いろいろと話題の一本。中川コロナワールドの4Dxで観てきた。
2013年、太平洋の深海から突如巨大な怪獣が現れ、環太平洋の人間の生存地を次々と襲撃した。苦戦の末、人類はこれを撃退したが、次から次へと現れる怪獣に対し、人類は対抗手段として巨大人型戦闘兵器イェーガーを開発する。そのエースパイロットであり、ジプシーデンジャーを操るローリーは、ある出撃の際に同乗の兄を怪獣に殺される。なんとか一人で怪獣を倒し、命からがら帰還した彼だったが、そのショックから前線を離れ各地を転々としていた。しかし戦局のさらなる悪化に、彼に再び招集がかかる。その彼を迎えたのは謎の美女マコと、改修されたあのジプシーデンジャーだった―。
いやー、もうとにかく理屈抜きで楽しむための映画!4Dxの体感型設備でみたこともあるんだろうけど、もの凄く楽しかった!ストーリーとしては良くも悪くも深さは全くないんだけど、それがこの映画にとってはものすごくあってたと思う。
かといって、どかーん!ばかーん!とただ巨大ロボットが殴りあってるだけでもなくて、個性的な各キャラクターたちや、主人公二人の葛藤の部分など、洗練されたハリウッドシステムならではのシナリオで、物語の導線はきちっと作っている。(上の予告編から受ける印象よりは、ずっといい印象を本編で受けることは、保証します)
主人公は同調パイロットの相棒である兄を失い、失意の内にさまよっていた。そして彼の新たな相棒となるマコは幼少の頃のトラウマを引きずっていた。
その二人がその葛藤を乗り越え、互いにシンクロし、巨大ロボットがその真の力を発揮する!なにこのロボットアニメ(笑)。
いやー、その前半の見せ場となる香港戦が熱い熱い!
4Dxでみたのでどつきあいの度にシート揺れるゆれる!降下すると水しぶき出る出る!パンチヒットすると設備内の照明ビカビカするする!
とにかくもう全編ずーっとによによしっぱなし。友人のケタニちゃんも後日観にいったらしく、その感想をツイートしてたんだけどその「謎の多幸感」というコメントが凄く的確だった。
この映画がなんでこんなに燃えるのか?と思ったら、ひとつは世界各国の多国籍軍という、ある種オールスター戦的なワクワク感があるからだろうな、ある種中二病的な(苦笑)。
そういう意味では、この香港戦で物語の構成上、ロシアと中国の機体が脱落してしまうんだけど、ちょっとここはかわいそうだった。もっとこの二国のイェーガー(巨大ロボット)を活躍させてあげる場面があっても良かった。
(ロシア人パイロットのお姉さんもきつそうな美人で好みだったのにw)
しかし、このそれぞれの個性的な―ツワモノという感じがヒシヒシする面子が巨大怪獣に次々やられていくことで、敵の半端なさ感が増幅され、そこで主役二人の戦線復帰があるというのは、演出的には黄金のシナリオだろう。おまけに吹き替え版だとここ「ろけっとぱーんち!」らしいですよ!?
(20130914追記_以前貼ってたものが削除されたようなので別のものを)
あと、こういった予告編の映像では伝わりづらいと思うけど、音響というか音声が映画館ならではの迫力で―というか、そういう意味でも、これは映画館(それも設備のいいIMAXとか)でみないと、損だと思う。
ここまでの内容でわかるように、本作はすごく日本の特撮・アニメ文化に対してのオマージュが溢れている。
これは監督自身がそう仰ってるので、身びいきではないし、逆になぜ日本が先ににこういう作品を作れなかったのか、という忸怩たる面も業界の多くの方が持たれたことだろう。
けど、こういう形で日本的なものを尊重してもらえた上で、ハリウッドを通すことによってユニバーサルなコンテンツに仕上げてもらったのはすごく幸福なことだ。
それを思えば、ロボットのデザインががださいとか言うのはぜいたくっちゅうもんだ(苦笑)。敵の怪物もMonsterでなくKaijyuとかもう胸熱。
(けどこのデザインも、ある意味わかりやすい落としどころでもあると思うんだよな―少なくともGTMみたいなデザインではこういう展開はしづらいと思う)
そしてキャストに関しても日本人勢優遇されていた。
(もちろんそれに見合う実力あってこそだ)
ヒロインというすごく重要な位置にある、マコ役の菊池凛子はすごくはまっていたと思う。
これまでどちらかというと、玄人好みの渋い役に好んでキャスティングされるような印象を持っていたんだけど、この方は実はこういう映画のほうが映えるのではないか?
前髪ぱっつんでアジアンテイスト的なキャラクター造型をされているが、これまでのアジア系を強調されがちなハリウッドのキャスティングと違って、正統派の美しさも兼ね備えた存在といっていいだろう―正直ここまでいい女優さんだとは不明にして知らなかった。
スタントもみっちりこなしていたし、演技もちゃんとしている。アジア系という枠を外してもらえたなら、一時期のウィノナ・ライダー的な配役も可能なんじゃないかな。
(ただちょっと日本語のセリフが逆に残念なかんじだったのはご愛嬌:笑)
そして菊池凛子の幼少時部分を演じる芦田愛菜も、短いシーンだが上手かった。
(自分はTVをみないのでこの子は存じ上げてなかったんだけど、賞とりまくりなのね、納得だわ)
いやー、とにかく久々にスカッとなにも考えずに観れる楽しい映画だった。
設定も魅力的だし、内容的に続編を作ろうと思えば作れる。
できればデザインや演出的なところで、日本のスタッフがもう少し参加できて、かつもっと世界各国のイェーガーが活躍するシーンが見れる続編とかあれば、是非みてみたいな。
ある意味、各国・・・というか地勢エリアごとの独立したスピンオフも作ろうと思えば作れる感じの作品でもある。
粗製乱造の恐れがなくもないが、それでももう少しこの世界の続きを見て見たい―そう思える、総じてとても楽しい作品だった。
是非続編を期待!
そのためにはまだ観てない諸君はすぐ映画館へ!!
オオタチ戦が胸熱ですぅ![]()
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