残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!/シベリア少女鉄道

標準

これも月初に観にいってたんだが遅ればせながらレビューしておく。
メジャーなハコということもあってか、いつものネジクレ具合はやや控え気味だったが、後半怒涛の物量攻撃で押し切られましたw





ここの舞台はその演劇空間ならではの時空の捻じ曲がるかのような演出にキモあると思うんだが、今回はそれが非常にストレートに出ていた感じ。

前半は時代劇的な展開で二人の抜け忍とその娘たち―娘たちの交流をメインに非常にオーソドックスな感じの進行。そして一転してかたや今度は現代の女子寮でのクリスマス。これがどうつながるのかというのはご覧になった方ならわかると思うがようこんなシナリオ考えるわ!?(笑)

で、この作品、ある意味タイムパラドックスものというか、ストーリーの構造だけみると意外とオーソドックス。その奇抜な演出も考えようによっては映像作品的な過去のモノローグ・フラッシュバックをそのまま現時点での時系列の中で(ただし物理的な空間は同一で)行っているだけ、ともいえる。映像作品の過去の時系列のカットイン的な演出が舞台では取れないのと同じで、逆にいうと、そういう過去の時系列の空間をおなじ時空間に物理的にトン、と置いてやることができるというのは演劇という物理的・身体的な舞台装置があるメディアならではの演出方法かと今回でようやく気付いた。

ただ今回は主演のお二人がどうもアイドル畑出身の方々(安本彩花/私立恵比 寿中学、中島早貴/℃-ute)だったということ+比較的メジャーなハコ(サンシャイン劇場)ということもあってか、その時空のねじれ具合というのは前回見た作品よりはやや控えめには感じる。しかしこれは悪いことではなくて、TPOというか状況を見て意図的に選んでやっているというか、むしろこういうシナリオだからこそそういう要素を意識的にチョイスしたということかもしれない。

主演のお二人はさすがそういうジャンル出身のかただけあってひじょうにかわいらしくて眼福でしたね。その分、通常公演では主演をはるような座付きの女優さんの八面六臂の活躍が良くわかった(やはりこの方が舞台上の”軸”なんだな、と)。

そういうやや薄味の味付けの舞台ではあったんだけど、やはりシベ少w、後半の怒涛のネタ投入がド〇ゴ〇ボールで、その一気呵成の勢いが凄すぎて途中でちょっと振り落とされそうになったほど(笑)。こういう最後にきちっと観客に満足感を与えてのクロージングはほんと素晴らしいなあ。

で、これですっかり味をしめてしまったので、告知のあった来年ゴールデンウィーク前後の舞台もぜひ観にいきたいところ。
今度は例の赤坂レッドシアターらしいので、ちょっとガチのネタ来そうなのでチケットを撮れることを祈りつつ、楽しみに待ちたいと思います。

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