【レビュー】『プロメア』/今石洋之 監督・中島かずき 脚本

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はやく観に行きたいと思いつつ、配給に東宝噛んでる割にかんじんの東宝系の映画館がやたらと満席ばかりでなかなかタイミングが取れずにいた。いい加減ムカついてきたので仕方がなく新宿バルト9にて。

いや、これ100%濃縮還元のTRIGGER節というか、こんな徹頭徹尾大バカな作品(褒め言葉)を作れるのはアニメ大国とも言える日本国内においてもこのスタジオしかないのではないか(笑)。そしてもちろんこんな大バカ者な作品に音をつけられるのは澤野弘之という大バカ者しかいないw(ちゅーかいい意味で頭悪くないとムリだわ、このスタジオーというか今石作品のサントラ担当するのはw)

演じる役者陣もTRIGGER作品常連総出演に加えて堺雅人、松山ケンイチ等大河ドラマクラスの役者が主演するなど非常に力が入っている。




もうほんとストーリー的には説明するまでもなくいつものTRIGGERというか今石×中島作品そのまんま(苦笑)。ただ劇場作品ということもあるのか、冒頭物語が動き出してからのアクセルベタ踏み感がすごいすごい、作品全体で見れば緩急あるのはあるんだが前半アクセルベタ踏み、踏みっぱなし→ややアクセル戻して背景やキャラ描写→最後までアクセルベタ踏み→踏みっぱなし→踏み抜くwみたいな感じ。

とにかく作画のカロリーがやばいというか、5年かけたというだけあって動く動く。改めて感じたがこのスタジオはほんとケレン味の描写というか構図がうまいというか、客がここはこうして欲しいでしょ、というところをビタっと寸分の狂いもなくやってくれるのがほんと爽快。ボタンぽちっとなだったりロボが出てくるときは池が割れて滝のような流れの中から出てくるとか(水玉コラパロディーとかもあったw)。

若干その色彩設計がパステルトーンというかキッチュな感じが単純に絵的に観づらいのが気にはなったが、オシャレさ優先ということで考えればこの色彩設計はアリとも言えるのでこれはこれでOKでしょう(賛否は別れるとは思うが)。

あとはもうフィルム的には全く問題なしですね、もうほんと大好き!ここまで振り切ったフィルム作れるのはやはり今のところこのTRIGGERしかないのではないかと思う。

で、役者陣。実は今回一番賛否分かれるところはここかもしれない。

それは主演のお三方-松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人とこの熱苦しいフィルムとのマッチングの是非は賛否両論出るだろうな、と。個人的にはアリナシでいえばアリの範疇なのだが、もうひと踏ん張りボルテージが欲しかったかも、というのが正直なところだ。

ただこれは今回はアフレコではなくプレスコ収録だったようなので、俳優陣の皆さんの責任でもないと思う。ボルテージの必要のないところでの演技は素晴らしかったし、ボルテージ必要とするところでも特に堺雅人氏の熱演は素晴らしかった(ここは全く文句のつけようがないと言うか当代のトップレベルの役者に滅殺開墾ビーム!とか瞬砕パイルドライバー!!とか叫ばせんなよwと言う話で:苦笑)。

一つはこれプレスコと言うこともあるんだろうが、やはり作品そのものを喰い殺すぐらいの覚悟がないとTRIGGER作品・・・いや、今石x中島作品には熱量負けするのかも。そう言う意味で少し同情する。

その点勝手のわかってるTRIGGER常連陣は安定のパフォーマンスと言うか、みなさん求められてるものをちゃんと分かってると言うか。某誌インタビューによると製作陣も毎回「他のキャストも検討して〜」とか迷いまくるも結局いつものキャスト陣にオフォアーがくるのでめっちゃキワになってオファーくるとおっしゃってましたな。まあ確かに稲田徹氏や新谷真弓さんとか他に代わりの人思い浮かばんわ(苦笑)。

とにかくそんな感じで最後の最後までTRIGGER節全開で押し切る感じだが、また観客が求めているものもそれだったりするから爽快至極!特にこれだけ動きまくって外連味たっぷりの構図の連続の作品なので、興味のある方はぜひ大画面で観られるうちにご覧になることをオススメする。

とにかくいつものTRIGGERだけどそれは他のどこにもないオンリーワンであるということをまざまざと見せつけてくれる濃密なフィルムだった、はー満腹満腹!!

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