私を鬼ヶ島に連れてって/水曜日のカンパネラ

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これもどなたかがリンク貼ってたのをYOUTUBEでみて。最近本当に”旬”の音楽に接するのがむつかしくなってて。世間の流れももちろんあるが自分の怠慢もあると思うので深く反省。

私を鬼ヶ島に連れてって
水曜日のカンパネラ
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2012年ごろから活動を開始した音楽プロジェクト。主演・歌唱のコムアイ、作曲・編曲のケンモチヒデフミ、上記以外をDir.Fが担当しているとのこと。ライブはほぼコムアイ嬢のみ登場だそうな(wikiより)

自分はどちらかというとがーっと暑苦しい系の音楽のほうが好きなのだが(苦笑)、ここはこの取ってつけたような歌唱力のコムアイ嬢のボーカルにもかかわらずするっと聴けて、まさに食間の緑茶の味わいと申しましょうかw

音楽の種別としては泥臭い感じでない系のある種トランスとかああいう系統の臭いも感じさせる打ちこみ系のラップ主体となると思うんだが、こういうのジャンルとしてはどう呼べばいいんだろうかねえ。言葉の韻の踏み方等はヒップホップ的なものを感じるんだが、そういうところの主体となってるアフロアメリカン的なそれほど生臭くない、なにかこう獅子脅しに水か淡々と流れるように言葉が淡々と流れていくというか―そこが一番気持ちよかったのかもしれない。

ただベースはそういうトーンを貫いているが、意外と曲ごとのカラーは多彩で、8曲入りのアルバムだがどの曲も強烈に印象に残るものがほとんど。このあたりは歌詞の力も大きい。

一曲目の『千利休』の「東京茶摘みーらんど」といい、『桃太郎』の「PCエンジンbyハドソン」『デーメーテール』でのファンク調の「三菱コンバイン!!」とどめはラストの『ドラキュラ』での脱力ほのぼの調で歌われる「血ぃ~吸たろか~おまえの 血ぃ吸うたろか~」であるw吹くわ、こんなん!?

wiki等を見ると、どうもこの『私を~』まではメジャー流通にのらずヴィレッジバンガードなどの専売だったりするようだが、本アルバムの次、先日発売された5thアルバム『ジパング』からメジャー流通に乗ったようだ。ただアンテナの広い、感度のいい人たちには既にかなり知られた存在ではあったっぽいな。

ということで自分も遅ればせながら聴いてみたが、素晴らしかった。
なにが面白いってこれだけ言葉の洪水なのにすらっと聴けてしまうこと―ほんといい意味でひっかからず・とどまらず流れていく感じがいい。歌詞を見ればわかるとかなりインテリな人たちが作ってるのが良くわかるが、それすらもするっと流れていく歌詞の奔流の中ではあまり意味はないように思う。もちろんこの言葉のチョイスと音としての組み合わせの自然さこそがこのユニットの最大の魅力のように思うのだが、それを聴く側には一切意識させないのがすごい。

一点付け加えておくとするならば、もともとここはYOUTUBE等で動画の形で活動を開始したらしく、みれる動画はたくさんあるようだが、この言葉の流れのここちよさに反してかなり「色」の濃いものが多いようだ。なので個人的にはそういう「色」がついてしまう前に可能であれば「音」だけを聴いてみることをお勧めする。

そのほうがこのユニットの面白さというのはよりはっきり分かると思う。
なんにしろひさびさに「当たり」を見つけた感じでうれしかった。

そのうちぼちぼちと新旧追っかけていければと思う。

※本作リリース前後のインタビューあるようなので興味のある方はどうぞ。

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