公開前から気になっていた作品だが、公開後の評判がさんざんでどうしたもんかと思っていた一本。
ただエイリアンシリーズはいちおう第一作目を除いてぜんぶ映画館で見ているので仕方なく(笑)先日見に行ってきた。
前作の『プロメテウス』もあちゃーという感じではあったんだが、まさかそれをさらに上回る一本になっているとは(泣)。
駿馬も老いては駄馬にも劣るというヤツか、悲しいのう・・・。
まず観劇前から疑問だったのは「また植民船?」ということ。
前作『プロメテウス』の主役ショー博士が”エイリアンの故郷を見に行くわ!”って前作ラストどや顔で言ってたやん!?行く行くサギか!?という時点ですでに悪い予感バリバリ。
加えて予告のトレーラーみると植民船チームが全員カップルみたいな点を強調している時点でさらに悪い予感倍増―加えてこれは本編のシナリオの弱さを補うためにあえてそういうバージョンにしたんだなというのが本編みた後でははっきりと。
で、結局本作を一言でいうと「登場人物の全員がいちじるしくバカ」という素晴らしい作品でした(ファー!?)
そのバカな登場人物たちをエイリアンとアンドロイドがぶち殺していくというクソカオスな映画。おまけにエイリアン怖くない―というかライティング明るすぎて不気味さのブの字もない、かといってアンドロイドのデビッドたちが主役かと思えば、典型的なAIの自我の芽生え的な描写なのかそうでないのか動機まわりの描写がお粗末すぎて感情移入もできない。ほんで低能な乗組員たちはヘルメットもマスクもなしで植民星に降りて感染するわ、母船が嵐で分解するかもっちゅうのに限界以上に降下させようとする感情的な人物が船長だわ、アンドロイドにそそのかされて素直にフェイスハガーの卵のぞきにいく団長とかもうなんやねん!?コレ!?の世界ですわ、うははははは!?
なんかネットのどっかで読んだ話だとリドリースコットはAIの話しやりたくて映画会社はエイリアン暴れさせたくてといった感じでシナリオがどっちつかずになった的な話も見たんだが(その真贋ともかく)、なんにせよシリーズ中一番緊張感のないシナリオであったのは確か。
個人的に見ごたえがあったのはラストのほうの作業船のデッキ上での格闘でのCGのライティング(カラーリング)ぐらいか。
いやーどうしてこうなっちゃったかなあ、このシリーズ。
思うにやはりシガニー・ウィーバーの不在が大きいのかしら?どんなにぶっ飛んでても4作目まではまだなんとか感慨のようなものが観劇後残ったもんだが。あと何気にエイリアンのオリジナルデザイナーであるギーガーも亡くなっているというのもポイントなのかな―だってプロメテウス以降のそれってイカとかタコとかとどめに粉末でっせ?
シガニーさんはもうけっこういい歳なので主演はむつかしいにしても、たしか共同プロデューサーでもあったはずなので、ぜひシリーズに戻ってきてほしいなあ。あの4作目のラストのこの先どういう景色が待っているんだろう?のワクワク感を返してw
(てっきりあの後はウィノナ・ライダーのウェイト増やしていって継続させるのかと思ったのに)
ただなんか噂では3作目をなかったことにしてキャメロンの撮った2作目に続く形でのリブート企画があるとかないとかという話も聞いたことあるので、そっちも期待したいところ。(有名な話では過去、3作目のコンペ時ウィリアム・ギブスンがシナリオ書いてたバージョンだとヒックス伍長もニュートも死んでないのよね)
で、こうは書いたものの・・・実はまだスコットのメガホンでもう一本撮る予定らしいんすよ・・・本シリーズ・・・。
いや、まあやったらやったで観にいくと思うんですが・・・。正直もうイカとかタコは堪忍や!?