【レビュー】『海獣の子供』 ‎渡辺歩 監督(原作 五十嵐大介)

標準

あんまりここまで言うこと少ないんだけども、この映画は絶対映画館で観とけといえる一本。クライマックスがかなりぶっ飛んでるので口に合うあわないはそれぞれあると思うが、個人的には十年に一本出るかでないかの一本だと思う。


ストーリー的には前述のようにクライマックスがストーリー、ビジュアルともにかなりぶっ飛んでいて、ある種『2001年宇宙の旅』レベルという評もみた。加えて海やクジラといったヒダリマキ・スピリチュアルホイホイ的なキーアイテムがゴロゴロ出てくるので、下手するとそっち系の「ダメな人種」がわんさか喰いついてくる懸念もある。

しかしそんなものを吹き飛ばすのはこの圧倒的な作画!!

この情報量・重みがそういったぺらいものを圧倒的な物量・情報量の力技で押し流していく。
加えてじつはストーリーとしても一人の少女のひと夏の体験・成長という枠でしっかりとかせをはめたことで、非常に地に足の着いた物語にもなっている。

とにかくこの圧倒的な美の奔流・暴風雨ともいえるフィルムのすさまじさはある種物理的に殴られているかのような圧力をもって我々観客を押し流していく。
米津玄帥による主題歌のPVという体の上記動画みてもらってもその片鱗は見て取れると思うが、このなかで「おお!?」と思うようなシーン、そのレベルのクオリティの作画がほぼ全編にわたって浴びせ続けられるのだ。

いやー、すごい。凄すぎてあんまり言葉にできん。

ほんと悪いこといわないので、劇場のデカい画面で、いい音響でぜひ一度観ておいてほしい。
間違いなく自分はブルーレイとか出たら買うと思うが、この”体験”は家庭用の小さな画面ではおそらくそのすべてを堪能できない。

またこの作品はおそらく類似作品というかほぼマネできるプロダクション他にないだろう、ハリウッドでも無理だと思う。(海外も適切なセールスやればかなり評価を受けることになるのではないか―欧米人大好きキーワード満載やしw)

別に貶めるつもりで比較として出すわけではないが、ある種『君の名は』と本質的に真逆の作品である。

あとなにげに音楽、久石譲なんすな。けど納得、そうじゃないとこの画には負けるわ。


ちなみに自分はよく江の島界隈には遊びに行くのだが、見たことあるロケーションがバシバシ出てきてそこもうれしかった。

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