『UNIDOTS LiveTour2019 覚醒 -adolescence-』『複雑因子 – complex factor』/UNUDOTS

標準

澤野弘之作品で起用され、なんだかんだでよく聴かせてもらっているボーカルの一人mizuki(瑞葵)さんの本来のユニットであるUNIDOTS。気にはなっていたがメディアのリリースがなかったこととライブもワンマンがなかなかないということもあって手を出しづらかった。

しかしちょうどその二点を満たしてくれるCD発をかねたワンマンライブがあったので月初に観に行ってきた。おまけに場所が久々のCLUB QUATTROだ。




で、なかなか素晴らしいライブだったのだが、課題も見えるライブという印象。

まずこのUNIDOTSというユニット、確認するに「瑞葵(Vocal)とコンノツグヒト(Bass)によるユニット」とあり、お二人でやってらっしゃるユニットのようだが、おふたりとも技量的にかなり優れているレベルだとお見受けした。ただそこが逆に働いてしまっているのかな?と感じたといえばよいか。

どういうことかというと歌うまいのである、音楽的偏差値高いのである─だからひねらなくていいとこもう一つひねってしまったり、本来は破綻するだろうところを無理くり収めてられてしまう─とでもいったような印象。そう「なんとかできちゃう」弊害と言うかな。(当然ながら歌唱力や演奏力には何一つケチつけるところなどない)

もちろんそう感じる曲が全てというワケでもなくて、曲によっては初聴にも関わらず「お、これなかなかいい曲」というのも何曲もあった(個人的には2曲め?が一番良かった)。ただ「ああ、そこ素直に落とさずもうひとひねりしちゃう?」というのがけっこう印象に残ってしまって、そういうところに引っかかてしまうという隔靴掻痒感があったといえばよいかなあ。ライブとしてはMCも少なく楽曲・演奏勝負な感じで非常に好感の持てるライブだったので、余計そう感じてしまったのかもしれない。

ただ、そういった過剰な「一捻り」と感じるのも実はこちらが聞き慣れていないからだけなのかもしれないと思わせてくれるのが、同日リリース開始したというCD。

複雑因子 - complex factor -
UNIDOTS (2019-11-18)
売り上げランキング: 1,328

本作の中の数曲はそういう印象受けた曲もあったのだが、数を聴いているうちにコレはこれでありだなというふうに落ち着いたりもしている。ただこのCDのリードトラックとも言える1曲目『歩道に咲いた花』などは全く文句のつけようのない名曲だとも感じるわけで、となるとどうしてもこのレベルで揃えてほしいよな~と考えてしまうのが無責任なリスナー側のわがままだ。(面白いのはこの曲はYoutubeにPV版が上がっているが、そのバージョンより本CDバージョンのほうが圧倒的に完成度が上がっている)

舗道に咲いた花
舗道に咲いた花

posted with amazlet at 19.11.24
UNIDOTS (2019-11-18)

そういったところを抜きにすると、特に意図的にそういう方向を志向しているのではなさそうにも関わらず、普通のポップーロックスタイルの音楽なのにどこかいい意味でのレトロさも感じられる面白いユニットだと感じているので、こちらが望むこととしてはもっとガンガン音源や新曲などこちらが聴き込める機会を増やしてほしいというところかな。そう、もう少し「規模」を拡大してもらったほうがご本人方も「もっと見えてくる」部分がいろいろ出てくるはないか。

ありそうでない一種独特の「色」を持っているユニットなので、ぜひもっといろいろ聴かせていただきたいところだ。

今後もチャンスが有ればライブには脚を運んでみたいと思えるユニットだった。


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UNIDOTS (2019-11-18)
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