ソネミちゃん新音源。
『シャンプーハットとしてもご利用頂けます!』/ソネミ
(『狂い咲きサンダー少女』『伝説の死に損ない』の2曲および、それぞれのカラオケ音源を収録)
前エントリのライブレビューを見ていただければわかるかと思うが、ここはサウンド的にはかなりハードな、というか王道のロックバンド的なスタイル。
そしてライブが一定以上のクオリティにある。
(だから自分もたびたび足を運んでいるわけだが)
ただそういうバンド―ライブが強いバンド、というのは実は音源のアプローチが非常に難しい。
なぜなら、レコーディングの技術なり、ミックスダウンのそれが、ライブと同等かそれ以上のクオリティがないと、リスナー側にライブでの感動とギャップが生じるからだ。
そして上記のような技術というのは、基本楽器の演奏力とはまったく別の話である。
なので、よほど運よくそういったセンスと技術力のあるスタッフが近くにいないと、実はこういうバンドの音源は不利だ。
しかし、今回は「お?」と思える部分があった。
それは『伝説の死に損ない』のほう。
そう、ある意味ちょっと割り切ったアレンジがなされているのである。
これはチャンスがあれば、ぜひ音源を聴いてみていただきたいと思うが、ライブでみせる、パンクロック的なアプローチではなく、やや打ち込みよりに近いようなカラー。
その最大の要因は、ボーカルスタイルがそういった(いい意味での)”ふにゃふにゃ感”に変えてあるのが大きいと思うのだが、このアプローチは凄く正解だと思う。
おそらく、まだそういった方向への”振り切り”というか、思考の切り替えが出来ていないから、こう書くほどには聴いた印象では感じないかもしれない。
けれど、こういった”ライブとは実はまったく違う切り口”は凄くあり!だ。
元となる”曲”としては同じであっても、まったく別の服を着せてあげている、という意味ですごく正解だと思うし、手にしたリスナーもこれなら楽しいと思う。
今回はカラオケもついていたので、いろいろ音を足しているのもわかるし、工夫しているのがわかるので、いっそのことそういった割り切りの元で
「音源バージョン」
という、リミックスを作るぐらいの気分でやったほうが、正解なのではないか?
もっと乱暴に言うと、エレクトロニカとか、テクノにしてしまってもかまわないと思う、音源としては。
それぐらいでちょうど―というかなによりもそっちのほうが面白いとおもう。
(作るほうは大変だと思うが)
なんにしろ、そういう切り口の方向性が見えたというのは、非常にいいことだと思う。
あと、ビジュアルとかアートワークもがんばってる。
インナーなんてどこのこじゃれたバンドですか!?みたいな(笑)
ジャケットも例のツヤコ嬢テイスト。
この方の絵は、もうすこし絵柄のブレが収束してくると、構図といい、程よい毒気といい、非常にコレクション性が出てくると思う。(今回いつもと違って、ちょっと手塚テイストなのな)
あとコバリさんご謹製のカードもついていたのだが、まだ比較できるほど数を見せていただいてないので、評価は保留。
もう一枚カードあったらしいが、Tシャツ購入特典らしいので、とうぜん当方拝んでおらぬw
ハルナガ氏に聞くと、メンバーそれぞれがいい感じでいろいろ役割分担できている、とのことなので、その方向性で、もっとそれぞれのカラーを出せるようになってくると、物販ももっと魅力が上がっていくのではなかろうか、と。
自分たちも楽しんで、お客さんも楽しんで―ここならそういう物販が、将来的に可能なんじゃないかな。