なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

標準

才気ある人が、修羅場をくぐってもなお優しさと希望を捨てないと、こういう本になるのか。

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか? [単行本(ソフトカバー)]
山口 揚平 (著)

いわゆる経済・金融系のHowto本ではなく、お金というものや、実体経済からおおきく乖離した金融資本主義経済が幅をきかすいまの世の中で、お金の本質―ひいてはその先にあるものがなんなのか?ということを考察した一冊。

著者の前著が素晴らしかったので読んでみたのだが、これも良い本だった。
各論のなかにあるものそれぞれを通して、より明確に著者の思想というか、ものの考え方を論じている一冊ともいえる。
続きを読む

貧乏人が激怒する 新しいお金の常識 /午堂 登紀雄

標準

うん、まああたり前のことが買いてありましたな。
なので貧乏人だけどあまり激怒できなかったよ(笑)。

貧乏人が激怒する 新しいお金の常識 あなたが貧しくなる理由と40の処方箋 [単行本(ソフトカバー)]
午堂 登紀雄 (著)



この方の著作はたしか以前も一冊読んだことがあって、そのときも「うん、参考になったしある意味当たり前のことが書いてあるよな」という感想だったんだが―なぜか本書もそうだが―読後あまり強烈に印象に残らないのな。
続きを読む

日本人はなぜ貧乏になったか?/村上尚己

標準

ここまでいくつか経済関係―おもにリフレ派と呼ばれるほうの本を読んできて、このブログでも紹介してきたが、その総まとめ的に読める一冊だった。

日本人はなぜ貧乏になったか? [単行本(ソフトカバー)]
村上 尚己 (著)



本書の帯にはこうある。

・「右肩上がりの成長はもう望めない」
・「人口が減っているから停滞は仕方がない」
・「一人当たりのGDPで見れば日本人はまだ豊か」

全部、ウソです。と。


続きを読む

コミュニケーションは、要らない/押井守

標準

昨年の3月、震災から1年をむかえた頃に出版されていた一冊。

コミュニケーションは、要らない (幻冬舎新書) [新書]
押井 守 (著)



国内よりも、むしろ海外の玄人筋に人気のあるアニメーション映画の監督であり、”安保”に乗り遅れた元左翼として自身の出自を自覚的に語ることの多い、押井監督による震災や原発―その前後の日本の言論空間の空疎さを指摘した一冊。

本書の中で監督は、あえて意図的に「僕は原発推進派である」との命題を設定して、論を展開している。
続きを読む

ミッシングリンク-デジタル大国日本再生/谷脇康彦

標準

だいぶ前に買っていたのだが、なぜか一気に読み通せずようやく読了。

ミッシングリンク―デジタル大国ニッポン再生 [単行本]
谷脇 康彦 (著)




日本の電気・情報通信産業の現状直面している問題点を論じた一冊で、かなりいい内容が書かれている一冊だと思う。
続きを読む

円高の正体/安達誠司

標準

内容の是非は例によって賛否あると思うが、とにかくべらぼうにわかりやすかった。

円高の正体 (光文社新書) [新書] 安達誠司 (著)



先日取り上げた『「復興増税」亡国論』と同じく、リフレ派の著者による行き過ぎた円高の悪影響の指摘、および、それに対するインフレ誘導を主張した一冊である。内容的にはリフレ派のそれであり、本書ならではの特徴的な主張はないようだが、こういったテーマを理解する際に必要となる、基礎的な知識の解説が非常にわかりやすかった一冊。

これから先の景気動向を知る意味では、ぜひたくさんの人に読んでおいてほしいと思う。
続きを読む