約半年ぶりの物理シングルですな。タイトル曲のようなヘヴィなギターリフでの壮大な曲もすっかりこの人の看板となったようだ。
ただ、このあたりは予測できる範囲でもあったかと思う―もっとぶっ飛んでもいいのよ?(笑)
DefSTAR RECORDS (2015-06-03)
売り上げランキング: 59
昨年12月の『broKen NIGHT/holLow wORlD』からデジタルシングル『君を待つ』を挟んでの約半年ぶりのシングル。前シングルと同じくゲーム作品・Fate関連のテーマソングとしてのタイアップ(アニメ版2期主題歌)作品。表題作のほかに『Ophelia』、デジタルシングルであった『君を待つ』のアコースティックバージョン、『AM03:00』『7月の翼』の2曲のLiveバージョン (Live “Midnight Sun” ver.)を含む全5曲。
冒頭でも書いたがもう堂々のスケール感である。
正直1stアルバムからはこういう路線への予測は全くつかなかっただろうと思う、こういう路線は大好きなので個人的には大歓迎だ。
今回も前作とおなじくデビュー当時からのagehaspringsのプロデュースの模様。そこから考えてもこの路線がAimerご本人の中にもちゃんと元から存在していたカラーの一つではあったということだろう。
非常にヒロイックな展開のサビをもったパワーチューンであるし、クオリティも高い。
ただそれだけにもうひとひねりできるんじゃないかな~と考えてしまうのは、やはりこれまでの澤野・菅野という大物コンポーザー達とのコラボがあった故なんだろうな。この曲が時期的にそれらの前に出ていたのならもっと評価は違っていたと思う―ある意味損なリリースタイミングとも言えるが、逆にいうとそれらのコラボがなければこの路線もなかったともいえる。
だとするとやはりそれら大物との過去曲に挑んでいけないといかんと思うのよ―そして本作もちゃんと挑んではいると思う。ただやはり及んでいないのも事実ですわな、当たり前なんですけど。
逆にいうと、Aimerとagehaspringsのチームでそれら大物コンポーザー達と比肩するような作品が出てきたとき、以前のレビューで描いたような大輪の花が咲くのではないか。
かなーり贅沢な要求をしているというのは分かっているのだが、それだけのことが出来るポテンシャルは持っているアーティストであると思ってるので敢えて正々堂々と要求してみたいと思う。(笑)
菅野御大ではないけど「もっと野獣になっていいのよ?」とw
で、こうは書いたけどいいシングルなんですよ。
カップリングの『Ophelia』はなんとなく初期のサウンドのいま現在でのアップデートバージョン的な響きでちょっと懐かしい雰囲気をもった良曲。『君を待つ』は悪くはないが、アコースティックアレンジという以上でも以下でもない―もちろんこれはこれでアリ(アレンジは原曲のほうに軍配が上がる気がする)。ただアコースティックな分、Aimer独特の声質を堪能できるていくと言えるだろう。ライブバージョンの2曲は冒頭のMCといいライブの雰囲気をうまく伝えるチョイスだろう。ちょっとそのMCからの曲の入りの雰囲気が一昔前のニューミュージックというかへんな懐かしさがあるのは面白かった(笑)。
と、ここまで書いてなんとなくわかったのは、おそらく自分はこのAimer嬢の声質で「情念」のこもった歌を聞いてみたいのだな。たぶんまだ行儀がいいんだ、これだと。
そういう意味でそれに近い線にかすってたのが上に書いた大物コンポーザー両名とのコラボだったのだと思う。ただ、そういった路線への可能性は『MidnightSun』収録の『ColdSun』というこの内製チームによる作品にも存在している。当然期待していいだろう。
その「情念」のこもった曲調が果たして今後出てくるのかどうか―ひとり勝手に待たせて頂きたいと思う。
DefSTAR RECORDS (2015-06-03)
売り上げランキング: 59