【レビュー】『コメットさんにも華がある』川原泉

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先月から本買い杉。
しかしいまのところこれぐらいが唯一のストレス解消だし、と自分に言い聞かせてみる。

『コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)』




前作は偶然中古で入手できてしまったので、それでは教授へのお布施にならない、ということで平積みをいいことに近所の本屋で。
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【レビュー】『シドニアの騎士 5巻』弐瓶 勉

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緩慢な”地獄巡り”だな。
希望の見えなさ、暗さといい―ある種、それを楽しむ(?)エンターテイメント作品。

『シドニアの騎士(5) (アフタヌーンKC)』




更なる人間化が進む、奇居子(ガウナ)の再現した星白に、ある目的を秘めて迫る、岐神(くなと)を乗っ取った落合。
(外生研の田寛さんがあぁぁぁぁぁ!?)

一方シドニアにはガウナを推進源とした、小惑星ミサイルが迫っていた―。

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【レビュー】『ウルフガイ 10巻』

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いい、予想外にいい。
不覚にもこの段階で泣かされるとは思わなかった。

『ウルフガイ 10 (ヤングチャンピオンコミックス)』



青鹿先生をエサに竜子に呼び出され、前巻で手傷を追った犬神明がようやく先生と再会するところまでを収録。
原作では描写のほとんどなかった侵入シーンが大幅に書き加えられ、エンターテイメント性も増している。
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【レビュー】『クレープを二度食えば』とり・みき

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著者のとり・みき氏はいわゆる”理数系ギャグ”の代表選手のような方だが、そこから離れた”リリカル”な作風の短編ばかりを集めた一冊。

『クレープを二度食えば(リュウコミックス)』



自分は表題作を、おそらく初出の別単行本で読んでいたと思うんだが、なんでも涼宮ハルヒかなんかでこの『クレープ~』が取り上げられていたため、今回あらためて単行本化となったらしい。

リリカル作品集、とあるが、もともとギャグマンガ家であると同時に、猛烈なSFフリークであるとり氏のその方面がいかんなく発揮されている一冊でもある。

同じ九州出身のSF作家・梶尾真治氏のそれと、どことなく同じ空気感があるのが趣き深い。
(作中にも氏へのオマージュと取れる描写多々あり―本書はそれよりややハードボイルドだが)
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【レビュー】『セツ 2巻』

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やはり木葉功一は天才だ。

『セツ 2 』



今回は表紙もちゃんと華があっていい。
なにより素晴らしいのは本巻巻末の犯人に対するセツが涙ながらに語るそのシーケンス。

世界がウソ臭く感じる、あらゆる感情の緩慢な麻痺

それはあなたが”あなたの名前”を生きていないから


核心だよ、これ。


やはり木葉功一は天才だ。




※2022/06 追記
本作『セツ』のシリーズは大手出版社からの紙媒体での出版は打ち切りのような形となったが、著者御本人が再編集版というか直接編集して再構成されたシリーズがKindle版にて出版されている。表紙のビジュアルも華やかになってある意味「完全版」といってよいだろう。

詳しくはamazonの著者ページを参考にされたい。

ナンバリングが変に凝っているせいでややこしいが、基本数字の順でOKのはずである。
内容に関しては読むに値する作品であることは十二分に保証する。
興味のある方は是非どうぞ。








※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正