月極レンタルでキルラキルを見てるんだが、リリース済みのディスクは見ちゃってレンタル開始待ち。
なので気になってたけどスルーしてたこれを。
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世界はつかの間の安定を取り戻し、00ナンバーサイボーグたちもそれぞれ各国の諜報部隊などに属しそれぞれの生活を送っていた。そこに突如として発生する全世界的な高層ビルへの爆破テロ。ただ一人これまでの記憶を消去され、普通の高校生としての生活を送っていた009=島村ジョーの前にかつての仲間たちが現れる。なくした記憶を覚醒させ、ふたたび彼らとともに巨大な悪とともに戦うために・・・。
全編3DCGによる作画とおもわれるフルCGアニメ・・・なのよね?
基本的にそういった違和感を感じさせず、かといってセルアニメでもなく洋画寄りな画作り。加えて物語中盤まではシナリオもなかなかハードな感じで、基本ぐいぐいみせる作品に仕上がっている。
そして本作のいちばんの見どころはなんといってもリビルドされたサイボーグたちの各キャラクター造形にあるだろう。ここはほんと見事なアップデートといってよいと思う。みなそれぞれキャラが立っているし、舞台が実在の世界各国となるシーンもおおくて多国籍感があって余計にそれは際立っていた。
あとうわさされていた通り確かに003がエロいwものすごくエロいww
ただ若干声が幼めだなと思ったら、最初に登場してくる偽りの彼女役のキャラクターとのだぶらせがあったからなのね(そして声優さんは斉藤千和嬢=ほむほむかいw)
また本作での敵役は例のアレと思しき存在なところをはじめ、原作版へのオマージュと思われるディティールが各所で読みとれてそこは好感が持てた。
いや、ほんと中盤まではすごく良い出来だと思う。
(教会での004の長ゼリフは正直どうかと思ったが)
しかし最後のオチ・・・というかちゃぶ台がえし的なクライマックスのところがどう解釈するかで、すごーく評価の分かれる作品だと思う。
正直ちょっとメタな感じの演出でどうとらえていいかわからない。
けどそういうオチでとおる感じの作品でもないのよな・・・。
いわゆるフツーのハリウッドスタイル的なエンディングというか落とし所にもっていけば、これだけのキャラクター造形をふくめ、今回の映像資産をつかって続編とかシリーズものにできそうな感じもあっただけに正直もったいないと思う。
これでは残念ながら続編の可能性はないだろう。
ただ、これまでの日本独自のリミテッド・セルアニメーション的なものが人的資産の関係でこれからどんどん作りにくくなっていくであろうことから想像すると、この作品の制作ノウハウや画的な落とし所というのは、今後の日本製アニメーションの中でひとつのマイルストーンにはなるように思う。
それだけに返す返すも終盤のシナリオがおしい一本だった。
(余談)
原作へのオマージュと書いたが、”天使の化石”といったガジェットなどは、監督の神山氏のある種の師匠筋に当たるであろう押井監督的なところへのオマージュのようにも見えた・・・とおもったら最初は押井氏が監督する予定だったのね、納得(苦笑)。