月極めレンタルで。
途中何箇所かつらすぎて早送りし、エンディング近くでは思わず
「ええええええ!?そらないやろー!?」
と大声で叫んでしまいましたがな!?
優しい両親と妹弟に囲まれて幸せに暮らしていたスージーは、14歳のある日、変質者によって殺されてしまう―あこがれのボーイフレンドと初めて週末のデートの約束を交わした、ちょうどその日の夕刻に。
彼女を失った家族は当然変わってゆき、彼女は天国へ行くことなく、涅槃をさまよっていた。
そして彼女を殺した男は、なにひとつ変わりなく普通の生活を送っていた―。
話の骨子や、何気ない生活風景、そして主役のシアーシャ・ローナンの美しさ(どことなく『カナリア』のころの谷村美月を髣髴とさせるある種の神々しい可愛らしさ)など、いいところがたくさんある映画なのだが、部分部分で大きく理解に苦しむシーンがあり、非常にバランスの悪さを感じる映画。
ひとつは我々東洋のそれと、西欧における死生観の違いが大きいのかもしれない。
しかしとにかく、いろいろとしんどい映画だった。
とにかくシチュエーションがつらすぎる。
映画の演出としては恐怖をあおるわけでもなく、過剰な演出があるわけでもなく、むしろ穏やかに進むのだが、それだけに残された両親や、死んだ彼女自身のことを考えると気が重くなる。
で、そういった原因をつくった殺人犯が最後は暴かれはするのだが、ハリウッド映画のお約束のように派手な銃撃戦でつかまるとかも一切ない。
その点、抑制の効いた脚本といえなくもないのだが、物語としての爽快感は当然求むるべくもない。
(犯人のあんな最後は納得いかん、逮捕してブチ込め!)
そしてなによりも、あの”金庫”をあの穴に落としてそのままでしたー、というのは後味悪すぎる。
現実はそんなものだ、という真実の冷酷さの意味では正しいのだが「あれじゃ成仏できんぞ・・・」と日本人なら考えるわな。
主役の女の子が清潔感がある、あの年齢独特の美しさ・可憐さがあるだけによけいにそのひどさに胸がふさぐ・・・。
(また表情の演技がいいから余計にだ・・・)
もう少しやりようがなかったのかなあ。
現実の冷酷さはそれとして、もう少し救いがほしかった。正直つらすぎる。
映画としては確かに良くできているんだが、あと何点か変えていれば”名作”とよばれる一本になったろうに。
(せめて遺体だけでも見つけてあげて欲しかった・・・)
そう思うとなんともいえなくなる、いろんな意味で居心地の悪くなる映画でした。
はあ・・・しんど・・・。
あ、あと”見える”ひとはあんまり意味なかったですな。
(それこそラストシーンのためだけの取ってつけだわ)
※殺人犯がなんとなく宮崎駿氏が人生踏み間違えたらこんな感じになってたろうな、と思うのは私だけですか、そうですか。(嘘です、うそうそw)