『ココニイルアンドレスポンス』/シベリア少女鉄道 vol.31

標準

毎回観にいっているシベ少。今回は常ハコの赤坂REDTHEATERではなく新宿シアターブラッツでの公演。くわえて演者4名のみという少し通常の公演とは異なった構成。
結果、例によって前半で仕込み、後半で爆発させるよさはそのままに「4名」がそのまんま4名なはずもなく小さな舞台の上にあふれんばかりの登場人物(苦笑)。

で、やっぱり最後はビーム、ビームだよ!



前半は主要登場人物4名のそれぞれのドラマがオムニバスのような感じで、それぞれしっかりと語られる。いい歳になっているのにいつまでも夢を諦められずにいる男。かつて小説家としてデビューするもその後鳴かず飛ばずのの男。夢を諦められずにオーディションを夢見る女。いつのまにか半グレのような境遇へと身を落とした男・・・。

彼らにもそれぞれ現在・そしてかつての人間関係があり、それが今にいたるまでいろいろと絡まってくる。そんなしがらみの中、突然起きた異変によって4人とそれぞれに関わる人物たちの正体が明らかにされていく。

・・・といった感じの筋書きだが、今回さすがに登場人物多すぎ(苦笑)。おかげでそれぞれの関係性を追っていくのがちょっと大変で、おそらくきちっと理解した時と受ける衝撃の差がけっこうあったと思う。なんせ終演後に事前に渡されてたチラシの中にあった人物相関図みると24人だよ、24人!?これは観劇前にみて頭に叩き込んでおくべきだった(笑)。

でね、例によって前半はいい風の芝居するんすよ、役者さん。もういい歳しているのに、それを自分でもわかっているのに─なのにまだ夢を、自分を諦めたくない。そんな感じのダメ~な連中の葛藤がけっこうズキッとくる。しかしそれも舞台中盤で発生する異変によっていろんな意味でブチ壊されていくわけですよ、もうヤダこの劇団!?(誉め言葉)

ということで例によってきっちり満足して劇場を後にできたわけですが、前述のように今回は少し通常公演の形態とは異なった─実験的な回だったかも。個人的な印象を言うと、主要登場人物の各エピソード・・・というか人数自体をもう一人減らした3人ぐらいにしておくとバランスよかったのではないかな、と思はなくはない(やや情報量飽和気味に感じたので)。それでも結果、きちっと満足感のあるクロージングに持ってくるのはさすがというか、やはりシナリオ・・・というか演出のうまさよなあ、うまさといっていいものなのかは正直なところ分からんけどもw

あと会場のシアターブラッツは「いかにも」な感じの雑居ビル地下1階にある小さめのハコで、久々にインディーズな感じの演劇小屋だった(狭さや視界の懸念含めて)。しかしこれも劇中の舞台設定を意識して選んでいたとするなら、そこもさすがといえるか。

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