年月でキャッチアップしていく五指のなかに日本は必ず入ってるし、そのことはもう少し意識してもいいと思う。

そういった地力の延長に今回の「はやぶさ」の奇跡のような結果もあったんだろうと思う。
(失敗したとはいえ、ミネルバとターゲットマーカの小ささにはびっくりですよ!?)

ではなにがそういったものを支えているのか?

手先の器用さ?基礎教育の充実?もちろんそれもあるだろうが、一番大きいのはやはり社会全体が安定していて、そこに生活する人たちが落ち着いて「普通の毎日」を送れていること―じつはそれが一番でかいんじゃないか。

そう、「普通」が当たり前にあるそのすごさ、というか。

そしてその「普通」はその中にいるひとたちにはなかなか実感として感じられない―なぜならそれが「普通」のことだから。

案外日本の凄さ、というのはそういうところを見直していくことで見つかるのではないか。
ただしそこを自画自賛ばかりするようになると危険なのはいうまでもないんだが。

※あと展示そのものについて少しだけ言うなら、エンジン・フェチの自分としては橘花のエンジン(BMW004のコピー?)とかはなぢブーでしたね。エンジン、材質フェチな紳士淑女の方々にはたまらないと思いますw

あと以外に若い女性の来場者もいらっしゃいましたな。

あ、そうそう。今回の特別展は特別展入場の別料金になりますが、見終わった後常設の地球館と日本館もそのまま見れるのでお時間のある方は忘れずに。

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