Aimer Fan club tour ”été”@8/13 Zepp Tokyo/Aimer

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数年前、まだライブ本数が圧倒的に少ない時期にあまりのチケットのとれなさにムカついて(笑)難易度さげるために入会して以来、なんだかんだでファンクラブ「Blanc et Noir」はずっと会員を続けてる(コンテンツもいい感じだし)。そのファンクラブ会員ならではのツアーがあるとのことで、東京公演行ってきました。




会場は久々のZeppTokyoなんだが(ダイバーシティじゃないほう)、なんとこれが2500人満員なんすね、すごいなあ。加えて東京公演は東名阪ツアーの最後ということもあって、すでに各地を回ってツアーグッズで武装されている方もかなりの数いらっしゃる。上述のような「チケット取れねえ!?」という理由で入会したぬる~いファンの自分としてはなんか申し訳ない限り、すいませんすいません。

おまけに今回はPV用のビデオシュートも兼ねてるとのことでクレーンカメラががっつり入っていて、若いきらきらとしたファン方々ならともかく、こんなハゲのおっさんですいませんすいませんも一つすいません!という感じ(かけらでも映ってないことを祈るばかりや:泣)。
あと男女比でいうと6:4くらいで男性ファン多めだったのはちょっと意外だった―普段そういう感じをうけるアーティストではないので。

で初っ端から、同じくおっさんっぽい客がMC最中に切り忘れの携帯轟音で鳴らすなどのトラブルもあったのだが(オマケに切るのに手間取るとか・・・(#^^))、そういうトラブルのせいかAimerさんのMCが全体を通してけっこうくだけたというかすごく勢いのある感じで、そこは怪我の功名だったかな(苦笑)。もちろん「ファンクラブ」といういわば身内ばかりの観客というのもあったかと思う。

ステージはこの間のシングルに入っていたほうのバージョンの『After Rain』からはじまり、ファンクラブツアーならではのシングルカップリング的な曲や比較的メジャーでない感じの曲を中心に。個人的にもAimerさんの作品はなにげにこういった表看板になっていないタイプのカップリング曲にもなにげに良い曲多いと考えていたので、これはうれしかった。またツアータイトルがフランス語の”été(夏)”ということで夏テーマの曲も多数。
(舞台セットにはこのツアータイトルのネオンサインが中央にどんと据えてあったが、配色が都度変わって非常に爽やかできれいだった)

またMCもファンクラブツアーということもあってたっぷりと。飼っているリクガメのほっぺちゃんやかき氷のことアーティスト名最初読めました?等(笑)、ツアーメンバーとのお話(なぜかバンマス野間さんのところだけ観客悪盛り上がりするw)いつごろからライブに来てくれているのか、一番遠くから来られた方は?という感じで非常にいいぐあいの和やかさ。(ちなみにこの日は台湾を筆頭に香港、カナダそしておそらく最遠と思われるドイツからも来ておられた方いた模様!)

そして来月月初リリース予定の新曲はじめ、初披露の曲もいくつか聴けた。ここで特筆すべきは「実はまだタイトル決まってないんです」というファンク調の新曲。じつはいろいろとインタビューなどを見るとAimerさんけっこうファンクミュージック的なものもルーツに持ってらっしゃるように思うんだが、それがあまりがっつり出た感じの曲はここまであまり押し出してなかったように思う。この無名の新曲はいい感じでその音楽的ルーツを感じさせる新鮮な1曲だった(この傾向はアンコールでの『Uptown Funk』(マークロンソン/ブルーノマーズ)でも感じられた)。いい意味でこれは「ああ、まだこっちの引き出しもいくらでもイケるやん!?」というのを感じさせてくれて、うれしい誤算。(*1)

本編は2~3曲づつの間にMCを挟み10曲前後―そして多くの新規ファンを取り込むことになったシングル『蝶々結び』のカップリング曲である『夏草に君を想う』で〆―たしかにこういう構成はファンクラブルアーでないとなかなか取れない(個人的に好きな曲だったので大満足です!)。

でアンコールは先ほどのマークロンソンのカバーに続いて「世界で一番好きなバンドです」というスピッツの『渚』で〆。Aimerさんはその独特の声がウリなのでなかなかわかりづらいが、確かに注意して聴いているとスピッツ的なテイストというかカラーというのはそこかしこに見て取れる。逆にいうとそういったルーツもちゃんと自分のものとして消化しているのでオリジナルであるスピッツスピッツしたようなテイストにはなっていないということだろう。そのうえでファンクテイストもそうだけどそのルーツ的なものが浮き彫りになるような選曲で、ここはある意味新たな発見でした。

ということで、いい意味であまりかっちりとしていないゆる~い部分もありーの、けどAimerさんMCはかつてない勢いありーの(苦笑)というなかなか面白いアットホームなライブでした。こういうファンクラブイベントというのは実はファンのためではなく、アーティストご本人への日ごろの頑張りへのごほうびかとも思うので、折々で遠慮なくわがままに(笑)やっていただけると。ファン層も若いかた中心になってきていると思うので、次回以降はキモイおっさんとしては我が身をわきまえて会場の片隅でこっそり聴かせてもらえればと考えておりますですハイw

ということでまた秋口からシングル、ツアーとあるようなのでそのあたりを楽しみに待ちたいと思う。

(例によって終演後に記念に一枚パチリ)




(*1)
すこし前に流行ったいわゆる「ディーヴァ」系とでもいうかブラック・ソウルミュージック系の女性ボーカリストはこういうルーツ(というか売り込み路線?)的なものを前面に出し過ぎて却って失笑を誘うようなものがけっこうあったような印象があるんだけど、このAimerさんのそれは全くそういう印象を受けない。ひとつにはその声質のことがもちろんあるんだろうとは思うのだが、要は「丸ごとコピー」じゃないっていうことなんだろうな。ちなみに洋楽でも個人的にはブラックミュージック的なものをダイレクトに聞くよりも(それはそれですごいのだが)白人ミュージシャンがブラックミュージックに影響を受けて作った作品や、逆に黒人ミュージシャンがロックやメタル的なアプローチをしたときのほうが面白い曲が多いという印象を前々から持っている。先年亡くなったプリンスなんかも(ゴリゴリのブラックミュージックな面ももちつつも)ビルボード的なポップミュージックのセンスも濃厚に併せ持っていたからこそあの華やかで唯一無二のサウンドになっていたような気がする。もちろん当の本人が不世出な稀代の天才であったというのが第一にあるとは思うが。


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