味戸作品のこと

標準

最近NHKの『ゲゲゲの女房』人気らしいッスね。

しょせんこんなヤクザな生活では見ることもかないませんが(泣)。
いや、カタギな皆様のほうが見れないのでございましょうか(謎)。

で、水木しげる大先生といえば妖怪.
妖怪といえばゲゲゲの鬼太郎。

・・・なわけですが、自分も原作版その昔買ってよみふけりました。
(ゲゲゲじゃなくて『墓場の鬼太郎』だったケド)

当時買ったのは、いまのような大ブームが来る前のマンガ文庫の出版ラッシュのときに出された小学館漫画文庫というシリーズ。

このシリーズは当時定番となりつつあった過去の作品を文庫収録しようという、ある意味いまとまったく同じ発想で作られていて、水木作品をはじめ手塚治虫、石森章太郎、松本零士、楳図かずを等のビッグネームの作品がずらりと。

で、それらを手にするのは発刊直後ではなくもう少し後になってからなんですが(当時、たしかまだ自分は小学生かそこらだったかと思う)、本屋で見て子供心に「あれー?」と思ったわけです―

「なにこれ、このマンガの絵じゃない!?」

そう―違うんです、どの作品も表紙の絵が・・・。

目玉の親父はお椀のお風呂に入ってるんですが、なんか写実調のイラストで、松本零士作品の表紙なんぞはダリの歪んだ計のようなこれまた写実調のイラストで、あの睫毛が30センチぐらいありそうな松本美女のびの字も出てきません(爆)。

そうこのシリーズ、ぜんぶ表紙が別のイラストレーターによる写実的なイラストに差し替えられてたわけです。

いま思うに、現在と違って当時社会的な位置の低かったマンガを、少しでも「作品」としてみてもらおうという編集側の配慮だったんでしょうね。
(だから逆にいうといまのようにへんに読者に媚びずに、写実的なイラストレーターをあえて起用したんでしょう)

で、そんなシリーズの中でさらに毛色の変わったものがありました。

そう―楳図かずをの『おろち』―その表紙。

暗いコンビナートの海を背景にひとりうつむく顔の見えない少女―。
確かそんな画だったように記憶しています。

なんか暗くてデッサンもいびつで本の中身とはまったく関係ないのに、なぜかそのイラストには目を離せない魅力がありました。

それが自分が味戸ケイコ氏の名前を意識した最初でした。

で、意識したはいいものの、しばらく忘れ去ってたんですが(苦笑)、ちょっと前にネットである本が話題になってて、どーもその本のイラストに見覚えがあるわけですよ。

「あの人の画だ!」

で、調べてみるとまだ現役で活躍なさってるらしい。
なのでamazonやらヤフオクやらで調べまくって当時見たその画に近そうなやつを探してポチっとな!!

夢少女―味戸ケイコ画集


で、来たのがこれ。

しかし当時見た現物がいま手元にないので100%これだったか自信はないんだけど、このテイストは間違いなくあのどうしても目をそらせなかった雰囲気そのもの!!

タッチとしては西洋画の―一見結びつかないかもしれないけどマグリットとかあのあたりに似てるような気がする。

その上でこの独特の雰囲気。
画材に関しての記載はないんだがパステルか色鉛筆なんだろうか。

とにかくこの暗く孤独な感じの画は絶品、ちゃんと見逃さなかった小学生のころの自分GJ!!


残念ながらあまり大々的にこの方の作品を紹介したサイトはないようなので、おおっぴらに宣伝できないのがちと残念ではある。

唯一最大はいまのところここか。

で、今回再発見のきっかけとなったのが以下なのだが・・・、

わたしのいもうと (新編・絵本平和のために)

けっこうヘビーそうなのよね・・・。
いずれチャンスがあればいってみます・・・。

<参考リンク>
・K美術館:味戸ケイコ作品より・1
・インタビュー:味戸ケイコ|作家インタビュー|Web絵本サイト「ストーリーゲート」

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